第7話
「仲間? 友達? 恋人? ブェッ! ヒェッヒェッヒェッ! 俺の邪魔をしてきたやつらは全員ぶっ殺しちまったよ。ただ殺すだけじゃもったいねえからなあ……身体を少しずつ捥もぐと面白いぐらいに泣き喚わめくんだよ。まずは指。指が終わったら腕と足。最後に頭引っこ抜いてバラバラになった玩具に精液ぶっかけるのが最高に気持ちいい!」
ポールは過去のことを思い出したかのように嬉々として猟奇的な抗弁こうべんを垂れた。
「なぜそのようなことをする! お前も元々は人間だったはずだ! ……確かに自分勝手に己の欲求を満たそうとする者も少なからずいる。しかし、人の優しさ、温かさを感じていた時があったはずだ! 理解してくれる者もいたはずだ! 何故それを受け入れなかった! 理解しなかった!」
必至に説得しようとするメインだったが、かつて人間だった化け物は人の温もりの怖さを知っていた。
「ブェブェブェ! そう、人間は優しい。他人の心につけ込むのが上手い。最初だけ、な」
人間は無意識のうちに他人を評価をしている。そして使えないレッテルを貼られるとその先に待ち受けているのは叱責、排斥、裏切り……落伍者の烙印らくいんを押された者に待つのは孤独という名の破滅だった。
メインは王女という立場もあってか、常に周りには支えてくれる人がいた。
立場が違う者が歩み寄るのはかえって火に油を注いでしまうことをわかっていたが、メインは己の信念を曲げず、自らの光を貫き通す。
「人はいついかなる時も支えあって生きている。それはいつの時代も変わらない。人は一人では何もできないのだからな」
痛みを知らない王女から知った様な口をきかれてポールの怒りに火がついた。
「だから俺はお前みたいな正義を振りかざしている奴をみていると血反吐が出るんだよ!」
ポールの憎しみが頂点に達し、巨体を揺らしながら襲い掛かってくる。しかし、感情に身を任せた攻撃は先までの動きと比べ単調になっていた。メインはその僅かな隙を見逃さない。
「極速! アークティ……ブレード!」
目を閉じ、集中力を最大限にまで高め、心に静寂を与える。静から動。零ぜろから一いちに代わるその瞬間に刮目かつもく! 光の速さで突っ込んでいく。
その速さは肉眼で捉えることは到底できない。光を纏まとった剣は空間を置き去りにしポールの身体を切り裂く……はずだった。
「お゛っ゛っ゛っ゛っ゛!!! …………ぼっ……! ……ぁ……」
メインの小さな顔面をポールの巨大な拳が捉え、骨を奥へとめり込ませた。
「………ぁ……かっ……はっ……」
無防備な顔面にカウンターがもろに入ってしまった首は大きく曲がり重力を無視して吹き飛ばされた後、壁に叩きつけられた。
「ブァッッ! ブァッッ! ブァッッ!ブァッッ! ブアアァッッ! 遂に捉えたぜぇクソアマァ!」
極速の剣技、アークティブレードは化け物であるポールの動体視力をもってしても目で追うことはできていなかった。
しかし、宝石が赤黒く光った時、鉄くずがポールの方へ僅かに引き寄せられていたことにメインは気づいていなかった。
ポールの頭めがけて突進している途中に、軌道が胸の宝石へと軌道が変わっていく。
そこに相手が来ることがわかっていたポールの拳が横からメインの頭を粉砕したのだ。
ボウリングの球がスポーツカーと同じ速さで直撃したほどの衝撃――即死は免れない一撃だったが、それでもまだ息ができているのは宝石が与える驚異的な耐久力とメイン自身の意思の強さがそうさせたものだった。
「ブェェェブェッブェッ……俺はな、自分の宝石を磁石のようにして対象を引き寄せる力があるんだよ。お前の宝石も中々強力だなぁ……逆に俺様の方が引き寄せらてしまいそうだったぜぇ……グブブッブブ! おかげでこっちは来るのがわかっている場所に予あらかじめ攻撃を置いておけばいいってことだったのよ……ブェェェブェッブェッブェェェブェッブェッ!」
種明かしで饒舌じょうぜつになっているポールをよそにメインは意識は昏倒こんとうとしていた。
かろうじて呼吸はできているが首を曲げられ、顔面には殴られた跡が残り続けている。筆舌に尽くしがたい痛みの感覚が無くなっていき、視界がぼやける。
霞かすむ視界から逃げるように瞳が閉じられ、メインは意識を失った。
「こ……ここは?」
驚異的な回復力で意識を取り戻したメインだったが、ポールに殴られた時の意識が完全に飛んでいた。目も虚うつろであり、足元もおぼつかない。
「おはようメインちゃん。グブッ! 気持ちよく眠れたかな? グブブッ!」
「ポールっ! 貴様……っ!……っぅ!」
ポールに気付き、急いで体勢を立て直そうとするメインだったが脳が揺れ、足が動かない。
視界がぐわんぐわんと霧のように歪ゆがみ身体が言うことをきかなかった。
「グブブッ! 慌てなくていいからねぇ。俺が今から起こしてあげるから。ブッ!……グブッ! ブアアアァッッ!」
邪悪な奇声を上げながらポールの背中から粘液を纏った無数の触手が現れた。触手たちはメイン身体を持ちあげ四肢に巻きつくようにしてメインの身体を吊るし上げた。
「や、やめろっ! 離せ! 気持ち悪い……」
メインは必死に抵抗するが武器をもっていない状態では余りにも無力。
触手は宴うたげを楽しむようにメインの身体を弄もてあそぶ。
凛麗とした顔立ちが蠢うごめく触手に浸蝕されていき、嫌悪感を隠しきれなくなっていく。
対照的に滑らかな肌から滲み出る体液、華奢きゃしゃでありながらほどよく付けられた筋肉。
魅惑的に膨れ上がった双乳を余すことなく味わい始める。
「グブブッ! 久々の女ダァ……しかも、使い古されていない新鮮な身体。肉付きも文句ねぇ。これは愉しみがいがありそうだぜぇ……」
自身の五感を全てメインに向け、精匂を含んだ荒々しい呼吸が吐息としてメインの身体へ伝えられる。
「この気持ち悪い物体を解け! 私はお前に構っている暇はないんだ!」
「メインさんよぉ、お前の願いなんて俺には関係ないし、叶えてやるつもりもない。お前だって同じだろ。だからこうやってど突きあったんだろ? そんで勝負に勝ったのは俺だ。敗者は大人しく勝者の言うことだけを聞く義務がある」
淫蟲が抵抗を続ける女体に纏わりつく。
「ふんっ……己の欲望のために私の身体を弄んだところで私はお前に屈しない! 隙見せた時が最期、その時まで束の間の愉悦に浸っているんだな」
触手によって拘束された手足を振りほどこうとするが、抵抗すればするほどに拘束力は高まっていく。それでも、一瞬の隙を逃さまいと気丈きじょうに振る舞った。
「無駄だぜぇ。今のお前は宝石の力を失っている。赤ん坊がいくら暴れた所で無駄なことだ。さぁて……そろそろお愉しみというこうか……グブブッ!」
ポールの背中から低い怪音が鳴りだし、肩から生えていた触手を覆い被さるようにして背中から生えた無数の触手がメインの身体を一斉に襲い始めた。
「ぐぁっ……まだこんなに……身体が……飲み込まれる……っ」
僅かに動かせていた手足も呑み込まれ一切の抵抗ができなくなる。
手足だけを拘束していた触手が今となっては束となり、足首から太腿へ、手首から二の腕へ侵攻していく。
衣服の上からも下からもお構いなしに呑み込んでいき、艶のある白い肌がみるみるうちに赤黒いオブジェクトへと姿を変えていった。
「や、やめっ……それ以上は……」
這い上がってきた魔手がメインの秘所へ吸い寄せられるかのようにして一点に集まっていく。
上半身は盛り上がった豊乳を絞り上げ、分泌される触手液は粘塊となってメインの官能を増進させる。初めて受ける蝕辱にメインの心が徐々に蝕むしばまれていった。
頭の中で拒絶反応を示していても身体は全く逆の反応を示している。
自我を取り戻そうにも身動きが取れない状況となっていては劣情を抑えきることができなくなっていた。
(くっぁ……何この感じ……体がどんどん熱くなって……気持ち悪いのにどんどんあそこが熱くなっていく……嫌だ……我慢できない……どうしてしまったんだ……)
自身の異変に気付き始めた頃には体の火照りは益々上がっていき、陰湿な粘音とともに気持ちが昂っていく。
(胸が熱くて苦しい……鼓動が早くなってきて……それに……アソコがむず痒くて……気持ちがせりあがってきてえ……自分の身体じゃないみたいだ……)
頬が赤く染まっていき、汗が流れ落ちる。その汗が触手液と交わり淫液となって首を伝っていく。今まで味わったことのない異変に戸惑いながらもメインは謎の高揚感を感じていた。
「グブブッ! あれだけの
異変を察知したポールが哄笑すると下半身を徘徊していた粘蟲たちが小さく盛り上がった秘所へと這い寄る。
「あっ……そこはだめっ……! 熱い……熱くなってるからぁ……」
口では抵抗の意思を示すも、その声は説き伏せるような凛とした声ではなく、誘惑に呑み込まれていく震えた嬌声だった。
やがて聖所からは汗に似た透明の雫が僅かな粘り気を持ちながら
「グブブッ! 準備万端のようだな。すぐ楽にさせてやる。」
蝕蟲の先端でつつかれて淫液を垂れ流しながら小さく微動する秘所へ魔手が入り込んでいく。
ズブッズズ……
「あっ……いや……やめろ……これ以上熱くなったらおかしく……」
先端が僅かに入り、今までに感じたことのない悦楽が襲ってくる。メインの身体は自ら肉触を飲み込むように小さな膣穴に引きずり込んだ。
「ブェッブェッ? 気持ちよくなりすぎて今にも飛んでいきそうだな。だが、お前のお遊びに付き合うのも終わりだ」
「えっ……どういう…ああっっっ⁉ がああああああああ!」
ズブブブブブッッ!! ブチャッ! ブチャッ! ズブゥッ!
恐ろしい衝撃に脳が反転し、時空が歪んだような視界が映る。一瞬、記憶が飛び下半身から
「ああっっ! ああっっ! ああっっ!! 嫌ああっっ!!」
動物が生死を賭けた殺し合いをする時のような、一切の知性を振り払った動物的な金切り声が絶叫として
先ほどまでの妖艶に満ちた嬌声が嘘のように髪を振り乱し暴れ狂う。
透明の愛液が滴っていた秘所からは鮮血に染まった赤が弾け、破瓜の
「痛いっっ! 痛いっっ! 痛い痛い痛い痛い痛いっっ! やめてえええ!」
激痛に我を忘れたメインは絶叫しなおも暴れ狂う。
しかし、触手群に呑み込まれた身体は抵抗を許さない。動かそうとすればするほど拘束力が増していき絶望感が襲ってくる。
一国の王女として
人間としての品性を感じさせない姿がそこにはあった。
「ビャアア! ビャッビャッビャッ!
豚のような鋭くかすれた
しかしその声はメインに届いていない。周りの事など見えていないメインはがむしゃらに手足を動かそうとしていた。
「離せ! 離せ! 離せえええ! 今すぐ離せえ!」
泣き叫ぶ王女を手慣れた様子で見つめるポールの視線はこれからの淫辱に胸を躍らせていた。
「こんな上玉捕まえておいて逃がすわけないだろうが。お前は死ぬまで玩具になるんだよ。まずはその
グアッ……グァッ……シュルルルルルルッ!
「やめろ! やめろ!近づくぐぁっ……! かっ、くっ、くっ、くっくううう……っむうううううううううう!」
暴れ狂うメインを押さえつけるようにして複数の肉蟲が淫口に侵攻を開始する。
最初はすぐに吐き出そうとするが、圧倒する侵略に成す術なく侵入を許してしまう。
口を塞がれ鼻水を垂らしながらも僅かな隙間から必死に空気を体内に送り込んで意識を保った。
「がっ……がっ……がっ! かはっ! がっ……」
一度喉奥まで入り込んだ触手が喉元まで引っ込む。
そして再度喉奥まで強引に押し進められる。
触手液で口の中が粘り気を増し、喉が蟲液でコーティングされていく。
喉に絡みついた粘液によって口からの呼吸が一層苦しくなっていく。一切の温情を感じさせない壮絶な抽迭にひたすらに耐え続けるしかなかった。
「グブブッ!! あったけぇなぁ……女の口は。舌も滑らかでねちょねちょだ。柔らかくてたまらねえ。そろそろ一発出しちまいそうだ」
「むっ! いっっっ! むうううううううう!うっ!うっ!うっ!」
ポールの言葉を聞き、咄嗟に声が出るがすぐに触手の攻勢は止むことなく声なき声となってしまう。
元々豪烈だった勢いがさらに加速する。
さらに口に咥えられた触手が根元から禍々しいうねりをあげ膨張していき、辱口は顎が外れそうなほどに膨れ上がり、粘音を纏わりつかせながら触蜜が先端から僅かに零れた。
「記念すべき一発目だ。死ぬ気で飲み込め! ブビビビビビッェ!」
寸手のところで留まっていた精が触手口の開放と同時に一斉に解き放たれた。
ブブブブブブブッブッバア! ビュルルルルルッ!
「がっっ! ――っっっっ――っ!」
殺人的な大量の淫蟲白濁液が淫口を襲った。
メインの眼はぐるんと裏返り、先まで僅かに聞こえていた振動も聞こえなくなる。全身を強張らせながら意識が完全に飛んでしまったが、反応が無くなっても射精は止まることを知らない。栓が空きっぱなしになった蛇口のように終わりのない射精が続く。
「うおおおお! 止まらねえええ!ブビビビビッ! ……あ? 勝手に伸してんじゃねえぞ! 起きろ!」
反応が無くなった女体の膨らんだ腹にポールが鉄拳をお見舞いする。
「ゴッッッッ……! ボッッッ!」
裏返っていたメインの眼が生気を取り戻し、鼻から大量の触手液が飛散する。
苦痛の表情を浮かべるメインだったが流れ続ける触手液に再び溺れ意識を失う。
「……………ぅ…………ぁ」
十分は続いていたのではないかという猛烈な射精が終わり、元の大きさに
同時に夥しい量の精液と僅かな吐しゃ物の色が混じった辱粘液が糸を引いて吐き出された。
筆舌に尽くしがたい口辱を受け、力なく垂れる手足。射精後は精液の濁流に呑み込まれて失神してしまっていたが、それでも意識を取り戻せたのはサブへの想いと宝石の加護があったからであった。
一方ポールは、射精悦を存分に愉しみ、最後の一滴まで余すことなく吐き出した。
しかしこれで満足している表情は全くなく、下半身からは隆々に漲った極太性器がメインの秘所に狙いを定めている。
「………こっ……かっ……かぁ……こぽ………………ひゅー……ひゅー……かっ……」
呼吸をする度に鼻から垂れた精液が小さなシャボン玉へと姿を変え破裂する。シャボン玉が割れるとせき止められていた酸素が体内に送り込まれ生命の息吹を取り戻した。
「あ……おぅえっ……おおっ! ……っ」
呼吸ができるようになったと思ったらすぐさま強烈な吐き気が襲ってくる。
それも当然、逆流を起こすほどの異常量を体内へ注入され肉体が本能的に
内臓の奥底から盛り上がってくる触精液が急激に喉まで駆け上がってくる。骨が
「……っ……おおええええええええええ!」
決壊したダムが崩壊するようにして口から精液交じりの吐瀉物が吐き出された。内臓器官から不純物が失われていく快感を全身で感じながらメインは吐悦の境地に達していた。
「かっ……えほっ! えほっ! えほっ……はあっ……はあっ……」
乱れた呼吸を整え地面に打ち付けられた体を奮い立たせ、立ち上がる。
過去これほどの屈辱、力の差を感じたことがなかったメイン。光の名のもとに正義を振りかざしていた王女の身体と心は、強大な闇の前に支配されつつあると同時に、灰色の正義が深奥から生まれだしていた。
(わたしは
志を強く持ち直し、身体はボロボロでも目の光は消えていなかった。
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