第6話 最終回 魔人神との対決
魔人神が現れたとの情報も懇意にしている神獣の白虎から
念話で寄せられた。どうやら魔人神はスタンピードのどさくさに
紛れて無人化してしまったアガタ王国をかすめ取ろうとしている
ようだ。
それは絶対に許せないことだ。聖女マリアはおかんむりだ。
元々事のきっかけが魔人族が人間に化けて王族を篭絡して
聖女マリアを無実の罪で処刑しようとした事だったのだ。
そんな魔人族の国家が平和な5か国のすぐ隣に出来ることなど
絶対に許してはならない。
マリアは魔人神と対決する決心を固めるのだった。
マリアは各国に事の顛末を伝えて警備を厳重にするように
助言した。
マリアはその日の日課を終えて元アガタ王国の国境に居て
見張っていた。異常な気配がしたと思ったら地上2~3メートルに
黒い空間の裂け目が現れてそこから魔人族が次々と
産み出されてくる。
マリアはすかさずその周囲に強力な結界をはる。
中から出てこれなくするための結界だ。
マリアはその結果内に浄化神法を充満させた。
聖魔法の何十倍も強力な浄化神法がそこにいる魔人族を駆除
していく。
それどころか、空間の裂け目の中にも充填していった。
「こ、これは神の仕業か!?おのれ、忌々しい神め許せん。今こそ
決着をつけてやる。どこだ?どこに居る、隠れてないで出てこい!」
魔人神が裂け目から出て来た。大分弱っているようだ。
『シロちゃん、お願い、手伝って』
マリアは念話で白虎に応援を頼んだ。
『僕に乗って行くの?』
白虎が現れて言った。白虎は男の子だった。
「そうっ魔人神の所までお願い」
「いいよ乗って。気を付けてね」
マリアがひらりと背に乗ると白虎は魔人神の後ろに転移した。
マリアが魔人神の角を掴み治癒神法攻撃した。
「ギャー――――ひ、卑怯な!」
魔人殺しに治癒魔法は有効だ。その何十倍も強力な神法を食った
魔人神が喚いた。
「あなたたちのお陰で私も悪人に成れたのよ。そこは感謝するわ」
「ぐぐぐ、おのれおのれ小娘断じて許さぬ」
魔人神は闇魔法の【黒炎】を放った。普通の炎魔法と違って
炎が当たるとジュクジュクと身体が膿みながら腐っていく強烈な
苦痛を伴う魔法で別名【地獄魔法】ともいわれる魔法だ。
白虎がヒョイット避ける。
マリアが【神炎】を魔人神の顔を包んで発現した。
ミスリルは勿論アダマンタイトやオリハルコンさえ
熔解してしまう程の高温を発する神法に魔人神は転げ回って
悶え苦しむ。
『参った。降参だ。許してくれー!』
「魔人神の参った何て信じられないわ。灰も残さず焼き尽くして
あげる」
マリアは更に【神炎】の強度を上げた。今度は全身を覆う。
「ウギャーーーーー!この、鬼、悪魔めーーー!!!!!」
『お誉めに預り嬉しいわ。これからは私のことを悪魔女と
呼んでも構わなくてよ。おーほほほほほ」
マリアは悪役令嬢の様な笑い声を上げた。
この女性ひょっとして、ラノベ好きな日本人の転生者では
なかろうか、聞いてみたら
「女は、何時でも誰でも謎めいた方が魅力的でしょ」
と返されそうだ。
魔人神はしぶとく灰を残して消えた。
この灰から復活されたら嫌よね。キューちゃん処分してもらえる?」
「キュー、キュキュー」
古代スライムのキューちゃんが飛び出して残った漆黒の灰に
覆い被さって少しも残さず消化した。
帰りには白虎の背から元アガタ王国の地を見てみると
残留した魔物と魔人族の姿が見えた。
周辺国に伝えて後処理をお願いする。今後は領地の分配などを
話し合って決めてくれるように言って辺境国目指して再出発する
のであった。
終了完結
※※※※※※※
「無実の罪で処刑されそうになった聖女は悪魔女になる」
は、これにて終了します。中編を目指していましたが1万字
以内に収まったので短篇になってしまいました。
フオローしてくださった皆様、☆や❤をくださった皆様
どうもありがとうございます。
2,3日休んで次の作品を始めようと思っています。
どうぞよろしくお願い致します。
霞 千人
無実の罪で処刑されそうになった聖女は悪魔女になる 霞千人(かすみ せんと) @dmdpgagd
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