僕とアオちゃんのノスタルジー。（モンキーZ50Z）

第2話：ハンドルの左右のバランス。

僕って車には興味ないから、足はアオちゃんしかない。

だから会社へは毎日アオちゃんで通っている。

だけど問題は雨の日。

雨の日にはアオちゃんは濡らしたくない。

バイクは泥だらけになるとメッキの部分がすぐ錆びるから嫌なんだ。

だから雨の日はカッパをかぶって、わざわざ自転車で通う。

雨には振られるしアオちゃんに乗れないし・・・最悪。

そんな日が続くと中古の軽四が欲しくなる。

それに家族を乗せるための車はいるなって前から思ってたし・・・。

でも普通車なんかいらない・・・軽四で上等、しかもできるだけ安くて

ポンコツでもいいから動けばいい。

で、会社が休みの時中古車屋さんへ行ってみた。

中古車屋さんの店長さん「女性」が紹介してくれたのが、たまたま偶然にも

アオちゃんとボディの色が一緒な軽四。

おお〜色が一緒っていいじゃんって思って、即決めた。

車の調子なんて所詮わからないからね、見た目。

でもその軽四スポーツ車だったので、ふたりしか乗れない。

助手席に母ちゃんないし父ちゃん、あるいは彼女しか乗せられない。

今んところ人間の彼女はいないからいいけど・・・。

まあでも、雨さえ凌げたらなんでもいいんだ。

でもそんないい加減な気持ちで買った軽四、これが案外キビキビと

よく走った。

だから土曜日とか日曜日にはよく母ちゃんを乗せてスーパーに

買い物に連れて行ってる。

でも僕の中ではあくまでメインがアオちゃんでセカンドカーが軽四。

普通は反対なんだけどね。

バイクが中心の生活、バイクが趣味の僕はそれでいいんだ。

で、アオちゃんの話に戻るけどアオちゃんを買った矢先に、とんでもない

馬鹿なことを僕はやらかしてしまった。

いわゆる立ちゴケってやつ。

デカいバイクなら重さに耐えかねてってこともあるだろうけど軽い

アオちゃんをなんでコカすんだって話。

でアオちゃんを右側にガシャンってやってしまった。

頭から冷や汗が滝のように・・・。

なんてことしてんだおまえは！！って自分で自分を叱咤した。

で起こしてみたら、右ハンドルが内側にちょっと歪んでた。

ハンドルの左右のバランスが微妙に悪くなった。

で、そのままバイクショップに修理に出せばいいのに僕は、なにを血迷った

のか、こともあろうにアオちゃんを左にコカした。

左にコカせばハンドルが同じに曲がるだろうと単純な発想。

普通はそんなアホなことはやらない・・・バイクが痛むからね。

でも、起こしてみたら、なんと左右対処にうまくバランス取れてるし、

結局修理せずに終わった。

可哀想なアオちゃん・・・コケた時、さぞ痛かったよな、ごめんな。

で、連休を利用してイトコも含めて普段交流があった友人に声をかけて

計四人でバイクに乗って「猪森（いのもり）ダム」ってところにキャンプに行こう

ってことになった。

隣の隣の隣の街の山奥まで・・・往復約100キロくらいの距離を走ることになる。

原付にはちとキツイかも・・・。

まあ、どこでもいいからバイクに乗ってツーリングができたらいいんだ。

みんな新車のバイクなんか持ってない。

背の高い高橋君は自身の親父さんから借りてきた125ccのビジネス。

同じく山下君も親父から借りてきた70ccのスーパーカブ・・・でイトコは

イトコの兄ちゃんから借りたホンダ・CL125・・・。

で僕がアオちゃん。

その中で50ccは僕だけ・・・30キロで走らなきゃいけない僕は、みんなに

ついていけるだろうかと少し不安がよぎる。

友人たちは普通に60キロで走るだろ・・・。

僕に合わせて30キロでちんらた走ってくれるわけがない。

たぶん置いていかれるのがオチだなって思った。

まあいいや、のんびり行こう・・・目的地は分かってるんだから。

つづく。