【あとがきに重大告知あり】第81話 エッチな下着からクマさんパンツまで何でも履く覚悟は出来てるよ

 京都旅行から帰って数日が経過した今日、俺は少し遠方にある巨大ショッピングモール内を一人でうろうろとしていた。その目的は夏乃さんの誕生日プレゼントを探すためだ。

 名前に夏という漢字が入っている事からも分かる通り夏乃さんは八月生まれであり近々十九歳になる。ちなみに凉乃の場合は涼しくなり始めた十月に生まれたためその名前になったとの事だ。


「うーん、何が良いかな」


 俺はプレゼント選びのセンスがある方ではないため毎回何をあげるか迷ってしまう。確か去年は夏乃さんの受験を意識して結構良い値段がしたシャーペンをプレゼントした記憶があるが今年はどうしようか。


「てか、兄貴はどうするんだろうな」


 兄貴も毎年夏乃さんに誕生日プレゼントを渡していたが早穂田大学のオープンキャンパスで完全に失恋をしたため今年は渡すのかどうか分からない。

 俺が兄貴の立場なら多分辛過ぎてまず無理だろう。ようやく夏風邪が治ったらしいが未だに引きずっているらしく表情もずっと暗い。相変わらず凉乃は兄貴に対して献身的だがかなり荒れているらしく心配だ。

 マジで今の兄貴は凉乃が兄貴の事を好きと知ってしまった時の俺に似ている。よく俺と兄貴は一応双子なのに全く似ていないとは言われているがこういうところは本当にそっくりだ。

 やはり血は争えないらしい。兄貴の件は俺や夏乃さんが下手にどうにかしようとしても多分逆効果にしかならないため今は大人しく見守るだけに留まっている。

 そんな事を考えながらしばらくショッピングモール内の色々な店を歩き回る俺だったが中々ピンとくる物が見つからない。


「夏乃さんも今年から大学生になったんだし、やっぱりそれにあった誕生日プレゼントとかの方が喜ぶよな」


 小学生の頃ならまだしも今ぬいぐるみなんてあげても喜んでくれるとは思えないし。かと言って大人っぽいプレゼントも何が嬉しいか分からないため中々難しい。


「じゃあさ、これなんかどう?」


「いやいや、これを渡すのはいくら何でも流石にやばいでしょ……って何でここにいるんですか!?」


 何と俺の隣にはいつの間にか夏乃さんの姿があった。今日ここのショッピングモールに行く事を夏乃さんには一言伝えてなかったし、もし仮に伝えていたとしてもこれだけ広大な敷地内で待ち合わせも無しに出会う事なんてまず不可能だ。


「やっぱり私達って運命の赤い糸で繋がってるみたいだね」


「そういうのはあまり信じるタイプじゃなかったですけど今回ばかりは流石に信じる気になりましたよ、そもそも夏乃さんは何でここにいるんですか?」


「私は普通にショッピングかな、ここなら欲しいものが大体揃ってるし」


 確かにここのショッピングモールであればよほど特殊なものでない限り買える。俺もそれが目的でわざわざ近所にあるショッピングモールではなくここに来たわけだし。


「……それでさっき俺にスマホの画面を見せてきたあれは一体どういう事ですか?」


「ああ、ブラジャーショーツセットの事?」


「そうですよ、あんなものを誕生日プレゼントで渡したら間違いなくセクハラでしょ」


 少なくても俺が貰う立場なら間違いない困惑する自信がある。そんな事を考えていると夏乃さんはニヤニヤしながら口を開く。


「ほらっ、やっぱり結人に勝負下着を選んで貰った方が燃えるかなと思ってさ。エッチな下着からクマさんパンツまで何でも履く覚悟は出来てるよ」


「もう既に色々とツッコミどころしか無いんですが……」


 何で俺は真昼間から夏乃さんとこんなドピンクな話をしているんだろうか。てか、前々からずっと思ってはいたが夏乃さんってことあるごとに俺に自分の下着を選ばせようとしてくるよな。


「じゃあ俺はそろそろ行くので」


「こらこら、お姉さんを放置してどこへ行こうとしてるのかな?」


「今日は夏乃さんの誕生日プレゼントを買いに来たんですよ、一緒にいたら何をあげるか分かっちゃうじゃないですか」


 それだとサプライズ感が無くなってしまう。まあ、誕生日プレゼントを買いに来たことが本人にバレた時点でそこは今更な気もするが。


「それなら一緒に誕生日プレゼントを選ばない? 貰うまで分からないサプライズでも良いんだけど欲しいものを一緒に選んだ方が楽しそうだし」


「夏乃さんがそれで良いなら俺は別に構いませんが」


「よし、じゃあ決定で」


 ぶっちゃけ夏乃さんが一緒に選んでくれた方が間違いが無いので確実だろう。変なものを選ばせてきそうな気もするが流石にその辺りの節度はあるはずだ。


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本日より本作のコミカライズの連載が始まりました🎉


出版社はポプテピピックなどで有名な竹書房、レーベルはチート薬師などを連載しているWEBコミックガンマぷらすです✨


コミカライズ先のリンクは作者のXに固定してあるので下記から作者プロフィールに飛んで、そこからXアカウントに飛んで頂くとスムーズです✌️

拡散に協力頂けると助かります!!

https://kakuyomu.jp/users/Ash3104


コミカライズ版1話は原作の2話までが範囲となっています〜

月間連載になるので月に1回の更新になりますがお付き合いください!!

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