第13話

「ただいまー」


夜、コナ一人になった家にリングが帰ってくる。


「ただいっ、え……っ」


リビングの扉を開けると強烈な雄と雌のまぐわった後の強烈な精臭が鼻をつんざいた。恥液と汗が交じり合ったエキスが照明に照らされ、白く薄い蒸気になって部屋全体の包み込む。刺激臭と異様な雰囲気に飲み込まれていた。


「おかえり、リング」


妹の方向を見ずに無機質な態度で出迎える抑揚のない声。


「お姉ちゃん! 大丈夫!?」


声が聞こえて初めてコナの存在に気付いたリングは手に持っていた鞄を落とし、慌てて駆け寄った。

姉の肩に手をかけて様子を見ようとした時、コナの下半身から強烈な精臭がせりあがってくる。

余りの臭いに一瞬顔をひそめそうになったがそれよりも姉の安否が何より気掛かりだった。


「お姉ちゃん! 大丈夫!? しっかりして!」


外傷はないようだが、目がいつもの色をしていない。壊れかけの機械人形のようだった。


「お姉ちゃん! 何があったの!?」


必死の問いかけをしているがコナはリングの方に顔が向かない。

床のどこかわからないところに焦点の合っていない視線を送るばかりだ。


「リング……おかえり」


身体を揺するとようやく二人の眼が合った。

コナは再度同じ問いをする。


「よかった……無事で……お父さんとお母さんは!?」


「お父さんとお母さんはね、二人で外に出かけたよ。今日は戻らないって」


コナの声はあまりにも落ち着きすぎていて言葉に感情がなかった。


「どういうこと!? もう夜だよ!? 何しに外出たの!?」


 部屋に立ち込める異様な雰囲気と廃人のようになってしまった姉を見ておぞましいおぞましい悪寒がリングの身体を駆け巡った。

心配する妹をよそにコナはひどく落ち着いた様子でここで起きたことをありのまま伝えた。


「セックス……セックスだよ。お父さんとお母さんは遺伝子を残すために繁殖したんだよ」


訳が分からなかった。


目の前にいる人はお姉ちゃんの仮面を被った偽物だと思った。

でも、お母さん譲りの柔らかい物腰と人を惹きつける雰囲気はコナそのものだった。


「何言ってるの!? ふざけないで! お父さんとお母さんは何処!?」


焦りとイライラが声が荒げさせる。


「だからぁ……セックスって言ってるじゃん! お父さんのおちんちん遺伝子とお母さんのおまんこ遺伝子で赤ちゃん作ってるんだってば……」


妹の焦りが伝播し強い語気で返すコナ。

しかしその声もとろけきっていて、いまいち呂律が回っていない。

大体、こんな卑猥な言葉を当たり前のように言ってくる状態が異常であることは明らかだった。


このままではらちが明かないと思ったリングはしゃがみこんでいた身体を起こし、一旦部屋から出て気持ちの整理をしようとコナに背を向けた。


――その時、骨を砕かれるかと思うほどの物凄い力が腕にかかった。

その正体はいつの間にか席を立ち手が届く距離まで距離を詰めていた姉の腕だった。


「っ痛! ……お姉……ちゃん?」

 

振り返るとコナは鼻が触れ合うほど近い距離まで接近してきていた。

美麗な容姿と妖艶な身体が牝の匂いを爛々らんらんと放っている。

発情寸前であることは誰から見ても明らかだった。


「あなたは私とこれからセックスするの。お父様から受け継いだこの高貴な遺伝子とリングに流れるお父様の遺伝子。これを合わせてより濃いお父様の赤ちゃんを産むの」


そう言うとコナはリングの腰に手を回し、身体を強引に抱き寄せた。

互いの大きく実った豊乳が押し潰されていく。


「嫌……っ! お姉ちゃんやめてっ! おかしいよ! 落ち着いて! ………ひっ! 何これ……」


抵抗するリングの秘所に宛がわれたのは本来雄にしか付いていない、隆々に猛った肉根だった。

物差しほどはあろうかという人間離れした剛竿が先走り汁を出しながら我儘わがままに主張をしている。


「さぁ……小作り……しよっか」


ズニュニュニュニュニュ! 愛の過程を放棄した突然の挿入がリングの秘裂口を突き破った。


「いだああああああああああい! いだい! いだい! いだい!」


膣穴を中心に前戯なしの激痛が襲い掛かる。

身体を強張らせながら襲い掛かる痛みに気を失わないようリングは必死に耐えていた。


「処女だったんだ……お揃いだったんんだね! 私はお父様に破ってもらったの! 最初はとっても痛いよねえ……でも安心して……私はとっても気持ちがいいから……!」


傲慢ごうまんなストロークが血だまりの激悦を与える。

突然襲った悲劇にリングは絶望の悲鳴を泣き叫ぶことしかできない。

しかしそんなことはお構いなしに女の欲棒がピストンを加速させていく。


グチャッ! グチャッ! ズチュッ!


射精液と思わせるほどのカウパーが半純血を塗り替えるようにして膣口に潤いを与えた。

仮染めの精を受けた膣口は内膣壁を収縮させ、自然の摂理に従うようにして剛竿を咥えこんだ。


「リング上手だよ! おまんこ気持ちいい……! 気持ちいいよおぉ……!」


加速していく快美感を全身で感じながら射精運動はより早く、動物的にテンポアップしていく。

舌を振り乱し、整わない吐息を吐き出しながら全身全霊の抽送を一方的に叩き込むコナ。

肉詰めとなった二人の身体は嗜虐心と虚脱感という理性を置き去りにした淫獄の極だった。


「赤ちゃんせーし……登ってきたよ! 一回で孕めるようにいっぱい出すよリング! ぜったい受精してね。あっ……あっ! せーしぃ……きたぁ」


「……もうやだ。やだやだやだやだ! やだよおおおおお姉ちゃん! 離して! 離してってば!」


いつの間に気絶していたリングが肉棒の異変を感知し、拒絶反応を示すが一向に減退する気配すらない。


「あっあっあっあっあっ……ック! イッ……イクっ……イクイクッ……出すよっ。ぷりぷりのせーし。立派な赤ちゃん孕んでね。あぁっ……」


輸精管を通してスポイトで吸い上げられるように精液が射精口まで登ってきた。


コナは抱き寄せた腕をより強く羽交はがい絞めにし、遺伝子を零れないように肉を密着させて栓をした。

全てを受け入れんとばかりに肉襞が満開になり、肉根ごと呑み込む勢いで吸絞した。


「出る……出る出るでるーっ! 赤ちゃんせーえきいい!!」

「いやっ! いやっっ! いあやあああああ! 赤ちゃんいやあああああああ!」


ビュッッッッ! ビュゥゥッッッッ! ビュバアアアアア! ヒビュバッアアアアア! ビューーーーーーーーー!


激甚量の精が二人の世界を白に染め上げた。


太く、鋭い爆精液が一瞬で子宮を飲み込み、蓋をしたはずの肉栓があっけなく崩壊する。

焚きつけた閃光弾のように二人の視界は、白黒二色の光と闇が明滅を繰り返す。

弓なりの快楽と雄の本能が剥き出しになり、抱き寄せていたリングの絶頂中の身体をを両腕で力任せに搾り上げ、骨をきしませた。


「ああっああっ……すごい! イクっ……イッてる! 赤ちゃん! 赤ちゃん! 私の赤ちゃん! お父様の赤ちゃん! おちんちんから赤ちゃん止まらない……! おおっ! おおおおおおお!」


理性を置き去りにした肉欲、遺伝子がリングの体内を縦横無尽に駆け巡っている。


「ああああああっ!……………っ……あっ……あっ……あっ……あっ……あっ……」


理性と本能のはざまで葛藤していた肢体は子宮口に精液が着弾した瞬間に淫楽のとりことなっていた。

脊髄反射の絶頂の後、身体が危険な角度に大きく曲がる。

絶望の境地だった時間は瞬く間に至福の時にかわり、逆らいようのない禁忌の極悦で満たされた。

臍から腰に掛けて生の緊張と死の弛緩を交互に味わい、子宮口がそれを触媒にして更なる精を搾り取る。


「いいよお! リング! お姉ちゃんの精液絞るの上手だよお……あっ! あっ! おおっ! おおお……うぅっ!」


愛する姉からの一方的なはじかしめを受け止め、自らも遺伝子を欲するようになってしまった愚かさと嬉しさが入交る。


最期の一滴を絞り尽すと明滅してい視界が白に染まり、強張っていた神経が安らぎを求めるように全身の力が抜けていく。


身も心も憔悴しょうすいしきったリングはコナに身体を預けながら精液で濡れた床にずり落ちた。

倒れた後も快楽の余韻は止まることなく微弱な電流が身体に駆け巡るように下半身をバウンドさせる。

その後、何度かの痙攣絶頂を繰り返し余悦に浸り燃え尽きた瞳を閉じようとしたその時だった――


「どーしたのリング? まさか一回しただけで疲れて眠くなっちゃったなんて……言わないよね?」


強烈な雄性ホルモンを含んだ吐息がリングの肌に触れた。

あれだけの射精をしておきながらも一切衰えることなく、血脈をみなぎらせ漲らせながら淫棒が根元から硬度を増していく。

吐精して萎えるどころか今のがウォーミングアップだと言わんばかりに怒張は破裂しそうなほどに膨れ上がっていく。


「一回だけじゃ赤ちゃん一人しかできないよ? 赤ちゃんたーくさん産んでほしいから休んでる暇なんてないよ?」


コナは自分の指をリングの膣穴に潜り込ませ膣壁を掴みながら腕一本で倒れていた身体を持ち上げ、後ろ向きの形で四つん這いにさせる。


白く形の整った桃尻のすぐ先には今か今かと衰え知らずのそそり立った巨肉根が狙いを定めている。


「もういやだあああああ!」


気を失いかけていたリングが、人間として最後の理性を守るために最後の懇願をする。

しかしそれは嗜虐者の欲心を益々漲らせるだけだった。


「だーめ、たくさんの赤ちゃん。たくさんの遺伝子を作ってね」


歓喜の嬌声と悲哀の絶叫が木霊する中でリングは一日中犯され続けた。


「―ああっイッく……」


最期の一発……一滴を残らず注ぎ込んだコナは恍惚の表情を浮かべた。

入りきらなかった夥しい量の精液の海に潜ったリングは息をしているのかすらわからなかった。

動いているのは全ての精を受け止めた膣口だけだった。

爪で引っ掻かれたように赤く腫れあがり、力なく膣襞が蠢いていた。


死の狭間まで凌辱されたリングの身体はとうに限界を超え、完全に壊れている。 風前の灯火だった生命が最後の灯りを消す――正にその瞬間だった。


コナが身に付けているイエロージルコンのブレスレットの光がリングの瞳を照らすとリングの身体がみるみる再生し、生命力を帯びていく。

機能不全となっていた陰核には過剰な生命エネルギーを宝石から供給され、姉をも凌駕するグロテスクな極太槍がメキメキと脈を波打たせながら生え伸びてきた。

牝から雄へと進化を遂げたリングはその猟奇的な性への渇望を目の前にいる姉に叩き込むべく獣の形相ぎょうそうで姉を視姦する。


「お姉ちゃん、ありがとう。お父さんの血、美味しかったよ……でも……お姉ちゃんの血は薄汚い知らない人の血が混じってた。お姉ちゃん、パパの子じゃないよね」


「……っ! そんな訳ないじゃない!」

「そう……なら試してみよっか」


リングが捕食者としての笑みを浮かべ、合図もなしに常軌を逸した極物がコナの淫口へと挿入された。


「かっっっっっ……はっっっっっ!」


腹を鈍器で貫かれたような鈍痛がコナを襲った。


「やめて! リング! そんな大きい……のっ……おぶぉえええ!」


余りの圧迫感に吐しゃ物が口から吐き出されリングの顔にかかった。

しかしリングは嫌がるどころか恍惚こうこつの表情を浮かべ、顔にかかったゲロに舌鼓を打つようにして淫靡いんびに舐め取る。


「お姉ちゃんのゲロ、美味しいよ……でも、お父さんが作った味じゃないね」

「ひっっ!」


全てを見透かされ、真実を突き付けられた姉は妹の恐怖に支配されていた。


「じゃあいくよー……! お姉、ちゃん! 本物のお父様の血、最後まで受け取ってね! ……死んじゃだめだよ」


「ぎゃああああああああああ!」


化け物のような竿がコナの子宮口を押し潰した。

そして射精――射精――射精――止まらない。


腰を前に突き出す毎に大量の精液がコナの子宮口を溺れさせる。

舌・乳房を振り回しながら一心不乱の吐精は射精後の余韻すら味わわせない地獄の寵愛ちょうあいは半日以上続き遂にコナの体力が限界を迎え膣壁の動きが止まった。


「やっぱりお姉ちゃんはお父様の子供じゃなかったんだ。でも安心して。今のお姉ちゃんにはこんなにもお父様の血が流れているから」


豪烈なストロークに耐えきれず貫かれた子宮口から血が流れ込み、精液と交わる。 

死辱に耐えきれなかったコナは父の血を全身にまとわせながら息を引き取った。


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