第7話 従妹は俺以外には氷のように冷たいようだ2

バス停に着くと、そこには同じ制服を着た男子や女子が列を作っていた。

それを見ると、茜から感じる雰囲気が変わる。

感情が抜け落ちたような表情…まさに能面のようだ。

それに、目つきが鋭い。


「ああ、またそれでいくのか」

「わるい?」


声色も少し低い。

まあ、それでいても彼女は俺の腕に抱き着いたままでいる。

凄い違和感。

まあ、これも茜だから割り切ろう。


「まあ、いいけどさ。まだ、他の人が怖いの?」

「・・・」


茜は、昔虐めに遭っていた時期があったそれから自閉気味になった。

俺にだけ心を開くのはその時に俺が彼女を助けたからかな。

まあ、理由だけはよくわからないけど。


やがて、バスが来て俺達はバスへと吸い込まれていく。

街までは、20分ほどかかる。

バスの中は、割と空いていたので席に座ることが出来た。

茜は、俺の肩に頭を預けている。

うん、行動以外はおかしいけど…ん?これは行動もおかしいとも言えるけど。


「今日は、帰りどっか寄り道する?」

「する」


でも、この状態の茜はきっと無理してるよなぁ。

うーん、個室とか二人きりになれるようなところに行く方がいいだろうか。

何かいいものあったかな。

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