第4話 マリーの初恋

《SIDE マリー》 

自室にて暫くスマホとニラメッコするマリー…。

突然鳴り出したスマホに驚き飛び上がるマリー、

画面にはヒカリの名前が表示されている。

気持ちを落ち着かせる為に深呼吸をするが、落ち着かない、しかし早く出なければ切れてしまう…。

意を決っして出てみると

「もしもし…、ゴメン、忙しかったかな?」

「うううん、今ちょうどスキンケアが終わったとこ

 ろだよ」

小さな嘘をついた。

「実はさっ、あんまりファッションセンスが無いの

 がコンプレックスなんでセンスのいいマリーに

 見立ててもらえないかなと…、どうかな?」

一生懸命に考えた口実を吐き出し安堵するヒカリ。

「うん、ダイジョウブよ、お昼ご飯で手をうつわ」

本当は小躍りしたいくらいに嬉しいのに平然を装う

マリー…(私、声、上ずってなかったかな…)

「それはモチロン、それにスウィーツも付けるよ」

「やっさしぃ〜、優しい男はモテるよ」

と嬉しさに浮かれて余計な事を言いそうになる。

「そんなことないよ、彼女いたことないしね…」

ちょっと落ち込んだ様子のヒカリが心配になり

「何を隠そうこの私も彼氏いたことないのだよ」

「えっ、そんなにカワイイのに!?」

咄嗟に口走るヒカリ

「えっ、カ、カワイイなんて……よく言われる」

(私のバカバカ、恥ずかしくて余計なことを…)

「そ、そうだよねえ…よく言われるのか…」

最後の方は声が小さくなるヒカリ

「そんなあ、ヒカリこそカッコいいのにねっ」

(よしっ、言えた)

「ありがとう、嬉しいよ」

その後も初々しい会話は続き、結局は次の週末に

ショッピングモールに一緒に行くこととなった。


 通話を終えても興奮冷めやらぬマリーはすぐに

アズサにロインでメッセージを送る。

するとすぐに電話がかかってきた、

「なに〜、どういうこと?」

「次の週末に一緒にショッピングモールに行く」

「なんでそうなるの?」

マリーはその経緯を説明した

「ふううん、彼のその口実カワイイね、さり気な

 くマリーのこと持ち上げてるしさ」

どうやらアズサにも好感触のようだ。

「これって一応デートだよね、もうキスもしちゃ…

 あっ!」

「もうキスもしたわけなんだ、聞いてないけど?」

ちょっとだけ怒気をはらんだ言い方に

「だからその…殴られた時に口から血が出て…

 拭いて上げてたら可愛すぎて…つい…」

シドロモドロに答えるマリー

「なにそれ、逆だったら普通に犯罪ダヨ」

「ガァァァン!」と音がしたかのように落ち込んで

しまうマリー…

「ウソウソ、マリーみたいな可愛い子にキスされて

 怒る男なんていないよ」

「そうかな…、そうだといいなあ」

「あんたさあ、ベタ惚れなんじゃない?今までの

 マリーからは想像も出来ないよ」

「やっぱりそうかなあ…、でも止められないの」

「うんうん、恋ってそういうものだと思うよ」

「やっぱ恋かなあ?」

「120%恋だと思うよ、ふふふ」

「じゃあ、これが私の初恋だな、うふふ」

「ちょっとさあ、ベタ惚れ過ぎて心配になってき

 た今度私に会わせなさいよ、確認するわ」

「え〜、どうしようかなあ」

「あ・わ・せ・な・さ・いっ!」

「はぁ〜い」

「騙されて泣かないように私が守るからね」

 

ヒカリがいない所で色々と話が進むのであった。



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