第3話 駄女神様路線


「次の方どうぞ- 」


まるで病院の受付だな…… 。

業務的に俺の順番を呼ぶ、女性の声が聞こえる


女性の声という事は、テンプレなら駄女神様のパターンも有るな…… 。


「実は死ぬはずじゃなかったんだけど、間違えて殺しちゃった!テヘッ。 内密にしてくれるなら、転生してあげるっ!!」


「仕方ないな、強力な能力を付けてくれるなら黙っていよう」


そう言いながら壁ドン。


うん、有りだな……。

ハーレム系の可能性は低いが、場合によっては駄女神様と冒険も有り得る。


「キャー虫の魔物近寄らないで、これでも私は女神なんだからね」


「仕方ないな、俺の傍から離れるなよ」


キリッ!ここで決め顔だ。

うん、女神様が惚れてしまうかもしれないな。



イヤッ、今はそんな浮わついた事を考えている場合じゃない。


これはもう一世一代勝負の場、決して失敗する事は許されない。


何としてでも、転生チートのテンプレ路線に乗らなければ。


神殿の奥に入ると、白いローブを着た老人と女性の二人が居て。


頭上に後光が射す其の姿は、間違いなく神様と女神様で疑いようも無い。


「アギト リュウジさんですね、どうぞこちらへ」


小さく頷き、二人の傍に寄ると女神様が話し始める。


「今世で過労死してしまった可哀想な貴方に、情けの祝福を授け転生する機会が与えられます」

キタ--!!

祝福=特殊能力でしょ、知ってますよ-。

勿論そんな事は口にしないが、取り敢えずテンプレ路線には乗っているようだ。


「転生先で困らない様に言語理解・収納能力が付いてきます。もし嫌なら普通に生き返る事も出来ますが、どうしますか?」


説明を聞いた感じだと、明らかに仕事が出来る女神様。

神様も一緒だし、これは駄女神様路線は無いな。


収納能力は、アイテムボックスの事だろう。

という事は転生三点セットの、ステータスが見えるは無しか。

まあ其れでも充分チートだが、ここからが勝負だ。


「転生でお願いします、只一つ不安な事が…… 」


「なんじゃ? 何でも言ってみなされ」


「実はスキルが怖いんです…… 」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る