9話 夢と希望

 う、ウソだ……ウソだウソだウソだウソだウソだウソだウソだ。

 

「嘘だァァ!」

 

 目の前の惨劇に視界と顔を歪める俺、だれがこんな惨劇を予想出来ただろうか。

 

 俺はただ愛すべき人の亡骸を抱えることしか出来なかった……。

 

 ※

 

 あの日、水島ちゃんが俺にご飯を作ってくれて以来、彼女は俺の家に来てはご飯を作ってくれるようになった。

 

 彼女が作る料理はどれも店を出せるくらい美味い、うん、マジでいつか嫁にもらおう。

 

 そしてだが、この半年間で俺は下級魔法~最高位魔法のほとんどを会得することが出来た、でも最高位魔法の上には禁忌魔法というのがあるらしい、この魔法は使うと何かしら代償がいるらしい……ん? 待てよ? 死者蘇生は禁忌魔法なのに代償が俺にはなかったな……なんでだ。

 

 あと、スキルも何個か使える事がわかった、1つ目は七英雄の鎌使いが使ってた「避雷針」2つ目は海瀬が使えると聞いていた「テレパシー」3つ目は「融合」とやらのスキル……まぁどれも使い方はいまいちよく分からん、時間があった時に天の声に聞こうかな。

 

 これを聞くと、みんなは「何で天の声に全ての魔法の打つ方法を聞かないの?」と思うだろう、俺だって何度もそう思ったし何度も試したさ、でもね? 天の声ったら「ある者のプログラム」とか言って、打てる魔法を教えてくれないの! 俺全部の魔法使えんのに……不便だ。

 

 また剣術の適正についてだけど、Eだった適性が最近Dになり、体術も最近適正こそは上がってないが、結構成長してる。

 

 てのが今までの俺の成長記録。

 

 そして、なんと今日はあの女神のように可愛い、水島ちゃんとのデートの日だ! デートの日と言っても、ただ任務の日なんですけどね?

 

 そう今日の任務は俺がレジスタンスに入ってからの初めての任務だ。初任務だから多分、海瀬は簡単なモノを用意してくれるはず!

 

「任務内容は、ドスタルニア王国の救援」

 

 これまた意味不明な任務内容……ふと、俺は海瀬の方に視線を向ける。

 

「今回の任務はドスタルニア王国の救援。最近ドスタルニア王国がAIの襲撃を受けていてな、被害も尋常じゃないくらい出ているらしい。だから二人には3日の間その救援に行ってもらう良いな?」

 

「「りょう〜かい」」

 

 ※

 

 水島ちゃんの愛車を使って国を出た俺と彼女は、ここから数日かかるであろうドスタルニア王国に向かった。

 

 天の声からは、ドスタルニア王国についてはこう言っていた。なんとその国には裕福な貴族たちだけが住んでいる、日本で言う三大都市の一つらしい! まぁ正直性欲の方は間に合ってないが、可愛いは間に合ってるから、風俗的なところは行かなくていいかな!

 

 あ、一応レジスタンスの本拠地がある海瀬がいる国、カレイス王国も三大都市の一つらしい。

 

「なぁリガド」

 

「あぁ?」

 

「なんだその態度? 殺すぞ。……お前、強くても相手は何人いるかも分からんから気ぃ抜くなよ?」

 

「へいーへいー、てかそんなに手こずる程でもないでしょ。俺が本気出さなくても勝てるよ。俺の最高位魔法で一発よ!」

 

「……それもそうだな。あとあっちの国ではAIにはなるなよ? 相手は名前と実績意外なんも知らねぇからな」

 

「りょうかい」

 

 ※

 

 車を運転していて3日、3日間俺は水島ちゃんと一緒に寝ることは無かったが、彼女が現地の素材で作ってくれる夜ご飯を食べることが出来た。

 

 めちゃくちゃ美味かった、味もそうだが手作りという項目が生まれ、そのご飯には毎回温もりが感じられた。

 

 前の世界で、俺が幼少期の時には得られなかったモノだ。

 

 幼い頃は母さんが好きでよく仲良くしていた……でも母さんは不治の病で死んだ。

 

 母さんが死んでから父さんは自暴自棄になった、だがその自暴自棄になったお陰で、父さんは社長に成り上がることが出来た。

 

 そして、俺は父さんのコネを使って、母さんが死んだ穴の空いた心を塞ぐように、女を貪り食う為に明け暮れた。

 

 そんな日々を過ごしていけば、人から貰う温かいモノなんて、母さんが死んでからそんなモノを忘れていた。

 

 でも、水島ちゃんが忘れていたモノを思い出させてくれた。彼女には死んでも言えない事だが、心の底から感謝している。

 

 4日目の朝。

 

 起床した俺と水島ちゃんは、もうすぐで到着するドスタルニア王国に行く為の支度をし、再び出発した。

 

 ※

 

 無事ドスタルニア王国に辿り着いた俺たちは、まず先に目に入ったモノに目を疑った。

 

 そうその国には裕福な人間が沢山住んでいて、文明も発展しているはず……なのに、王国の城壁がひどいやられようだ。

 

 だが、唯一救いとしてその国自体AIに支配されておらず、まだ国として機能している点だ。

 

 俺と水島ちゃんは恐る恐る、門番として国を守っている人間に「救援」という名目でここに来たことを説明した。

 

 そして、国の中に入ると、国の中はAIにやられたんだろう、沢山の建物が崩壊しており、地面には赤黒い血が点々とこびり付いていた。

 

「待っていたぞ、水島、リガド」

 

 国の中を歩いている時、目の前に見知らぬ男が現れた。

 

「俺の名は、須崎寛太すざき かんた。ここのレジスタンス拠点の隊長をやっている者だ。3日間だがよろしくな」

 

 男の見た目は金髪で緑のスカーフを首に巻いた、いかにもな好青年だった。

 

 俺たちはそんな男に対し、

 

「よろ〜」

 

「よなしゃす」

 

 と気怠げな態度で挨拶をすると——須崎の野郎は俺たちの頭に強めな拳骨を入れてきやがった。

 

「礼儀を知らねぇやつは、だいたい死ぬぞ? 特にこの戦場ではな」

 

「「あぁ?」」

 

 俺と水島ちゃんが須崎とか言う野郎にガン飛ばしてると——突然、国の中の警報が鳴った。

 

 それを聞いた須崎は「来たか」とだけ言って、門の方へ向かっていくので、俺達もその後を追う。

 

「武器を持て! AIにここを取られてはならないぞ!」

 

 須崎がそう部下たちに伝えると、部下たちは男のけたたましい雄叫びを上げた。

 

 うっせぇ……ん?

 

「なぁ水島ちゃん、なんでアイツら銃とか持ってんだ? 普通ああいうのじゃなくて魔法の杖とかじゃねぇの? 世界観的に考えて」

 

「世界観とかそういうのはよく分からんが……魔法の杖より銃のほうが魔法を撃つスピードとか無詠唱で撃てるからダンチの差があんだよ。あとあの銃は魔法の構造が組み込まれたちょっと特殊な銃」

 

「じゃあ! 俺もあの銃使ってみてぇ!」

 

「それは無理だな、あの特殊な銃は作るのに手間がかかりすぎる、だから人類が持てる数には限界があんだよ。あとお前は別に銃を使わずとも無詠唱で魔法撃てるからいらんだろ」

 

「チェッ、欲しかったなぁ」

 

「そういうのは自分で買ってからにしろ」

 

「へいへい」

 

 二人でそんな会話をしていると、門の前に集まっていた人数が100人ほどまた増え、総勢500人ほどが集まった。

 

 そして、戦う準備が出来た俺達は、城壁の上から攻撃する者、外に出て近接で攻撃する者に分かれ、もちろん水島ちゃんは近接専門なので外に出た。

 

 一方の俺は、水島ちゃんを近くで見たいからという理由で外に出た。

 

 ——次の瞬間だった、城壁の上にいた奴が敵の数を言ってきた。

 

「敵のAIは3000程! ——おいおい! アイツらエルゼ・ガーディアンを連れてきてやがる!」

 

「なんだと!? エルゼ・ガーディアンの数は!?」

 

 須崎が驚いた様子で上のやつに聞くと、

 

「エルゼ・ガーディアンは……20体ほどです! おそらく群れを連れきたんですよ!」

 

「チッ! こうなったらとにかく! 迎撃だァ! まず一体でもエルゼ・ガーディアンを殺せ! あとは——おい!?」

 

 須崎の野郎が周りに支持している時——そんな指示を聞かずに、真っ先に戦場へ飛び出した奴がいた。

 

 それは俺の嫁! 水島ちゃんだった!

 

 水島ちゃんは圧倒的なスピードで、AIの方へ突っ込んでいく。

 

 それでこそ俺が惚れた女だ! ならばこっちも!

 

「テラシス・ウィング!」

 

 彼女の行動に応えるように、俺は最高位風魔法を使う。放たれた風魔法の刃はまるで鳥のような形をしており、こちらへ向かってくるエルゼ・ガーディアンの群れの一部を一刀両断にする。

 

 ※

 

 良くやった! 邪魔なエルゼ・ガーディアン《奴ら》が消えたぜ! あとはエルゼ・ガーディアンの攻撃を避けながら、数千いるAIを殺すだけ!

 

 自分でも驚くくらいの足の速さで、武装したAIの軍団に特攻する私。

 

 後ろからは私をサポートするように魔法を撃ってくれる仲間達。

 

 そして、当たり前のように私を殺す為にAI達は、銃を乱射する。

 

 視界全体から向かってくる弾丸。

 

 スローモーションの感覚の中で、私は迫り来る銃弾の雨を避けてみせた。

 

 一発一発、弾丸が私の頬や体をかすめていく。

 

 そんな中、私は銃を乱射してくるAIの首をかっさばいて行く!

 

「おい! てめぇら! 早く私を殺してぇなら殺してみやがれ!」

 

 楽しい! 今までのストレスがどっかに飛んでいくくらい! 殺して殺して殺しまくる!

 

 ※

 

 水島ちゃんが飛び出して大体1時間ほど経過した頃、戦場は彼女だけが輝いており、俺たちが手を貸す必要もなかった。

 

 そして、彼女はAI達の首を持って帰ってきていた。

 

「これくらいあればAI討伐の報酬金は600万シリスくらいはいくだろ」

 

「……シリス?」

 

 天の声! シリスて何!?

 

『この世界の通貨です。リガド様がいた世界でいうなら1シリス、大体1円ですね。なので600万シリスは——』

 

「600万円!? すんげぇ〜!」

 

「エン? そんなに驚く程か? まぁいい、ほら早く金をよこせ」

 

「わ、分かった。でも今あいにく街を復興するのに金が足りてないんだ。だから、ここの食材とかは「無料」てことにすらから! 良いだろ?」

 

 須崎の野郎はなんと『金がない』という言い訳でそう言った。それを聞いた彼女は軽く舌を打つ。

 

「しゃあねぇな、それで良い」

 

 渋々その案に乗った彼女が言うと、周りから小声で「ただ天才なだけであの態度舐めてるな」「少し強いからって調子に乗りやがって」などなどの耳障りな声が飛んでくる。

 

 ——その時、

 

「おいテメェら、私は別に人を殺したって何とも思わない。私は私より弱い人間にはなんの情もわかねぇからなぁ? 今殺し合いしてもいいぜ?」

 

 と彼女は睨みを効かせた目で、刀を片手で抜く体勢に入った。それを見た周りにいたヤツらは怖気付いた様子になり、さっきまでの威勢はなくなり、ゾロゾロと去っていった。

 

 もちろんその中にも須崎の野郎もいた。須崎は最後にこちらを睨むような目付きで、舌打ちをして帰ってった。

 

「さて、おいリガド、晩飯の素材買いに行くぞ」

 

「あいあいさー!」

 

 もしかして! これが本当のデート!? グフフフフ! まさかあんなことできたりして……妄想がとまんねぇぜ。

 

 ※

 

 建物は崩れていたが、店を出せないほどの被害じゃなかったのか、普通に街には路上で店を出している人達がいた。

 

「今日のご飯、私が初めてお前に作ったあの料理でいいよな?」

 

「マジで!? やったァ! オレェあの料理好きなんだよなぁ! チーズがとろけてて」

 

「……そっか、なら良かった」

 

 そう言う彼女の顔にはどこか優しさと、言葉の柔らかさと、温もりが感じられた。

 

 それから俺は水島ちゃんと、たわいもない世間話をしながら、店に出ているアクセサリーを見たりしながら、料理に使う素材を集めて行った。

 

 最高だな! これこそ俺の理想としていたデートだ! 笑って彼女のクシャクシャになった笑顔を見て、こっちも凍っていた顔が溶けて笑顔になる、最高じゃないか、これが俺の理想……いや、夢だったんだ、これが続くといいな。

 

「何ぼーっとしてんだよ、置いて行くぞ?」

 

「はいはい今行くさ」

 

 ※

 

 俺と水島ちゃんは、この3日間泊まれる料理ができる宿屋に泊まることにした。

 

 ——そして、

 

「はいお待ちィ! どうや? 早く食べたいだろ?」

 

 水島ちゃんは鍋の蓋に胸をつけて、ニコッと笑った顔でこちらに言う。

 

「早く食べたい! でも……熱くないの? それ」

 

「……アチャー!! それ先に言えよ! めっちゃ胸アッツ! リガド! 水魔法で冷やしてくれ!」

 

「はいはい、クウォーター」

 

 ヒィヒィと言って熱がる彼女の真上に向けて、水魔法を撃つ。すると、ドバーッと水が真上から流れ、ずぶ濡れにしてしまった。

 

「ツンメタ! 冷やしすぎじゃぁ! てか普通こういうのって風魔法だろ!」

 

「いや水島ちゃんが水魔法がいいって言ったんだろ」

 

「……おい、早く風魔法で私の服乾かせ。ずぶ濡れで風邪引くだろ」

 

 水島ちゃんは何故か頬を赤く染めて、目をこちらから逸らしていた。不思議に思った俺がよく目を凝らすと、なんと! 濡れた影響で下着が丸見えではありませんか!? 

 

「あぁなるほど! 下着が丸見えだか——ゲブッ!」

 

「次言ってみろ、その首刈り取るぞ」

 

 彼女のハイキックが顔面にヒットした俺。

 

 そして、俺はその後、半ば無理やり風魔法を使わされ、しかも「見たら殺す」と言われ目を逸らした状態で、彼女の下着や服を乾かす事になったのだった……畜生……畜生。

 

「よし、これで良いな。さて食うか?」

 

「アダり前だァァ」

 

 彼女の食べていい許可を得た俺は、すぐさま木のテーブルに置かれたグラタンのような食べ物に手をつける!

 

 やっぱりうめぇなぁ〜! チーズが口の中でとろけて、数々の食材にとろみがプラスされて美味しさが100倍だ。

 

「美味い!」

 

「……あんがとよ」

 

 ※

 

 次の日の朝、レジスタンスに所属する奴らが招集された。そうそれはまたAIの軍団が現れたとの事だ。

 

 そうこの時の俺は完全に油断していた。ただのAIの軍団だと錯覚していたから。

 

「AI《アイツら》、まだ懲りねぇんだな!」

 

「早くアイツらぶっ殺して、祝杯でもあげようぜ!」

 

「そうだな、早ッ——」

 

 その時、ドスタルニア王国の空を、何か緑色の結界のようなモノが王国全体を覆う。

 

「なんだ? あの結界は」

 

「さぁ? 国の上のやつが勝手にしてんだろ、それより、前みたいに水島に獲物を先取りされねぇように早くやろうぜ!」

 

「そうだな!」

 

 そう言って、前回水島ちゃんにAIを盗られ報酬金が稼げなかった奴らは、城壁の上に行くのではなく、そのまま外に出てAIに向けて銃を向ける。

 

 俺も少しでも報酬金を稼ぐために、前に出た。

 

 AI軍団は昨日エルゼ・ガーディアンを連れてきていたが、今回は違う……AIだけの大部隊だった。

 

「なんだ? 今回のAIのヤツらはなんか一味違うなぁ、て言っても? 雑魚の集まりだろうがな!」

 

 一人の男がそう言うと、その周りにいた奴らも笑い始める。そして、門の外に出たやつらは、銃を構え、魔法を撃つ体勢にはいる。

 

「撃てェ!」

 

 須崎のその言葉と同時に、奴らは一斉に銃の引き金を引く。

 

 ——が、魔法が撃てない。

 

 周りにいた奴らが困惑していた——その時だった、ピカッと何かが光った。そして、一瞬ヒューッと風が吹いた。

 

「おい! どうなってん——だ?」

 

 一人の男が横を向くと、その隣にいた奴の首は飛んでいた。

 

 そうその数秒で門を出てていた奴らのほとんどの首が、飛んでいたのだ。

 

「おいおいおいおい、よぇなァ。人間てやつはそして脆い」

 

 俺と水島ちゃんの間にいたのは、謎の白い仮面と白い軍服のようなモノを身につけた男だった。

 

 この軍服……どこかで——ッ!?

 

「七……英雄……」

 

「お前か? テアラ様が言っていた機体というのは。俺の名は剣使い、アマテラスだ。少しお前の力を試させてもらおう」

 

 次の刹那、俺が次に認識できた時には、アマテラスとか言う野郎の剣が俺の首元まで来ていた!

 

 ——その時! その刃から俺を守るように水島ちゃんが俺の前に出て、刀でガードに入った!

 

「お前は……そうかテアラ様が言っていた白髪の女か」

 

「あぁ? 私の下っ端に手を出そうとしたんだ死ぬ覚悟はあるんだろうな」

 

「活きのいい奴は嫌いじゃない、試してみるか」

 

「——ッ!?」

 

 アマテラスはそう言って、水島ちゃんの体を王国の方へ、石を蹴っとばすように蹴り飛ばした。

 

 すると、城壁を破壊して水島ちゃんは、王国の中央部まで吹っ飛んだ。そして、彼女を追うようにアマテラスの野郎は、閃光の如く速いスピードで俺の前から消えた。

 

「水島ちゃん!」

 

 俺がアマテラスを追おうとした——その時、俺がいたドスタルニア王国の城壁が爆発した。

 

「な、なんなんだよ! 一体!?」

 

 あの閃光のような一撃から生き残ったレジスタンスの仲間たちは言う——が、その時、俺達の目の前にはまた白い軍服を着た、謎の仮面を着けた男達がいた。

 

「テアラ様からは思いっきり暴れていいと聞いていたが! このデカい王国をぶっ壊していいとは気分が高鳴るなぁ! あ、ちなみに俺の名は! ガルリアス提督だ!」

 

「私の名は! 剣使いの名手! ベルゼブブだ! 二刀流のアマテラスには越されたが! イザナギには負けない!」

 

 そう俺達の前に現れたのは、七英雄の2人。

 

 そして、ガルリアスが何かを企むような雰囲気で、指を鳴らした。

 

 その時、俺以外のレジスタンスの生き残り達の首から上が爆発した。

 

「ガハハハハハ! 傑作傑作! ゴミ共の首が吹っ飛んだぞ! 笑いが治まらんなぁ! ガハハハハハ!」

 

「おいテメェら、テメェらが殺した人とかはどうでもいい。でもよ殺しなら俺がいないところでやってくんねぇかなぁ? ——気分が悪くなんだよ」

 

 スキル! 避雷針!

 

 そのスキルの発動とともに俺の元に、一筋の眩く光る雷が落ちた。

 

 スキル 避雷針 その効果は雷を自身に纏うことで、雷と堂々の速さと威力を得ることが出来る。

 

「殺す」

 

 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る