第11話 国王に会う

「あのさぁ、国王陛下が私を呼んでいるらしいんだけど何?」

「それは貴方の武勇伝を聞きたいのでは?」

なに武勇伝って?オリラジのネタか?


とりあえずドレスを着替えて、二人の皇太子と一緒に行きました。


「サマンサさまをお連れしました」

「入りなさい」


国王陛下がいる間っていうのは、この間のクズ男がいた部屋とはまるで違うのね。

やはり国を治める人物ともなれば、それ相応の部屋になるってことかしら?


あっ!あいつはあのクズ男!

国王の横に座ってるのは、クズ男ことオリヴァー王太子じゃん。

私を見るなり、さっと国王の後ろに隠れるようにしてさ、何だあの態度は。

まぁ一応、国王なんだし挨拶しとくか。

「陛下、お目に掛かれて光栄です。サマンサ・アメリア・ジョンストンです」

「そなたがサマンサか、話はこのオリヴァーから聞いておる」

「はい?」

後に隠れるように立っていた、クズ男がニヤニヤしてんのよ。気持ち悪・・・

「サマンサ、キミはオリヴァー王太子に暴力をふるったそうだな」

「そうですが?なにか」

「認めたのだな」

「しっかりビンタしましたからね、何か有りますか?」

二人の皇太子がひそひそ話してんのよね。

「サマンサさん、これはマズいことになりそうな感じがします」

「なにマズい事って」


クズ男が勝ち誇った顔してさ。

「サマンサ・アメリア・ジョンストンを国家侮辱罪で死刑に処す!」

「はぁ?なんでよ、悪いのはすべてお前だろ!」

「皇太子ともども連行しろ!」


そうか、あのクズ男がいけ好かない男と聞いていたし、悪知恵を働かすらしいし

何もわからない国王に吹き込んだのね。あの時と同じように。


宮殿では兵士の監視下に置かれた訳だ。いわゆる幽閉ってやつね。

そうは言ってもメイドたちは同情的だ「国王陛下は操られている」

「サマンサさんは何も悪くないですよ」そりゃあそうよ、被害者は私だもんね。

皇太子たちもローリングスも会うことが出来ない状態だし、どうするかな?


「なら私たちにお任せを」ってメイドさんが。「手紙で連絡しては?」

あーそういう手があったか。まぁ異世界だとスマホもないし、ましてやlineもね。


しばらくするとアンドリュー皇太子から手紙が。

【あの男は国王に私たちが悪いと吹き込んだって事ですね。どうしますか】

【どうするもこうするも、死刑を回避するすべを考えないと】

【そうですね、それを我々も考えています】


どうすっかなぁ、異世界で死刑もイヤだしなぁ。


「ねぇ、国王の部屋ってさ、自由に入ること出来んの?」

「それは出来ません、陛下御自身とオリヴァー王太子と王太子のお付きのみです」

「皇太子も?」

「ですね、皇太子殿下もご自由には入れません」

「そのオリヴァーとかいう奴のお付きの誰かを知らない?」

「えーっと私はいません」

もう一人のメイドが「私知り合い一人いますね」

「じゃあ、その子をなんとかこっち側に付けることできるかな?」

「あー出来ると思います、私の親友ですし」

「まぁ仕事と友情は違うからね、難しいとは思うけど」

「やってみましょう」


やがて

「喜んでください、私の親友がオリヴァー王太子の様子を教えてくれました」

それによると・・・

私がビンタ食らわした日、自分の部屋にこもって何か手紙を書いていたって。

その次の日、国王陛下に接見したと。おそらくその時に手紙を見せて、私らの

”悪事”を吹き込んだんでしょ。国王に近侍できる特権を使ったんだわなぁ・・・

マジでずる賢いねぇ・・・反吐が出るわ。


その数日後、

アンドリュー皇太子とセバスチャン皇太子が私の部屋にやって来た。

「おや、お二方どうして?」

「私たちは幽閉が解かれまして、どういう訳か解りませんが」

「・・・」

「どうやってオリヴァー王太子を消すか考えてきたのですが」

「消すとは?」

「文字通り”消す”のです、もはやこの国にあの男がいることは災害です」

災害ねぇ・・・言い得て妙ではありますが。


「国王に真実を、どうにかして伝えないと大変なことになるよね」

皇太子も「そう思います」「消しましょう」

「私たちも何かお手伝いします」二人のメイドも付き合ってくれるらしい。

「なら私も加えてください」何時の間にかローリングスが来ていた。


おーっし!やったるでぇ!(関西出身じゃありませんので)


第11話 完


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