第006話 ファーストネーム

第06話 呼び名を定着


とこしえくん、とこしえくんてば!

【永久と書いて、とこしえ】

ううむ、どうしたんだい? せかいさん。

【瀬海と書いて、せかい】

私達、バディなんだから、そろそろさ、ファーストネームで呼び合わない?


永久永遠のトワと、瀬海池澄のチズって訳かい?


いいでしょ? トワくん。

【握手を求める】

構わんよ。チズさん。

【それに応じる】


それでね、トワくん。今日はとても大事な用事があって。

忘却の社にお参りに行こう?


チズさん、もしやキミは、ぼくのシャドウ・ウルフを忘却させようと?


もしやのもしやよ。一般人を傷つけるだけ。必要無いわ。

【傷つけられたのは主人公の井園カッツォ】

ナンセンスだよ、非常にね。

キミは牛乳瓶が割れた地面を、スリッパ無しで歩けるのかい?

【痛そうな事例だが、何か違和感が……】


牛乳瓶のチョイスが変。確かに歩くのは難しいけど

私がスリッパになってあげるから。いいでしょ? それで。


【永久、耳を真っ赤にしてから一言】

ううむ、行こう、社へ。ぼくだって闇の狼なんて時代錯誤だと思っていた所だよ。


忘却決定ね。じゃあ、善は急げだ。祈祷が終わってからお昼にしようよ。

【さり気なくランチデートに誘う池澄】


キミはさくさくと物事を決めて行くねえ。

ううむ、丁度、先日、野火井園くんたちと狼を戯れさせた所なんだ。

噛ませ納めってことにしておこうか。


まだあの二人と関わっていたの?

野火さんは攻撃魔法に精通してるし、

井園くんは鈍器のようなものマニアで有名よ。

シャドウ・ウルフが勝ったようだけど、激突は避けて行こうね。

【危ない人と永久を鉢合わせたくない池澄】


激突も何も、ぼくは伝家の宝刀を失うんだ。

眼を合わせないように、その場を立ち去るまでさ。

【完全に祈祷を受ける気満々の永久。裏は無いのか?】


ナレーションのおじさんも言ってるよ? 裏は無いのか?

【齢42だが、おじさんは失礼である】


ないない、神に誓って、アマビエに誓ってないよ。


アマビエは健康祈願の妖怪でしょ。口から出任せ。

【アマビエに誓うことは、別段問題はないのでは?】


とにかく社に急ごう。ぼくはその後の昼食が結構楽しみなんだ♪

【まんざらでは無い、男女の仲。さらば、最凶の闇魔法】

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