第10話 昼食
食堂について健一が唐揚げ定食を買ってきた後、ちょうど4人席が空いていたのでそこに座ることにした。俺の正面に
「ねぇねぇ、なんで
「あのってなんだよ。それと俺のことを何だと思ってんだ」
「え、根暗のコミュニケーション弱者」
「俺泣くぞ!?」
ひどくない!?俺が周りにそう思われてるのは薄々感じてたけどそこまではっきり本人に言わなくてもいいじゃん。ほら、隣見てみなさいよ。冬城さんが困ってるでしょ。
「そんな事無いですよ。
ほら、困って愛想笑いしか・・・え?今なんて言った?俺のこと優しい人って言った?言ったよね、聞き間違いじゃないよね。
「へぇ〜。なんで冬城さんは悠真と仲いいの?」
「それは、高橋さんに祖母を助けてもらったからですね。そのときに仲良くしてほしいって言われましたし」
「ふーん。悠真やらし〜」
改めて聞くと俺とんでもないこと口走ってますね。これは美由にやらしいとか下心満載とか言われても仕方のないことですわ。
「そんなことは無いと思いますよ。それに、そのようなことを言われなくても仲良くしていたと思いますよ。高橋さんはお優しい方なので」
「だってよ悠真。良かったね」
「うるせぇ」
嘘です。ありがとうございます。学校では人と話さずに過ごしてきた俺が学年一の美女と言われる冬城さんに褒められるなんて。
「でも以外だったなぁ。氷の令嬢が男子と仲良くしてるなんてめっちゃ驚いちゃった」
「どうゆうことだ美由?」
氷の令嬢?一体何のことなんだ。そんな呼び方をされてる人なんていたか。俺の情報網が狭いから知らないのか。そうなのか。陰キャとはこうなるのか。
「冬城さんがあまりにも告白を断ってたからついたあだ名だったよね。銀髪とかけて氷なんて言ってるんだろうし、美人だから令嬢なんてついたんじゃないかな」
俺が疑問をいだいていると健一が答えた。どうやら周りの人達が勝手につけた冬城さんのあだ名らしい。それならもっと良いものはなかったのだろうか。氷の令嬢なんて呼ばれてる人がいたら話かけ辛いだろうに。
「氷の令嬢って呼ばれるくらいだから孤高のお姫様みたいなのかなって思ってたけど全然違ったね。話してみたらわかるけど冬城さんめっちゃいい人だもん。良かったら美由とも友達にならない?」
「私なんかで良ければ」
「その言い方やめてほしいな。美由は美由が冬城さんと友達になりたいんだもん。自分のことそんなに卑下しないでくださーい」
「はい、じゃあ美由さん私と友だちになりましょう」
なんというか、美由らしいというか、美由はいつも通りマイペースに話かけていた。こんなにすぐに友達を作るのも由美の得意分野なんだろうな。
「でもなんであんなに告白断っちゃったの?悠真とこの前仲良くなったなら彼氏もいないだろうし」
「それは、、、あんなふうに下心ばっかりで話しかけてくる男子にどう対応したら良いのか分からなくて全部断っちゃっいまして」
「冬城さんぐらいだったら中学校の頃からたくさん告白されてそうだけどね」
「私の中学校は女子校だったのでそういった事がなかったのですよ」
どうやら冬城さんは女子校出身らしい。この近くにある女子校となるとお嬢様学校しか無いため令嬢なんて言われたんだろう。
「ねぇ
「いいんですか?」
「うん。私は一緒に食べたいしけんくんも悠真も一緒だからさ」
「俺はにぎやかな方が食事も美味しいくなるし賛成だよ。悠真は?」
「俺は、、、」
はっきり言おう、俺はそこまで乗り気ではない。冬城さんと一緒に食事をすることが嫌な訳では無い。むしろ大歓迎だ。でも、あまりに目立ちすぎる。今までだろとも話してなかったやつが学年一の美女と食事をするようになったら反感を買うだろう。それこそさっきの廊下でのことが比にならないくらいにおおごとになる。それは避けたい。
「だめでしょうか」
顔を上げた先で不安そうに冬城さんが問いかけてきた。正直、この言葉を言われてしまったら俺の返答は一つしかなくなる。
「大丈夫、また食べようか」
記入ミスを書き直しました。ご指摘いただいた方ありがとうございます。
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