被告人、田中結梨の昇格

私は、あの日あの魔女裁判にかけられた。

首を絞められた痣が未だ痛む。

花瓶を割った冤罪を擦り付けられた私は全員の前で…

これはいじめ以外の何でもない。

やはりこの学級は腐っている。

周りも、いじめであるとは分かっている。

なのに何もできないのは「学級魔女裁判が恐ろしい」からだろう。


ただ。今日私は、内情を知るとあるチャンスを得た。


「ねえ田中さん、うちらの仲間に入れてあげるよ。うちの話、聞いてくれたらね」

と言われた。


何故かは知らない。しかし、私が強くショックを受ける可能性だけは考えなくては。

なにせ私は、今年の6月に無くなった麻衣ちゃんと仲が良かった。

きっと今回裁判にかけたのもこれが原因だろう。

私はその誘いを受け、教室で待っていた。


「おまたせぇ〜、じゃ、話してくよ!」


悪魔のような笑顔で私に話しかける清華。


「知りたいでしょ?麻衣ちゃんがどんないじめを受けたか。私がたっくさん教えてあげるよぉ〜」


やはり。しかし、なにかしら手がかりになりそうではある。

それに清華は私が服従しきっていると思っている。


「うん」

覚悟を決めて、私は頷いた。

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