第26話 夢じゃないよね? アオイ視点

「んん〜」


 布団でシズが寝てる。寝顔可愛いな……その顔を見てるだけでドキドキしてくる。


「ふふ」


 ほっぺたツンツンしてみても全然起きないや。今日は講義昼からだし、まだ起こさなくてもいいかな。もうちょっと見てたいし……。


 あ〜思考がすごく幼くなってる。昨日のカードの時と同じかな? でもちょっとだけ違う気も……。


「でも……」


 昨日のって夢じゃないよね? オレ……シズとキスしちゃったし! 


 嘘じゃないって言ったし……伝わった……よね?


「ん〜」


 あ、窓から顔背けてる。眩しそうにしてるシズも可愛い。


「キスしてもいいかな? いいよね? もう恋人だし……」


 寝ているシズにキスしてみる。


「ん……っ」


 あ……やっぱりキスって気持ちいい。


 シズ好きぃ♡


 好きって思い出すと頭が回らなくなって来る。思考が幼くなっちゃう。好きで埋め尽くされちゃう。


「好き。シズ……好きぃ♡」



「ん?」



 急にシズの目がパッと開いた。



「え? え?」



 オレに気付いたシズ。その顔がドンドン赤くなってく。昨日のこと思い出してるのかな? かわいいカワイイ可愛い〜♡


 思わずシズの上にまたがってしまう。そしたらもっとシズの顔が赤くなる。それを見てたらもっと……。


「好き……んっ……」


 またシズにキスする。


「ちょっ!? アオイ!?」


「好きぃ……好きぃ……んっ……」


 シズが何が言おうとしてるのをキスして塞ぐ。シズがもう耳まで真っ赤で面白い。


「ぷはっ! タンマタンマ!」


「えぇ〜なんで? もっとしようよ?」


「いや、その……朝だし……」


「朝じゃしちゃいけないの?」


「恥ずかしいし……」


「オレは恥ずかしがってるシズの顔もっと見たいな♡」


「あ、あの、昨日ってごっこじゃなくて、本当に、その……」


「好きだよ。嘘じゃないよ」


「そ、そっかぁ……」


「なんでそっかなの!?」


「夢かと思って、その、……嬉しかったから……アオイが僕のこと、好きだって言ってくれて」


「え?」


「うん。僕もアオイのこと。好きだよ。ごっこじゃなくて本当に付き合いたい。……そう、思ってる」



 ヤバイ。泣きそう。


 止めようとしてもボロボロ涙が溢れて来る。シズが大好きで、シズもオレのこと大好きで……それが嬉しくて……訳が分からないくらい嬉しくて……。


「えぇ!? ちょっと! 泣かないでくれよ!」


「だってぇ……嬉しすぎたからぁ……」


「……はは」


 シズが微笑んで頭を撫でてくれる。気持ちいい。でも好きでいっぱいでもっと涙が溢れて来る。そしたら、シズがそっと抱きしめてくれた。



 嬉しくて嬉しくてもっと涙が出る。



 でも、安心した。これからはどれだけ好きって言ってもいいって思ったら。



「好きだよ、シズ……」



 シズの背中に手を回して確認する。夢じゃないって。



 今日、本当にシズと恋人になれてすっごく嬉しかった。

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