第4話 土曜日の夜
土曜日の夜、僕は家で本を読んでいた。
外は雨も降っていてとても寒いし、あの人もいるわけないだろう。
「なあ!土曜のこの時間にここ集合な!俺、待ってるから!!絶対来いよ!」
ああ…悪い癖だ。放っておけばいいのに。僕はカッパを着て、急いで玄関を出た。
………
隣町の廃墟ビルに着いた。僕は屋上への階段を登っていた。ドアを開けると…
「お、やっと来たか。」
彼は扉のすぐそこの屋根がまだある所で雨宿りをしながら僕が来るのを待っていた。
1時間半以上は経ってるはずだ。
「…いつまで待ってるんだよ…!来ないんだから諦めて帰れよ!」
「来たじゃんか。来るって信じてたから待ってたんだぜ?」
「どうしてよく知りもしない他人にそこまで出来るの?」
「俺はお前と友達になりたいんだ!ほら、お前じゃなくて名前で呼びたいから、名前教えてよ」
…
「相堂 冬樹 (アイドウ フユキ)…」
「冬樹よろしくな!」
この人はもしかしたら良い友達になれるかもしれない。でも、もしかしたら裏切られるかもしれない、怖い。人を信用できなくなってしまった自分がとても情けない。
…でも。
「翔馬くん、よろしくね。」
翔馬くんはニコッと無邪気に笑った。
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