1月1日 10時20分
悠久に戻った私は、汚れたルームソックスを脱ぐと深いため息をついた。
「木の神さんは美しいですが、人間の姿になるともっと美しくなりそうです。猫又さんは、どちらかと言うと可愛らしい姿ですね。もし良ければ美しいと言われている人間の写真を見てみませんか?」
あの後私は、当たり障りのない回答を絞り出し、スマホを使って最近人気の女性モデルの写真を見せた。
木の神も自分の勘違いに気づき、改めて姿を作り直すと意気込んでいたし、猫又は、地雷系モデルだけでなく、検索で出てきたゲームのキャラクターにまで興味を示していた。
「運動会の場でもう一度戦いましょう。遅刻なんてしないでちょうだいね」
「当然だ」
火花を散らしている2人を思い出す。
見た目で勝負するつもりだろう。
実施するのは運動会なんだけど、趣旨違ってて大丈夫かな。
身支度を整え、靴を履き、鏡を持って玄関に立つ。
ルヴァくんの為に引き受けたけど、あっきーの言う通り面倒だ。早く済ませてしまおう。
鏡に手を触れ、目の前が真っ暗になるのを確認する。
真っ暗になる直前、悠久にある古い時計が鳴っていたのが聞こえた。
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