スタート

@curisutofa

出航とスタート

『ザアッ、ザアアアッ』


『新たなスタートね。老爺じい♪』


で御座いますか?。姫様』


船着場で出航を前にして潮騒を聞きながら上機嫌で話した私に対して、忠実な守役である老爺じいが不思議そうな表情を浮かべたから笑顔で頷いて見せて。


『異国の言葉で出発を意味するわ。王国から帝国に赴くにあたり、スタートという言葉は合っていると感じて使ったのよ♪』


笑みを浮かべながら答えた私に対して、老爺じいも笑顔を見せて。


『長年に渡り王国と敵対して来ました帝国に向かう前に、姫様が過度に緊張していられずに守役として安堵しました』


船着場に停泊をしている、最新型となるミスリルズィルバー製の魔道具の推進装置を搭載している外洋船に足取り軽く向かいながら私は頷いて。


『前回秘密裏に深夜に帝国を訪問の際に少しだけ話せた、金髪ブロンデス・ハール魔法使マーギアーい殿との再会が非常に楽しみだわ。非常に強力な魔力マナを身にまとっていられたから、味方に出来れば頼もしい殿方となるわね♪』


天から根元魔法の素質を授かりし女魔法使マーギエリンいの視点で話した私に対して、守役の老爺じいは困った御方だという好意的な苦笑を浮かべて。


『姫様の邪魔はいたしませんが、何卒なにとぞ御注意下さい』


忠実な守役による心配に対して、私は感謝をしながら頷いて。


『ええ、注意をすると約束するわ老爺じい。新たなスタートの時にこそ用心が肝心ね』

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