第2回 アルジャーノンだけ花束をもらってずるいと思います
笑う、分かる、後悔、辟易、声をかける、言った……
俺の小説によく出てくるワードである。思いつかないだけでも他にもあるだろう頻出単語。書き進めていくと、「あれ? この表現前にも使ったな……」となり、”〇〇 類語“と検索する事がしばしば、いや頻繁にある。履歴で過去にも同じ検索をしていた事が発覚した時など笑いすら出る。俺は全く言葉を知らない、愚かな人間だ。
語彙を高めるにはどうすればいいのかは分かっている。読書だ。読書をすればいいのだ。文豪の私小説を読み、言葉の種類と使い方を物語の中で学んでいけば必ず力は上がっていく。一時的でも効果があるのだから、毎日続ければそれはもう、頭の中が歴史に名を残す著名な作家レベルに鍛え上げられるだろう。
だがそれができない。
心に物語を入れる余裕がないのだ。
この世界は悩みが多すぎる。何をやるにも疲れてしまって、小説が一冊読める時間を寝転びながらTiktokを眺めるという堕落に転化してしまう。思い返し辟易。今、項垂れている。
「あぁ、時間が浪費されいく」
そんな風に自己嫌悪しながら指のスワイプが止まらない。脳が死んだ状態で垂れ流される情報の表層をなぞるだけ。一時の快楽と鈍い苦痛。有意義に、生産性のある事をしようと思っても動かない身体。脳が溶けだして、語彙力が失われていく。醤油を取ってほしい時、「あれ取って」塩を取ってほしい時「あれ取って」孫の手がほしい時「あれ取って」。田舎の爺さんか俺は。
かつて三島由紀夫は、「字引くらい暗記しないと」的な事を言ったそうだ。そんな無茶ができるかと思うが、一流の人間はできるのだろう。勝海舟もポルトガル語だかなんだかの辞書を三冊書き写したとされているから、それくらいの努力はやって当然なのかもしれない。俺にはできない。ゴミ人間。
日々の生活で言葉が失われていく。改善したいと思いつつも、動けない。そんな毎日。
皆様はそうならぬよう、カクヨムの作品でもスコップしながら脳を活性化させていってほしい。それで、もし俺の作品をいくつか読んでいただいたのであれば、その時は声をかけてくれないか。感想、お待ちしています……
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