第40話 ビビビッときたのじゃ!




大事なお話をするのに、全裸のままでは締まらないよな。


という訳で、全裸タイム終了!



2人で服を着て、再びソファーに座る。

今度は対面にね。



「さて、サクラちゃんは自分のステータスを見た事はあるかな?」


「うん。冒険者ギルドで、丸いのに触ったら見れたよ?」


ふむ。能力値を見るという仕組みは経験済みか。


なら、まずは俺のステータスを見せてみるか。



「じゃあ、俺のを見てみる?」


「え?丸いの持ってるの?」


「いやいや。あんな粗悪品より、もっと細かく見れる超優秀なスキルがあるんだ。」


「そうなんだーっ♪ワカバお姉ちゃんのステータスっ、見てみたーいっ♪」


「了解!んじゃ、どうぞ?」


と、俺は鑑定で自分のステータスを読み取り、魔力操作でその鑑定結果をテーブルの上に写し出した。





ワカバ・エド(5)

種族 魔族

性別 ♀

クラス 99代目 魔王

LV 28

HP 21200/21200

MP 32600/32600

STR 10068

DEF 7009

ING 23204

DEX 9055

AGI 8873

属性 全


[スキル]

鑑定Lv28、隠蔽Lv99、アイテムBOX

母召喚Lv5、姉召喚Lv5、眷属召喚Lv6

魔王の威厳Lv2


[パッシブスキル]

獲得経験値倍化、状態異常無効

身体強化Lv99、刀剣術Lv3

無詠唱魔法、全属性魔法、魔力操作Lv31


[汎用魔法]

サーチLv99、トラポ

ワカバの別荘Lv3DK

東京ドーム、ワカバ製自販機

魔族幼女転生、眷属化


[支援・妨害魔法]

フルケアヒール、フルキュア

グラビティ、スリープ


[攻撃魔法]

フレアバースト、ラストブリザード

カースメテオ、チタマデストロイ

チタマエクスプロージョン、チタマエンド


[補足]

99代目 魔王。ジッポン王国 国王。現在の国民:6名。王たる者、無闇に国民を傷つけてはなりません。次からは魔族幼女転生を使用して下さい。詳細は別ウィンドウにてご確認下さい。男性には眷属化が有効です。

国民を50人まで増やしましょう。




[魔族幼女転生]

女性を幼女魔族として生まれ変わらせる事が出来る。消費MPにより強化レベルを3段階選べる。

1段階:基本クラス、初期能力値+1000

2段階:レアクラス、初期能力値+2500

3段階:ユニーククラス、初期能力値+5000

※希望ユニーククラスに空きがない場合、下位クラスに就く。

魔法効果により魔王の眷属になる。




ふむふむ。どうやら、例のハンマー儀式はやらなくて大丈夫になったようだな。


いくら寝てる間にやるといっても、アレはかなりグロいからなぁ。俺の精神衛生上あまり良くない。


あれを何度も続けてたら、サイコパス魔王にクラスチェンジしちゃいそうだもんな、、。



「ワカバお姉ちゃん、、魔王様だったの?」


「まぁ、そうだね。ベリアルとかが魔王様って呼んでたでしょ?」


「あれはマホーサマーって言ってたんじゃないの?」


魔法の夏、、何の合言葉だよ!?


ま、まぁ聞きなれない言葉を、自分の知ってる単語に変換してしまうのは良くあるからな。



「それで、ここからが重要。、、サクラちゃんも魔族になりたい?」


「う〜ん。よく分かんない。魔族になるとどうなるのー?」


「えっとね、、まず、長生きになるね、人間の10倍くらい。次に、、



と、俺は魔族の特徴を細かくサクラちゃんに説明した。


もちろん、人類の敵となる事も、10年後に殺し合いの戦いが起きる事も。



「とは言っても、人類側を皆殺しにする訳じゃないよ?一般市民には手を出さないし、軍隊だって降伏すれば酷い事はしない。まぁ代表者にはケジメをつけさすけど。」


「う〜ん。冒険者もその戦いに参加するのかな〜?」


「それは微妙な感じだね。傭兵として参加する人もいるだろうし、ギルドが魔族討伐クエストを出すかもしれないし。」


「そっかぁ。、、私、ワカバお姉ちゃんの敵にはなりたくないよ。」


「ありがとう。俺もサクラちゃんと敵対するのは嫌だよ。」


「、、分かった。私、魔族になって強くなるっ!!それで、ワカバお姉ちゃんを守るんだーっ!!」


「ふふっ♪それじゃあ、ママンさんも一緒になろっかね!ママンさんは、本当は可愛い女の子になりたかったんだってよ?」


「え?ママ、今よりもっと可愛くなる気なのーっ!?」


、、ん?



「サ、サクラちゃん?ママンさん、可愛い?」


「うんっ!あの上腕二頭筋とか、広背筋とかっ、腹直筋もーっ♡」


「そ、、そか。」


可愛い基準が俺とは違うようだな、うん。



「ま、まぁとりあえず、この話はまた後でにしよう。そろそろ皆も切り上げる頃だし、フードコートでおやつでも食べながら待ってよっか?」


「おやつーっ♡賛成ーっ!」



サクラちゃんはおやつと聞いて、大はしゃぎ。

こういう反応を見ると、やはり子供なんだなぁと改めて思う。


だから、今さら『あ、そういえば母さんがチタマデストロイを模擬戦ジムで見せるって言ってたなぁ。』なんて言える訳がない。


母さんには悪いが、チタマデストロイはまたの機会にするとしよう。



すっかり忘れてただけなんだが、ここは一つ穏便に、子供優先にしてもらいましょう。



そんな事を考えながらも、5階のフードコートへとやってきた俺たち。



そこには、今だに立ち食いを続けている3人の姿があった。



「3人とも、ずっと食べてたの?」


「む?おぉ、ワカバよっ!このマーボー豆腐とやらが、妾を離してくれんのじゃーっ♡」


「魔王様っ!どうやら私は、水餃子なるものに打ち勝たねばならないようですっ♡」


「魔王様。ルシフル様とバカベリアルを抑えられなくて申し訳ございません。これも全て、エクレアとかいう強敵が現れたせいでございますっ♡」


と、ルシフル・ベリアル・ムルムルの3人は、バクバク食べるのを止める事なく喋ってきた。



、、うん。食べながら話すのはやめようね?食べカス、めっっっちゃ飛んできてるからね!?



「ま、まぁ3人とも、ほどほどにね?、、ん?」


「む?どうかしたのじゃ?」


何やらハイパー蚊帳DXに『虫』がかかったようで、使用者である俺に反応が返ってきた。



「あ〜、なんかジッポン王国に入ろうとしたバカがいたみたい。100億Vで炭になったけど。」


「うむ。では妾が出迎えに行ってやるかのぅ?」ジャキンッ!


そう言ったルシフルの手には、ジグザグの歪な形をした片手長剣が握られていた。


まるで荒れ狂う闇の雷撃をそのまま形にしたような、見るものを圧倒するその剣は、魔王が持つ剣にふさわしい雰囲気を感じさせる。



ぶっちゃけ、超カッコいいぞ!?

勇者が持っていたらセンスを疑うが、魔王が持つなら話は別だ!

超似合ってるし、ヤバい。欲しい。



「ル、ルシフルさんや?」


「む?どうしたのじゃ、ワカバさんよ。」


「そ、その剣は?」


「うむ。これは魔剣『ライトニングサンダー雷々(らいらい)』と言ってのぅ。魔力を流すと雷属性が付与されるのじゃ。」


「そ、その名前はルシフルが付けたのかな?」


「うむ!雷々を初めて手にした時に、ビビビッときたのじゃ!この名しかないじゃろーっ!!、、とな?」


ビビビッて感電したからこの名前なのか?



「そ、、そか。」


残念だけど、俺にライトニングサンダー雷々を紹介する勇気はなかった。


どんだけカミナリなんだよ!とツッコまなかった自分を褒めてやりたい。



「それはそうと、どこから出したの?一応、アイテムBOXはさっき覚えたけど、、城から回収してきたの?」


「いやいや。まだ妾のアイテムBOXには何も入っておらんのじゃ。これはのぅ、、っとまぁこんな感じじゃな!」


ルシフルが手首をクリンと動かすと、雷々はパチッと静電気が発生したかのような音と共に、ルシフルの手の中へと消えていき、再びクリンと手首を動かすとフッと出現した。



「どうじゃ?普段は妾の魔力と一体化しておるから、収納には困らんのじゃ!」


「ふむふむ。それは素晴らしい機能だね!俺もずっと装備していたいけど、さすがにお風呂とかトイレの時は外さないとだからなぁ。」


俺はそう言いながら、ダーインスレイヴのベルト部分を撫でる。


すると、ダーインスレイヴの禍々しいオーラがブワッと拡がり、俺の手を包み込む。



「おぉっ!?どっ、どうしたっ!?」


俺の手を包んだオーラがモゾモゾと形を変え続ける。モゾモゾモゾモゾモゾモゾ、、。


モゾモゾが1分ほどで終わり、俺の右手中指の付け根に集束していく。


全てが終わった時、ダーインスレイヴの姿が消えた代わりに、俺の中指には黒い指輪がはまっていた。



「もしかして?」


心の中でダーインスレイヴを呼んでみると、右手にフッと現れてくれ、戻ってと心の中で思うと再び指輪になってくれた。


ルシフルのように、完全に実体をなくす事は出来ないようだが、指輪でも充分すぎる機能だと思う。


さすがは俺の相棒だぜっ♪



、、という事は?


サクラちゃんに『きっと出来るよ♪』と目で合図を送る。



するとアロンダイトもサクラちゃんの中指にはまる指輪へと姿を変える事に成功した。


ちゃんと剣になった時に鞘付きなのも守っていたので、ナデナデして褒めてやる。



「じゃあちょっくら、害虫駆除してくるのじゃ!」


「あっ!俺も一緒に行くよ。もしかしたら、ジッポン王国と友好関係を結びたいって話かも知れないし。」


「それもそうじゃのぅ。じゃが、ワカバが下手に出る必要はないからの。絶対なる強者の威厳を示さなければならぬ。忘れるでないぞ?」


「まぁ、その辺は相手の出方にもよるかなぁ。少しでも偉そうな事を吐かすようなら、1〜2人生かして残りは殲滅するよ。」


「うむうむっ♪では、参ろうかのっ!」


「魔王様。お供致します。」」


「私も行くーっ♪」


「あ〜、サクラちゃん。今回は待っててくれる?まだ魔族になってないからね?、、ベリアル。サクラちゃんを頼むよ。」


「、、は。かしこまりました。」


「む〜っ。じゃあ次は私も行くんだからねーっ!?」


「分かってるよ。じゃ、行ってくるね!」


ベリアルにサクラちゃんを任せて、3人でお出迎えに行く事にした。


納得出来ない感を出してはいたが、ベリアルはサクラちゃんの新しいパパ候補なんだから、今から親交を深めておくのも悪くないからな!



さて、念のため相手の正体と数をサーチで見ておいたのだが、なかなかの大物がヒットしたんじゃないかな!



赤竜(せきりゅう)の竜王様が、直々にお出ましとはね!?


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