第3話 それぞれの青春
「はぁ〜」
ヒカリは自室の勉強机にホオズエをつきながら大きな溜息を漏らす。
つい1時間前まで一緒にいた青い瞳の美少女との
邂逅(かいこう)を思い出していたのだ。
全てが初体験だった。
ヤンキー達との立ち回りも(色んな格闘技のHow-toビデオを研究し自分なりに練習していた)
女の子と二人でスウィーツを食べたことも
色んな話で盛り上がり連絡先を交換したことも
そして…キスをしたことも…
思い出し真っ赤になって机に突っ伏すヒカリだった。
思い返すとまた会う約束をしたことを思い出した。
デートのようなものになるかもしれない…。
しかし自分は地味な私服しかもっていない。
どう見ても彼女とは不釣り合いになってしまうだろう…買うしかないな。
取り敢えず、直ぐに着られる物をネットで買おう、
あとはその都度お店を調べて買えばいい。
すぐさまネットで流行りのファッションやアイテムを検索するヒカリであった。
《SIDE マリー》
マリーはバスタブに浸かりながら今日出会った少年
のことを思い出していた。
しつこいナンパに辟易し自身の恐怖さえ感じた。
その時に現れた彼…初めは頼りなく見えたけど、殴られてからの彼はまるで別人のように格好良かった
スラリとして高い身長にどこかあどけなくも見える
甘いマスク……どストライクなのだわ。
しかも、しかも、勢いで、キ、キスをしたのだわ。
思い出してブクブクとお湯に沈むマリーであった。
ひとしきりブクブクしたあと、また会う約束をしたことを思い出した。
私から誘ったら…はしたないかしら?
誘ってくれるのを待った方が良いのかしら?
だけど、すぐにまた会いたいし…。
マリーは初めてのことで混乱するのだった。
……
……
そうだ、アズサ(彼氏もちのマリーの友人)に
相談しよう!
のぼせる前に解決出来て何よりである。
お風呂から上ったマリーは手早くスキンケアをして
アズサに電話をする、アズサはワンコールで出た。
「もしもし、今ダイジョウブ?」
「ん〜、彼氏とロイン中だけど、どした〜?」
「聞いて、聞いて、今日ね、今日…!」
「ちゃんと聞くから、落ち着いてよ」
「ゴメン、ゴメン、実は今日ね、運命の出会いが…
あったのよ!」
「マジでえ?」
「うん、うざいナンパに捕まってたら、颯爽と現れ
てあっという間に二人組をヤッつけちゃったの!」
「まあ、まあ落ち着いて、わかったからさ」
「それでねえ、連絡先交換してまた会う約束をした
の」
「ほうほう、それで?」
「それでね、誘われるのを待った方がいいのか
な?」
「それはそうじゃない、わからんけど…」
「でもね、すぐに会いたいかなあ、なんてね」
「はあはあ、待ち切れないと?」
「そうなの、どうすればイイ?」
「そんなの取り敢えず、普通に電話して会話の流れでさ、そっちにもってけばいいんじゃない?」
「さっすが〜、経験者は違うなあ」
「はあ〜、上手くいくといいね」
「ありがと!早速電話してみるね」
「切り替えはや〜」
すぐにヒカリに電話しようとしたが急に恥ずかしくなり1人でモジモジするマリーであった。
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