第5話:シャルル・ド・ボークールブリュットです。

でもってシャルルは俺が通ってる「三途の川高校さんずのかわこうこう」へ転入することになった。

しかも親戚の手間でシャルルは俺の知らない間に養女ってことになってた。


え?なんで?・・・誰の差し金?・・・誰の仕業?・・・金の力?


俺の親父は会社を経営してるから、金はそこそこ持ってる。

女の子ひとりくらいの学費くらい屁でもないこと。


もはや、シャルルは俺の彼女だし、おんぶに抱っこだから我が家の家族も同然。


おふくろもプライドが高いからエロリアンと言えど、うら若き娘が学業にも

励ます家でごろごろされては丸井家の恥だと思ってるんだろう。

まあ、昼間からシャルルにプ〜太郎してもらっても困るからな、まあそれは

分かる気がするけど・・・。


ってことで紛れもなくこれは親父とおふくろの策略にほかならない。


それに学校に通うのはシャルル自身の希望でもあるらしい。

学校にいたら四六時中俺と一緒にいられるからだそうだ。

あと高校のクラスの女どもに俺が目をつけられることが心配なんだってよ。


要は俺が他の女と浮気しないかどうか見張るためってことか?

浮気なんかしないけど、想われたり慕われたりすることは悪い気は

しないからな。


ってことで、めでたくシャルルは俺のクラスに転入することになった。

シャルルって俺と同い歳だったんだ。

戸籍ではそうなってるみたいだけど・・・怪しいもんだな。

どう見たって俺より歳下に見えるけど。


で、シャルルが転入の日、俺はシャルルの引率者として彼女と一緒に学校に

登校した。

彼女をつれて最寄りの「冥途喫茶前めいどきっさまえ」バス停からバスに乗って・・・。


「楽しいね、球ちゃん」


「ま、おまえは目先が変わって楽しいだろうけどな」


「バス、バス〜・・・」


「足をバタバタするなよ、幼稚園児じゃないんだからさ」


シャルルは俺が人間の姿に戻らなくていいなんて言ったもんだから、あれ以来

人間の姿には戻らず本当の姿エロリアンのまま生活していた。


だからバスに乗ったとたん他の乗客から奇異の目で見られた。

とくになにかを言ってくるやつもいなかったがシャルルは目立ち過ぎるからな。

地球外生命体のシャルルに女子高生の制服って・・・最強じゃないかよ。

振り向かない男子なんかいねえだろ?


だから見てるやつにいちいちコスプレですってフレて回るのも面倒くさいし・・・。


で、学校に到着すると俺とシャルルは職員室に呼ばれた。

まあ、教員のみなさんとは前もってシャルルとの面談は済んでいたみたいだから

とくに驚かれることもなたった。


そして授業が始まる前に担任の「横島」が転入生の紹介。


「え〜本日当校に転入してきた・・・え〜とシャルルル?・・・ド・ボー?」


「シャルル・ド・ボークールブリュットです・・・フランス人です・・・

よろしくです」


そう言ってシャルルは自分で自分を紹介した。


「あ〜そう言うことだから、今日からみんな彼女と仲良くするように・・・」


シャルルは教室の中を物色するようにグルッと見渡すと俺の席を見つける

なり手を振った。


(手なんか振るなよ・・・へんに勘ぐられるだろうがよ・・・)


「え〜とボークールブリュット君の席はと・・・丸井 球太の後ろの席」


当然といや〜当然か・・・俺の後ろの席これ見よがしに空いてたからな。

まあ、いいんじゃないか?

もし、俺とシャルルの席が遠かったら、間違いなくダダコネそうだからな。

まあ、これから何が起こるのか何があるのか、それは俺にも分からないけど

タダじゃ済みそうにないよな。


ってことで案の定、俺の予測は的中した。


転入して来たばかりのシャルルは休み時間クラス中の注目を集めた。

そりゃ、あいつのあの群を抜いたビジュアルだもんな。


でも、シャルルのことをすでにエロリアンって知ってるやつがいたから、

だから俺が幼稚園の時、彼女をエロリアンだってバラしたことなんか、

なんだったんだって思っちまうよ。


クラスの何人かはシャルルと同様エロリアンが親戚にいるやつがいたから、

なにもシャルルの存在をこそこそ誤魔化すことなんかなかった・・・。


でもってクラスの男子どの中にはさっそくシャルルに告ってるやつもたり

して、中でも俺にかなり熱心にシャルルのことを聞いてくるやるがいた。


俺の親友とまではいかないが、一番仲がいいやつ。


そいつの名前は「四月一日 治わたぬき おさむ


こいつがやたらシャルルに興味を惹かれたのか、俺に彼女のことを根掘り

葉掘り聞いてくるんだ・・・。


ウザい・・・。


面倒くさいから適当にあしらといてやった。


なんで「四月一日 治わたぬき おさむ」がシャルルに熱心なのかって言うとだな、やつは

「異星人同好会」なるサークルを立ち上げていて、ゆくゆくはエロリアンの

彼女を持ちたいってひそかに願望を抱いてる変態なんだ。


・・・待てよ、そうなるとシャルルを彼女に持ってる俺も変態ってことか?


まあいい・・・だから「四月一日 わたぬき 」はシャルルのことを知りたがってるんだ。

あわよくば自分の気持ちをシャルルに告るつもりでいるのかもな。


そうはさせるかよ・・・シャルルは俺の彼女だし・・・。

誰にも渡さねえよ、バーカ。


だから俺は俺の不思議ちゃんシャルルのことはほぼ把握してるつもりでいたんだ、

だけど彼女は俺にもまだ隠してる秘密があったんだ。


とぅ〜び〜こんて乳。


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