第3話
私、鬼頭明里が幼馴染の鬼井晴人をお兄ちゃんと呼ぶのには理由がある。それは、中学生の時にアニメにハマっていた晴人がとある少女を好きになったからだ。相手が二次元だったので最初は相手にしていなかったが晴人は本気で、フィギアを集めたり、私たちと同い年の声優さんのイベントに行ったりとしていた。そのキャラが妹キャラで「お兄ちゃん、大好き」という恥ずかしいセリフを繰り返し言っていた。それを満足そうに聞く晴人を見て私は恥ずかしながら二次元の女の子相手に嫉妬してしまった。
晴人をお兄ちゃんって呼ぶなんて恥ずかしさと違和感しかなかったけど、それでも私を意識させるには呼ぶしかなかった。
晴人は小学生の時から結構女子から人気があった。幼馴染だからよく、紹介して欲しいと言われたけどやんわりと全て断ってきた。誰より晴人に近いのは私でいたかったから。それなのに高校生になるとすぐ晴人にちょっかいを出す女が現れた。その名は井口優香、晴人の隣の席の女子だ。私より少しばかり胸が大きいからって調子に乗ってんじゃないわよ。長年の片想いを舐めないで欲しいわ。
私が晴人の幼馴染で、彼女になるのだから。
幼馴染がお兄ちゃんと呼んでくる。 楠木祐 @kusunokitasuku
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