第4話 監獄から脱出

「おい!お前の部屋はここだ」

壁も床も天井もすべて石。鉄格子がはまる小さな明り取りの窓が天井近くにある。

檻には小さな扉が付いていて、「ほら!入れ!」背中を押された私は、

そのまま転倒してしまった。


ガチャ

鍵がしまり完全に閉じ込められた。


木で作られた粗末なベットがあるだけの牢屋。

これじゃあ寝られないわ。

「ねぇ、なにか敷くものないの?」と言ったところで声は届かないようだ。


すると壁を叩く音が、どうやら隣の部屋に誰かいるようだ。

「あんた、ここで何言っても無駄だよ。誰も聞いてないからさ諦めな」

「ところであんたは何したんだ?」

これまでの事をかくかくしかじかと話すと・・・

「そうか、どう考えても死刑だな。国家反逆罪は最高刑が死刑だしな」


「・・・くそっ!何としてでも出てやる!」


次の日

「おい!お前!出ろ!これからお前の裁判が始まるぞ」

再び馬車に乗せられて、裁判所?らしき建物に入ると・・・


椅子に座らせられると正面に、裁判長と書記?左側には検察官らしき人物が着席。

どうやら弁護士はいないようだ・・・

「被告人、サマンサ・アメリア・ジョンストンを国家反逆罪で死刑に処す」

あーこういう名前なんだ・・・

死刑判決を言い渡された後、裁判官がうだうだ言ってたけど頭に入らなかった。

「死刑執行は3日後、不服がある場合は明日までに文書で提出するように。以上」

文書で出せだと?そんなものある訳ないだろ?それは上告できないってことか。


「真犯人が見つかったら、あんたらこそ死刑だ!その時まで首洗って待ってろ!」


もうこうなったら、なんでもやってやる!死刑だ!そんなもんくそくらえ!



そして死刑執行の朝、ついにこの日が来たか・・・


するといきなり、巨大な光が監獄を包んだ、その瞬間。


私の前に、神様?らしき人物が現れたのよ。

「祈りなさい、あなたの望みを一つ叶えよう」

「ここから出して!」

「分かった、祈りなさい!」


私の身体がすぅーーーーーっと上の方に持ち上がっていく感じがあって、

そのうち気を失ったのね。


で気が付いたら

「おっ気付いたぞ」

「気付いたかね?」

「ここは?」

「ドーラッド村なんだけど」という若い娘。私と同じくらいかなぁ。

お年寄り夫婦と娘の3人が私の顔を見つめているんだけど「何か食べるかい?」

お腹すいていなかったけど、せっかくなのでいただくことにして。


うーんなかなか美味しかったですよ。


「ここから宮殿まではどのくらいあるんですか?」

「うーんそうさなぁ、馬車で4日間くらいかな?」

「4日間!」

「そうだなぁ、行きたいのかい?」

「ええ、ぜひ!」

「まぁしばらく休んでいきな、なんかあんた疲れているようだしな」

「そうですか、ありがとう!」


この村は貧しいようだが、優しい人がいるようだ。


第4話 完





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