第6話 手紙

 今日、俺は朝早く起きた。早く起きすぎてしまった。昨日は学校に行っていないけれど疲れてしまい小林こばやし先生と健一けんいちが帰った後、夕飯も食べずにすぐにベットに入り寝てしまった。いつもより早く寝てしまったため、早く起きてしまったのだが、


「4時50分はいくらなんでも早すぎだろ」


 早すぎてテレビをつけても放送休止の画面が出るだけだし、外は太陽も登っていない。ただ、今日は何かが起こる気がする予感がした。ちなみに二度寝をしようとしたが、目が覚めていて寝れなかったので、割とやり込んでいるゲームをやっていた。オンライン対戦だと割とマッチングするんだね、暇人多すぎだろ。


 俺は学校に着き、自分の靴を履き替えようと思い、自分の下駄箱を開けた。すると、俺の上靴の上に1枚の手紙が置いてあった。


「・・・」


 1度下駄箱を閉じて、もう一度開いた。やはり上靴の上に手紙が置いてある。見間違いでは無い。これってあれだよね、よくアニメとか漫画とかであるやつだよね。もしかしてモテ期到来?うわぁ困っちゃうな〜(笑)。と思っていたのも束の間、俺は冷静になり入れ間違いかどうかを確認する。

 送り主の名前はなかったものの宛名は書いてあり、高橋たかはし悠真ゆうま様と書いてあった。入れ間違いでもない。となるとクラスのやつからのイタズラの可能性もあるが、俺は昨日学校にも来てないし、仲のいいやつもいないから多分ありえないだろう。やっぱりこれは告白イベントだよね。俺は気分が朝から高まりながら教室へ向かっていった。


「おい悠真、今日一日中ニヤニヤしてて気持ち悪いぞ。何があったんだ?」


 昼休みになり、健一はそんなことを言いながら俺のところにやってきた。気持ち悪いとは酷いな、でも俺は今気分がいいからスルーしておいてやろう。


「いやぁ、俺にもモテ期が来たと思うとこうなっちゃうよね」

「は?どうゆう事だ?」

「朝こんな手紙が入っててさ、内容が放課後屋上に来てください。伝えたいたいことがあります。って書いてあるんだよ。これは告白されるんだよ俺が。」


 健一は信じられないものを見たような顔をしながら俺の手からその手紙を奪い、目を通した。


「本当に書いてある。悠真の見間違いでもないし、でどうするんだ?」


 俺は正直に言うと怖い。中学の頃にも友人関係、特に女性関係で問題があり、人と関わること自体がトラウマになってしまっている。こんな状態で告白されても承諾できないだろう。


「直前まで分からないけど、付き合う可能性の方が低いと思うよ。やっぱりまだ怖い。」

「そうか、案外彼女でも作ってみたら治ったりするかもな。でも良かったよ」

「心配してくれてたんだな、ありがとう」

「いいや、俺より先に悠真が彼女を作らなくて」

「感謝して損した。てかお前はモテるんだからアタックすればいいのに」


 いや、そういえば気になってる人がいるって言ってたんだけど、割と深い関わりがある相手なのかな?あいつが濁す時ってなんかある時だからな。


「いや、今は彼女とか面倒くさいしいいんだよ」

「ならそうゆうこと言うなよ」

「だってなんか嫌だったんだもん」


 いや、もんじゃないんだよ、もんじゃ。あいつにも考えがあるんだろうからそっとしておこうと思った。

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