第3話 金曜日

また死ねなかった僕は今週も学校へ行き、いつも通りの日常を送っていた。


長い1週間も今日行けば終わる。あと1日だけ頑張ろう。


「……」


僕が教室に入ると、周りの人間がくすくす笑い始める。自分の席に行くと、僕の机の上に花瓶が置かれていた。


花瓶の中に花なんて無い。花の代わりに沢山のメモ用紙。


早く死んでくれない?


地獄へおちろ。


なんで生きてるの?


お前の居場所なんか無いんだよ


そんな事が沢山書かれていた。どうしてこんなに嫌われなきゃならないのか分からなくて、それを考え出すと涙が出てきそうになる。


でも泣いてしまったらいけない。まだ1日は始まったばかりだから。


怖いで有名な先生の授業中、僕は問題の答えをノートに書いていた。すると背中にすごい勢いで何かを刺された。


僕はものすごい痛みのあまり、声を出してしまった。


「うっ……!!!」


恐らくシャーペンで思いっきり刺してきたのだろう。


「おい!!授業中に何ふざけたことしてんだっ!!毎回毎回お前は俺の授業の邪魔をしやがって……!!泣いたって無駄だ。お前の成績は覚悟しとけよ!!」


先生は僕に怒鳴りつけると、思いっきり僕の机を蹴り飛ばした。


僕が泣いたのは背中があまりにも痛いからだ。

成績なんて……もうどうでもいい。


周りの奴らはクスクスと笑う。


6限目が終わった。長い一日が、長い1週間がようやく終わった。


背中はまだ痛むけど、2日間休める事の喜びの方が勝った。


そういえば、土曜日の夜、あの廃墟で待ってるって言ってたけど、本当にいるのかな。


いやいや、友達でも何でもない奴だし、、どうせ僕のこのなんて忘れてるだろうしな。冷たい態度取っちゃったし…


……


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