4 見張られる自習

「この本を一週間でトータル三時間勉強して。勉強したら、このアプリに勉強時間を入力してね。このアプリ、チーム全員見てるから」

 新人研修で習った言語とまったく異なる言語を、一から勉強しなければならなくなったわたしは、その言語の資格を取らなければならないらしい。


 分厚い参考書が渡された。

 その本を勉強したら勉強時間をアプリに記入する。

 記入していないと、アプリを通じて、リーダーから連絡が来た。

「最近ちゃんとやってる?」

 勉強時間を入力すると、リーダーから「いいね」が送られてくるが、別に達成感も何もなかった。


「一日三十分だけやれば、達成できるよ」

 リーダーはそう言った。

 業務時間内にやるものではなくて、あくまでも自習。

 絶対に仕事を業務時間外にやりたくなかったわたしは、昼休みを削って勉強した。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る