第8話 従妹は俺以外には氷のように冷たいようだ3
俺は、スマホで何かいいものが無いかと探しながらバスに揺られる。
茜は、俺のスマホを覗いている。
変な物は見ないよ。
「帰りにどこに寄ろうかなって思ってさ」
「あっちゃんとなら…どこでも」
どこでもか…個室。
うーん、個室。
ああ、カラオケにでも行こうかな。
偶には、いいかもしれない。
「茜の歌声が聞きたいからカラオケいこうか」
「え?」
一瞬頬を赤らめたと思うとすぐに戻ってしまう。
どうやって、そんな表情作ってるのか気になる。
ポーカーフェイスとも言いづらいし。
「…いいよ」
「よかったよ、じゃあ帰りは遊んで帰るって母さんに連絡しておくよ」
「うん」
俺は、母さんにLINEを送っておく。
こうしておけば、少しくらい遅くなっても問題ないだろう。
なんといっても、今日は午前で学校が終わるのだから。
そうしていると、バスは駅へと辿り着いた。
20分なんてあっという間だな。
乗り換えまでは…ちょっと前に出たばかりだから15分くらい時間あるかな。
バスから降りてバスターミナルへ。
乗り場は、6番…いまが10番にいるから移動する。が、まだ早いんだよな。
「茜、待ち合いで飲み物でも飲む?」
「飲む」
まだまだ、能面…いやほぼ人形状態の連れて待合室へ向かう。
待合室には、自販機がある。
まあ、総合案内所になっているので受付があったりもする。
「茜は、何飲む?いつもの?」
「うん」
彼女の『いつもの』は、オレンジジュースだ。
昔から、好きでよく飲んでいる。
一番好きなのは、100%果汁の物らしいけど自販機にあるかな?
俺は、自販機の前へと向かう。
缶ではないが、紙カップのやつでならあるのか。
ん?あ、果肉入りの缶のもあるな。
「茜、押していいよ」
「うん」
茜は、自販機のボタンを押す。
俺は、スマホを翳す。
それと共に、ガコンと音がして缶が落ちてきた。
それを茜が取り出した。
さて、俺は、コーヒーかな。
ボタンを押し、スマホを翳す。
ガコンと音がして缶が落ちてきたのでそれを取り出した。
カシュッと音を立てて、プルタブを開けた。
そして、俺達は飲んで時間を潰すのだった。
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