第2話:展開が早すぎるふたり。

「なんでもいいから・・・責任とれ、球太」


「つうかさ、シャルル・・・おまえ、まじでエロリアンなのか?」


「うん、そうだよ、この姿って仮に地球人に化けてるだけだから・・・」


「あ〜そうなんだ・・・いいわ、そのままで」

「元の姿・・・なんか想像できそう」

「だけどさ・・・責任って・・・んこと言ったってさ」

「なんだよ・・・俺がシャルルのことをエロリアンって言っただけのことで

なんで責任取らなきゃいけないんだよ」


「それってまじ言いがかりじゃん、しかもガキの頃の話って・・・」

「だいたい、そんなことで俺を追いかけて来るってほうがどうかしてるよ」


俺はシャルルと話しつつ、そのわずか数秒でシャルルの存在を打算的に考えた。

シャルルはウザいけど案外いい女・・・このさいお近かづきになっといても

いいかなって・・・。

しかもエロリアンだって言ってるし・・・もしそれがまじな話ならエロリアンが

彼女なんてめっちゃレアじゃん。


幼稚園の時に俺が彼女に何を言ったかなんて、どうでもいいことだけど

このさい責任取るふりして、下心満載でお近づきになるってのは?


今んところ俺、彼女もいないし・・・。


「球太、あんたが私に責任取るって意味はね、私と結婚するって約束する

ことに等しいんだからね」


「ほら、また訳分かんないこと言ってるし・・・」


「けっこん?」

「また、いきなりだな・・・けっこんって、いきなり言われてもな〜」

「だけどそれまでの行程は?・・・省くわけか?」

「お互い好き同士になって愛が芽生えて、それからなんだそのエッチなんかして」

「で海の見えるチャペルでウエディングって段階を経て行くもんだろ?ふつう」


「そりゃまあ、シャルルみたいな可愛い子が俺の嫁ってラッキーってことなんだ

ろうけどさ」

「そんなに急がなくてもさ・・・とりあえず俺の彼女からはじめてみるって

ことでいいんじゃねえか?」


「まあ幼稚園の時、俺おまえのパンツ見てるみたいだし・・・その責任は

取るとしてもだよ」


どんな柄だったか覚えときゃよかった。


「パンツのことなんかどうでもいいの」

「あんたが私のことエロリアンってバラしたから、あの後から私みんなに

白い目で見られるようになったんだからね・・・」

「今と違って私の子ども頃はまだエロリアンに対して偏見があったんだから」

「だから私のバラ色のような楽しいはずだった人生を狂わせた責任取ってって

言ってるの」


「ってことで今日から私、球太の家で暮らすからね」


「うぇっ・・・まじで?・・・押しかけ彼女?」


どこからともなく現れたフランス人またはエロリアンな「シャルル・ド・

ボークールブリュット」

その不思議ちゃんは強引に俺についてきて、でもって家に勝手に居座った。


厳密には俺が抵抗することなくシャルルを受け入れたんだけどね・・・。

できればエロリアンでもいいから彼女が欲しかったし。

そこまで女に飢えてたのか?って話だけど・・・


うん飢えてた。


他のことは後から対処するとして、まずは彼女・・・そこからだろ・・・。


俺の親父とおふくろにシャルルを紹介しようと思ったら、シャルルは

親父にもおふくろにも、ろくに挨拶もしないで、ひとこともしゃべらないで

ふたりを無視してふたりの前を通り過ぎて俺に言った。


「球太の寝室ってどこ?」


「二階だけど・・・」


「今夜からそこで球太と一緒に寝るから・・・私ちょっと疲れた」


はあ?・・・そりゃまずいだろ・・・高校生男子の妄想だらけの悶々とした

空気が漂ってる部屋でギャルと寝るって・・・見ず知らずの男と女がさ

一気に接近しすぎだろ? 」


「見ず知らず?・・・私のパンツ見た男が?」


「パンツ関係ないって言っただろ?」


「いいじゃん、一緒に寝たって・・・すぐに結婚するんだし・・・」


「結婚は待てって・・・だいいち結婚したって俺、おまえを養っていけねえぞ・・

まだ学生だし親のスネかじってる身だしな」


「あのさ、女のパンツなんか見て楽しい?」


「なんだよ急に・・・まあ、俺のフェチって言うか趣味って言うかパンツを

こよなく愛でるのが俺のライフワークって言うか・・・ってそうじゃなくて」


「これからは私のパンツ以外見ちゃダメだからね」


「なんで、お前のだけって限定されなきゃなんないんだよ」


「あのさ、あの時、私のスカートめくってパンツ見て「結婚しよっか?」って

言ったんだよ、あんた・・・ヨダレ垂らしながらね・・・」

「球太は私に責任取らなきゃいけない身の上だからね」

「とりあえず、球太は私の彼氏・・・でもっていずれは結婚、あんたの運命は

どんなにあがいてももう決まってるの」


「は?誰が結婚しよっか?なんて言ったよ・・・エロリアンだって言っただけ

だろ?・・・わ〜いつの間にか内容が改ざんされてる」


「ちゃんと覚えてるんじゃん、幼稚園の時の記憶あるじゃん」


「・・・・・・」


「分かった・・・じゃ〜一緒に寝てやる・・・その代わりシャルル明日の朝、

泣いてても知らねえからな」


「よく分かんないんだけど・・・」


「シャルルは俺によって今夜パンツを脱がされるってことだよ」


「え?パンツが欲しいの?私の?」


「違うわ・・・今夜、シャルルは俺と寝て明日の朝、後悔してても知らねえぞ

言ってるんだよ」


「別にそれでもいいけど・・・どうせ結婚しちゃうんだから」


「妥協しないやつだな」


さて、シャルルと球太・・・その夜どうなったんでしょう。


まあ、球太にシャルルって不思議ちゃんをどうにかしようってそんな大胆な

ことができる勇気も根性もないってことだけは言えるね・・・。


そうか逆に球太がシャルルに襲われるってことはありえるか。

なんせ相手はエロリアンだし。


とぅ〜び〜こんて乳。

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