第66話 もしかして日替わりだったりするのかも

流石に少しつかれたな……その日の夜は亜夢には遠慮して貰い、1人で寝た。


頭が追い付いてこないや……


◆◆◆


う~ん……体が重い。


もう朝か。


あれ!?


誰だ……彼女は。


金髪の長い髪にスレンダーな体。


目が少し釣り上がっていて、育ちの良さそうな顔。


悪役令嬢。


それが僕が見た彼女のイメージだ。


「あらっお目覚めになられたのですね。私の名前はルルル、ルリルドルリルラット、ルイズ、ルララ、ルーランド……ちゃんと覚えて下さいましね」


本当に誰だ。


どう見ても貴族にしか見えない女の子が僕の横で寝ていた。


「え~と、ルイズさん」


「私はこれでも魔界の貴族の娘、名前を略すなど許しませんわ。ルルル、ルリルドルリルラット、ルイズ、ルララ、ルーランドですわ」


「え~と」


「まぁ!貴族の令嬢の名前も……」


『ルイス、お兄ちゃんを困らせるなら引っ込めちゃうから……他にも出して欲しい人は幾らでも居るんだからね』


『あっ亜夢様、そんな』


「すみません、聖夜様、私の名前はルルル、ルリルドルリルラット、ルイズ、ルララ、ルーランドですわ。ルーランド公爵家の長女でしたが、亜夢様に食べられて、亜夢様の中に居る者ですわ」


亜夢に融合捕食された存在。


そういう事か。


『お兄ちゃん、そうなのよ! この娘ね、かなり昔に亜夢が食べちゃった娘なんだけど、婚約が決まっていて、初夜直前に食べちゃったから、そういう経験したいんだって、お兄ちゃん相手してあげてくれないかな?』


「亜夢様、私はそういうのじゃなくてですね、ちゃんとした男女の愛ある営みがしたいのですわ」


「そうだよ、亜夢、ルイズさんがそう言う事したいのは僕じゃ無くて婚約者さん……そういう事じゃ無いのか」


『甘いわ、貴方凄く甘いわ、今の貴方は中層のインキュバス並なのよ! 恋人が居ようが旦那が居ようが関係ないよ! 絶対にこの娘は貴方を好きになっているわ』


『来夢』


『亜夢もそう思うなぁ~大体股の間濡らした状態で言っても説得力ないよ? そう言う気が無いなら引っ込めちゃうから……』


「亜夢様……酷いですわ……あの聖夜様、宜しければ、その私を抱いて頂けないでしょうか?」


「あの、僕で良いんでしょうか? 好きな方がいらっしゃったんじゃ……」


「いいえ、構いませんわ! 正直言いまして一目ぼれですわ。貴方に比べたらアンソニーなんてクズみたいな物ですわ。貴方こそが私の運命の方ですわ……さぁ私とめくるめく愛の世界へーー行きましょうですわぁぁぁーー」


そう言うと、ルイズは僕を押し倒した。


『来夢……これ』


『諦めて腹括ろう……いい加減に。貴方既にそういう生物だから、それに、それ私のご飯にもなるんだから、頑張ってね』


『亜夢……』


『お兄ちゃんは亜夢の中の全員に愛されているみたい。やったねお兄ちゃん』


いい加減腹を括ったほうがよいのかな。


結局僕はルイズを受け入れた。





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