第37話 LHR《ロングホームルーム》
「送っていただきありがとうございました」
「いや、こんな夜遅くに一人で帰らせるわけにもいかなしね。それに、俺は
美月さんの家の前に着いた。このまま解散する流れとなった。まあ、それぞれが自分の家に帰るだけなのだが。
美月さんは少し恥ずかしそうにこう言った。
「私も嬉しかったですよ、
「え、、」
「それでは、また学校で」
「うん、って、ちょっ、ちょっと待って・・・行っちゃった」
美月さんは照れながら駆け足で家の中に入っていった。
え、聞き間違いじゃないよな。俺と二人になれてよかったって言ったんだよな。いや、今日みたいにみんなで集まった会に呼んでもらえて嬉しかったって意味の可能性の方が高いだろ。勘違いするなよ俺。
家に帰るまで俺の頬は熱が冷めないままだった。
「よう悠真、昨日はちゃんと送ってあげたのか」
「そうだよ。それに、元々お前に言われなくても送って帰る予定だったよ」
「なんだ、悠真も男だったんだな」
「どうゆう意味だよ。単に夜道を女性一人で歩かせる訳にはいかないからな」
「なんでそんな気遣いもできるのに鈍感なんだよ」
学校に行くと
始業を告げるチャイムが鳴り教室に担任の
「よし、お前ら席に着け。運動会明けの最初の日、最初の授業でダルいと思うが
いや、教師がダルいとか口にしちゃいけないだろ。なんて思ってたが、小林先生の普段の言動から考えるとおかしくないので有り得るのか。いや、そんな風に言われる教師は大丈夫なわけないな。
「行事続きになるが、今日のLHRは来月の林間学校についての話だ。今年の林間学校はお前らが想像してるより厳しいものであり優しいものでもある」
「先生、それはどうゆうことですか?」
確かにそうだ。厳しいが優しい、正反対の性質を持つ表現だからこそ予想ができない。
「まぁ順を追って話すから待ってろ。いいか、今回は森にある合宿所て行われる。設備も完備されているし不自由ない生活が送れるだろう。」
合宿所を使えるなら厳しくないどころか優しいだろう。なんだ、ただの交流を目的とした行事なのか。
「今の話を聞いて『なんだ、ただの交流会か』と思った奴も多くいるだろうが違うからな」
ギクッ、あなたは心理学者かなんかですか?ここまで頭の中を覗かれるとゾッとするなにかがあるんですが。
「今回はただの交流だけじゃつまらないということでお前らには自炊してもらうことにした。もちろん米などの必要品などは学校側で用意するから安心しろ。ただし、タダであげる訳では無いから覚悟しとけよ。山菜とかとのトレードになるからな」
ただの交流会だと思っていた林間学校にサバイバル要素が加わった。
「まあ、機材とかはこっちで用意するし部屋も用意されてるから最低限の生活はできるから安心して大丈夫だ。あ、言い忘れてたけど山菜を採って料理に使う場合なんだが、私たち教員からのチェックをもらってからにしてくれ。毒があるものが混ざっている可能性があるからな」
要約するとこうだ。合宿所に泊まりながら自分たちで料理を作り、食事を確保する。その際に自分で食材を用意する必要があり、交換などの取引でも食材を手に入れることが出来る。機材などは学校側が用意するので気にする必要はない。大体こんなかんじか。
「先生、これって個人でやるにはハードルが高すぎませんか?グループでやるんですか?」
「ああ、今回は同学年での交流も目的の一つだからな。だから今回は学校側が決めた他クラスとの合同グループで活動してもらう。ちなみに今回は大体八人一組になってもらうからな」
ほかクラスの人とグループか。俺は他のクラスに知り合いも居るわけじゃないから恐らく全員と初めましてになるだろう。今回は建一も一緒になれないだろうしどうにかなると良いけど。
「来週顔合わせがあるがこのグループで行う。各自確認しとくように」
俺はグループの一覧表を確認した。
「えっ、、」
そして固まった。
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