第4話

「とりあえず祝うか」


 如月がリュックからどんどんと取り出して机の上に広げていくのは、炭酸ジュースにクッキーや煎餅などのお菓子。


「随分バラエティ豊かね」

「美味しければなんだっていいだろ? ほら、乾杯しようぜ」

 ペットボトルの炭酸ジュースを一本寄越す。


「ちょっと待って! さっき走ってきたじゃない。これ、危険なやつでしょ」

「ははっバレたか」

「バレたか、じゃないでしょ。万が一、派手に被ったらどうしてくれるのよ」

「そん時は……ごめんな」

「薄っぺらい! 絶対悪いと思ってない」

「嘘だよ。ちゃんとその前に止めたよ。ほら、本当はこっち、アイスティー。この銘柄好きだったよな?」


 炭酸のペットボトルを取り上げられて、アイスティーに交換された。

 ……なによ、ちゃっかり好きなやつ用意してるなんて。

 あっという間に機嫌がなおっちゃうじゃない。

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