第4話 スキル怖い


「スキルが怖い?…… 。フォッフォッフォ、変わった事を言う奴じゃな」


「スキルというのは特殊能力で在る祝福ですよ、本来は貰いたくても貰えない有り難い授けなのですよ」


喜ばれる事は有っても怖がられた事なんて無い神様と女神様は、驚いた表情を隠せない。


「有り難いとは思うのですが、どうしても怖いのです……」


俯く俺を見つめ、神様と女神様は暫し考える。


「フォッフォッ。 其れでは、怖く無いスキルとやらを考え授けようぞ」


「死者蘇生スキルならどうでしょう? 攻撃的では無いので、怖くは無いですよ」


「死者蘇生は怖いな…… 。

其の能力を利用しようと、国とかに狙われ一生囚われの生活…… 」


震える俺を見て、神様と女神様は再び考える。


「なら斬撃を飛ばすスキルはどうでしょう? 剣も使えるし、戦えるので怖い事なんて無いですよ」


うん、斬撃剣中々良いな。

勇者が持っていそうな定番だが、もう少し楽そうなの出ないかな…… 。


「斬撃剣良いですけど。剣が無いタイミングで襲われたら怖いな……」


「其れでは、取得ポイント二倍スキルというのはどうじゃ? 此れなら剣が無くても大丈夫じゃろ」


「序盤で強すぎる魔物に襲われたり、ポイント取得する迄を考えると二倍というのは怖いな…… 」


「随分臆病な奴じゃな、其れでは取得ポイント十倍ならどうじゃ!」


取得ポイント十倍!!

スライム一匹倒したら、十匹倒した事になる感じか?

旨い。美味すぎる。

だが、もう一声だあぁ!!


「十倍でも怖いなぁ……」


「ヌググ……」


「ええいっ!ならばスキルを作るスキルじゃああ!!」


静まり帰る神殿。


「スキルを作るスキル!?其れでよろしくお願いします!!」


「神様!? 流石にそれはちょっとやり過ぎでは……」


「構わん、神に二言は無いのじゃ」


息切れする神様を見つめ、女神様は困った様に天を見上げている。


「其れより此れで、もう怖いものは無いのじゃな?」


「そう言えば極大魔法も怖いです」



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