第二幕 序章
プロローグ
炎魔法を操る王族が統べる国・
老獪な光を宿したツェーザルの目が、真っ直ぐナディヤへ向けられた。女性の身でありながら、実力一つで騎士団長にまで上り詰めたナディヤに、怖気づく様子はない。普段通りの緊張感に欠けた声音で報告を始める。
「戦力の補強は、もう十分だと思いますね。どうせ、兵士の数は減らないわけですし、どこへなりとも攻め込めますよ。それで、進軍先はどこにします?」
「
「はーい」
「それから、研究の進捗はいかがですか?」
「そっちも順調らしいです。近いうちに臨床実験の段階まで進めるんじゃないか、って聞いてます。……ああ、でも、その臨床実験に使う敷地や被検体をどうするかで揉めてるみたいでした。さすがに、自国にばら撒いて試すわけにもいかないですし」
「なるほど、そうですね。それでは――」
淡々とした抑揚の少ない調子で、ツェーザルが言い放った。
「――
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