第2話 人魚に夢見る友人
海島美咲(うみじまみさき)と水野真梨奈(みずのまりな)は、幼馴染の友人だった。
海やプールで遊んだり、水族館を見に行く等の趣味が共通していて、都合が合えばよく一緒に出掛けていた。
ある年、別の用事があって美咲との海水浴に行けなかった真梨奈は、後日彼女から不思議な話を聞いた。
「夢中で泳いでたら深い所まで行っちゃって、しかも浮き輪も壊れて溺れそうになったんだ…」
「そうだったの!?よく助かったね…」
「うん、しかも私を助けてくれたのは………人魚だったの」
「へ…!?」
真梨奈は目を見開く。
人魚は、童話で有名な空想の生き物。
それに助けてもらったなんて、とても信じられなかった。
「フッ、アハハハハ!人魚なんているわけないじゃん!きっと夢か見間違いだよ~!」
「やっぱり…そうなのかな。でも私はどうしてもそんな気がしなくて…」
人魚の話を本当と思えず面白半分で笑い飛ばした真梨奈。
しかし切なげな美咲の表情を見て、少し胸が痛んだ。
「…ごめん。笑ったのはさすがにひどかったな」
「ううん、いいの。私もいきなり変な話をしてごめんね」
ほんの少し気まずい空気が漂ったが、ひとまずこの場は落ち着いた。
でも二人は知る由もなかった。お互いの関係があんな形で終わってしまう事になるとは…。
続く
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