第10話 はじめての…

3回目のデートでホテルへ連れ込むなんて 手が早すぎるよ。直美は僕を何度も批難した。友人の話では、したあとの事は聞いてなかった。3回までにしとくようにとは言われたけど。

「でも、京都に連れてってくれたのは嬉しかったよ。」

「よかった。」

「また紅葉の頃に行こうね。」

「そうだね。」

「でもあんなことで赤ちゃんができちゃうんだね。」

「そりゃあ 妊娠しやすい人はね、普通はそう簡単にはできないよ。」

「よく知ってるよね、そういうこと。」

「大人の常識って言うか…。」

「したくもない 妊娠で女の子の体を傷つけないようにと思って。」

「痛かったんだけど。」

「ごめん。」

「ちょっと無理やりじゃなかった。」

「すいません。」

「やすくんってさぁ、女の子とするの初めてだったの?みんなに聞いたら そんなに痛いはずないって言ってたけど。」

「それは人によるんじゃないのかなぁ。とくになおちゃんは初めてだったし。」

「ちょっと出血もしたし。」

「すみません。」

「血が出るほどするなんてひどいってみんな言ってたよ。」

「だからすぐやめたでしょう。」

「なおちゃん みんなに話してんの⁉」

「友達だもん。」

「だからって ベッドでのことをみんなに話す?」

「みんなも話してくれるよ。」

「そうなんだ。」

何でも話せる友達ってのも恐ろしいもんだなぁ。あんまりおかしなことはしないでおこう。

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