第005話 抑止力
第05話 GPS設置済
阿弥浪レイチェル アダムンゲリヲン零号機の操縦者
烏賊利シンディー アダムンゲリヲン初号機の操縦者
蒼龍ラスカ・アングレー アダムンゲリヲン弐号機の操縦者
彼等はバディではなく、チームとして編成された。
団体行動が基本だが、闇魔法の一件は
烏賊利が機転を利かせていち早く現場に急行する。
無頼漢はアダムンゲリヲンのことを熟知していたので
早々に現場から姿を消した。
零号機と弐号機は退路を塞ぐように烏賊利から指示が出ていたが、
ポジションに就く前に、本星は街の喧騒に紛れた。
初号機:烏賊利はGPSを付けることを
快く承諾してくれた。
野火井園とアダムンゲリヲンは五人編成の
チームのようなものだ。
操縦する自転車は、やむを得ない場合、レキシを許可されている。
レキシは轢死と書く。轢き殺すと言う措置だ。
レキシの許可は殺めても問題ないと決断出来ればいつでもいい。
反対に殺めてはならない者をレキシした場合は
刑罰で済むと高を括ると、大目玉を喰らうことに。
ロイターとカッツォと呼ばれるバディ……
野火は攻撃魔法に興味を抱いていたし、
井園は月刊:DONKIの愛読者だ。
二人共、二大法令に抗うような守り人で
それでも、依頼者からの信頼は厚かった。
表向きは自殺未遂など、刃物に関する弊害は
解決へ向かいつつあると言う。
内容を盛っているとしても
自分はリストカットなんてしない、と思って貰えたら御の字だ。
コロナウイルスだってそう。マスク着用と消毒の徹底が
クラスターやパンデミックに歯止めをかける。
法令との違いは、一連の予防策は細菌防御で在り
法令自体は元来の自由を剥奪している点。
武器が無い方が治安がいい
攻撃魔法なんて以ての外だ! 果たしてそうか?
核兵器だって抑止力。
全世界で一斉に核を放棄すれば問題無いが
例え一国でも手離さなかったら、
それは大きな脅威になる。
武器も魔法も、使っている奴や国は未だ存在するんだ。
丸腰に近い状況で、どうやってそいつ等と
対等にやり合えばいい?
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