第026話 HIGHLIGHT

第26話 神聖なお告げ

「準決勝で活き活きと戦う、貴方達の姿が浮かびました」

「私達姉妹は、その戦いを快く応援しています」

未来予知に刷り込む、ホワイトライの概念。

「夢想の中でも、俺達はそんなに無双なのかい?」

悪い気がしない井園カッツォ。

「だったら拳圧か触圧に、アンタ等は屈するってことだな?」

どろどろスライムを両拳にまといながら、

徐々に姉妹……限定的には姉のクエスに接近する野火ロイター。

いよいよ体技のぶつかり合い。

優等生のように特殊空間移動の禁を遵守する

我等が最強の体技圧力バディ。


「例え使役でも、全力で行きます!」

「喰らいなさい! Lie May Ken!」

「喰らいなさい! Lie May Ken!」

Lie May Ken!=雷鳴拳に準ずる拳力を行使する嘘姉妹。

電撃ナックルが二発、野火ロイターの鳩尾に刺さる。

息の合った見事なツープラトン・アタックだ。

感電の追加ダメージを残しながら、一時撤退。

「相棒さんにも必殺の一撃を!」

「伝統の味! Lie Lie Ken!」

「伝統の味! Lie Lie Ken!」

Lie Lie Ken!=来来軒の湯切りのような動作で

拳を振り下ろす見事な体技。基本的には肩部への攻撃。

今度は井園カッツォにクリーン・ヒット!

生の拳骨の痛みを我が身で思い知る結果に。


「不味いな……」

「美味しいんです!」

「いや、中華飯店の来来軒のことはいいから。

アンタ等、本当に息ぴったりの姉妹だな。

全力出さねえと、俺等はここで終いだな」

いよいよ、特殊空間移動の決意が固まったか?

「野火、そろそろアレを出す時では?」

野火にアレを促す井園カッツォ。

「アンタ等の忠告通り、伝家の宝刀は封印するぜ。

特殊空間移動以外の大技で決着だ!」

宣言後に腐敗した獣のように、どろどろ状の液体にまみれる

転生スライム人間の野火ロイター。

「スライム王国の長、キングスライムの入場だあ!」

自身をキングスライムに見立てて突進攻撃を試みる。

「らあああああ、キングストンピング!」

拳圧では無く、体圧で、姉妹を圧倒する野火。

餌食になった姉のクエスは野火と地面に挟まれて強圧迫。

「たあああああ、バルンストンピング!」

バルン=バルーン=風船状の両拳で

妹のエクスを捕らえる井園カッツォ。


感電ダメージは残りつつも、一矢報いた圧力バディ。

次の攻撃はどちらが仕掛ける?

「最後の攻撃よ!」

「廃れた爪先! High Lie Toe!」

「廃れた爪先! High Lie Toe!」

High Lie Toe!=廃雷兎、またもや電撃付与攻撃。

廃れた兎が爪先でビリビリ蹴るようなイメージか?

感電ダメージの追い打ちで戦意喪失の井園カッツォ。

せめてここで特殊空間移動を披露したかったが

じわじわ体力を削られて、まさかのKO負け。


体技とは言え、電気電撃の前に立ち往生。

野火ロイター/井園カッツォ。一回戦で無残の敗退……。

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