第31話 建国記念日




魔の大森林にある魔王城にて、100年も眠り続けていた先代魔王 ルシフル・ナ・サタンを発見した。


只今ルシフルとベリアルに事情聴取してます、はい。




「ベリアルに聞きたいんだけどさ?100年前の戦いって、どんな感じで終わったの?」


「あれは、ルシフル様が姿を消した後でございます。アスモデウス様が『ルシフルは敵将にやられた。我らの負けだ。だが僕は諦めない。僕が次の魔王として、再び魔族の栄光を取り戻す。僕についてきてくれ!』と。」


「彼奴め。妾を殺ったつもりでいたんじゃな。」


「ベリアルはついて行かなかったって事か。、、あ〜、もしかして、居場所が分かるって言ってた3人は、ついて行かなかった連中?」


「はっ!仰る通りでございます。」


「ふ〜む。その3人のうち1人は行方不明になっちゃったんだよね?、、多分もう消されてる可能性が高いな。」


「そうじゃのぅ。ベリアルよ、誰が残ったか申してみよ。」


「はっ!連絡が取れなくなったのはバフォメットでございます。サンノ街にメレク、ニーテンゴ街にムルムルが滞在しております。」


「うむ。バフォメットならそう簡単には消されないとは思うが、、まぁよい。して、奴らについて行かなかったのは何故じゃ?」


「我々は魔王 ルシフル様に仕えていたのです。あの時のアスモデウス様は、喪に服すこともせず、魔王になる事しか頭にない印象を受けましたので。」


「実際そうだったのじゃろ。」


「う〜ん。その、アスモデウスってのは、次の魔王になるって言ってたんだよね?それって可能なの?」


「可能か不可能かで言えば、可能ではございます。」


「なるのは容易じゃないって事ね?」


「魔王となるには、幾つかの条件を満たす必要があるのじゃ。まず、魔族である事。魔王なんじゃから当然じゃな。次にMP5000以上、ING3000以上。これは魔王の固有魔法エターナルエンドを覚えるのに必要じゃからな。」


と、ルシフルが魔王になる条件を語る。



①魔族

②MP5000以上・ING3000以上

③性別が女である

④外見が12歳未満である

⑤現魔王を殺す



、、という事らしい。


③と④、、あの女の趣味か?と思ったが、今は置いておこう。


そもそも『弟』の時点で無理なんじゃないの?と、気になったので聞いてみた。



「いえ。性転換魔法を使える者がおりましたので、問題ございません。」



、、って言われた。そんな魔法があるのか、ふぅ〜ん。


まぁ、俺は何されるか分からんから、あの女を始末するまでは使えないんだけどな。



「ルシフルは条件クリアして魔王になったの?」


「む?妾は生まれた時から魔王なのじゃ。魔王は世界に1人しか存在せん、特殊なクラスじゃからな。妾が生きておった時点で、奴は魔王にはなれんという訳じゃ。」


「んん?けど、俺は魔王だよ?」


「うむ。どうやら邪神様が妾を死んだ者として見限ったようじゃな。100年も行方不明じゃったから、仕方ないじゃろ!はっはっは!」


あの女、邪神扱いされてるのな。やってる事はまさに邪神なんだけど。



「エターナルエンドも消えておる。これで妾も一般魔族じゃな!」


「いやいや、何言ってんの?」


「む?」


「10年後に次の戦いが始まるって言ったでしょ?ルシフル・ナ・サタンを魔王軍近衛部隊隊長に任命する!!」


「はっ!この命に掛けて、その任を務め上げてみせるのじゃ!!、、なんてのぅ。冗談なの、、じゃ?」


急に振られてノリで答えたルシフル。


しかし、魔王から任命されたんだ、冗談で済む訳ないじゃあんっ♪



ルシフルの全身が光り輝き、魔力が凝縮していく。そして光が収まると、先ほどより少し幼くなった美少女の姿があった。



「ふっ、、あっはっはっは!!今代の魔王様は規格外のようじゃ!言葉だけで妾を眷属にするとはのぅっ!!、、よかろぅ。魔王 ワカバ様よ。この命尽きるまで、貴方様と共に!」


「うん!魔王 ワカバの名にかけて、ルシフルの命を預かる。よろしくね!」


「うむ!」


ルシフルは俺の前に跪き、忠誠の誓いをたてた。

、、という訳で、ルシフルのステータスを見せてもらう事にした。

部下の能力を把握しておくのも、上司の仕事だからな!



[鑑定ッ!!]



ルシフル・ナ・サタン(241)

種族 魔族

性別 ♀

クラス 先代 魔王

LV 1

HP 4070/4070

MP 7200/7200

STR 2963

DEF 2953

ING 6989

DEX 2961

AGI 2958

属性 闇・火・水・風・土


[スキル]

鑑定Lv16

オーラブレードLv78、ストームⅪ(11)


[パッシブスキル]

魔王の眷属Lv99

身体強化Lv99、剣技Lv99

無詠唱魔法、5属性魔法、魔力操作Lv99


[魔法]

カースワールド、ダークフレア、エクスフレア

ラストブリザード、プリンセスウィンド

デスマイト、チタマデストロイ


[補足]

98代目 魔王。弟の裏切りによって崩御、、してなかった!100年も放置してマジごめん。99代目 魔王の眷属として頑張って!眷属化によりLvは1に戻るが、初期能力値に応援ボーナスを加算したので許してね。




、、ふむふむ。魔法型ステータスって感じだな。母さんよりもMP・INGが高いのは、サスマオってところか。


それにしても、補足さんが謝ってる気がするのはスルーした方が良いんだろうなぁ。


なんか補足さん、能力値までいじれそうな感じするし〜、、。


ヘタに指摘して怒らせたら、超ザコ魔王にされちゃうかもしれんからな。



「Lvが1に戻っておるのぅ。じゃが、Lv1とは思えん能力値じゃっ♪」


「前より強くなったかな?」


「うむ!前よりパゥワーアップしておるぞ!Lv730あったんじゃがなぁっ♪」


あら?99でカンストじゃないのか?

まさかの999かよ。先は長いね〜。


え?別にそこまであげる必要ないって?


いやいや、俺はやり込み派だからな!Lvカンストはプレイヤーの義務でしょ!!



「さて、魔王様よ。まずは腹ごしらえをするべきじゃと思うのじゃが、どうじゃろか?」


「あ〜、100年間魔力だけで生き繋いできたんだもん、腹ペコに決まってるよね。」


「むはは!ちぃと恥ずかしいのぅ。じゃが魔王様の言う通りなのじゃ!妾は腹ペコじゃー!」


「ん〜、それじゃベリアルと一緒に、先に戻っててもらおうかな。俺はやる事やってから戻るからさ?」


「はっ!かしこまりました。ではルシフル様、参りましょう。」


「う〜む。眷属になったばかりでいきなり別行動というのは、少し寂しいものがあるのぅ。妾達が魔王様の用事を手伝えば、そのぶん早く終わったりするかのぅ?」


「まぁ少しは?早くなるかも。なら皆でパパッと終わらせちゃおう!」



という訳で、3人で分担して用事を済ます事になった。


俺はめちゃ健康ランド&訓練所の建設を。

ベリアルには魔石のメンテナンスを。

ルシフルにはベリアルの見張りを頼んだ。


100年ぶりの寝起きにハードな労働を強いるほど、今代の魔王軍はブラックじゃありませんので!!



それぞれが自分の役割を果たす為、作業に取り掛かる。



俺は2人に魔石を任せて、魔王城の外へ。



「ふむ。魔王城の隣に建てて、渡り廊下で繋いじゃおうかな!んじゃ早速っ♪」


と、朝方(※20話参照)に考えた『訓練所兼めっちゃ健康ランド』のイメージを膨らませ、魔力を一気に開放させる。


今回のみの使い切り魔法だから、魔法名はそのまんまで良し。



[訓練所兼めっちゃ健康ランドっ!!]



フッと、魔王城に隣接された7階建のビルが出現した。


明らかにオーヴァースペックであるが、魔族の健康を考えた結果なので気にしないにしておこう。



「さて、中の確認はまた今度でいっか。外観はちゃんとイメージ通りだから、中も大丈夫っしょ!」


それに、1人で確認するより、どうせなら皆とやった方が楽しいもんね!



さて、ベリアル達が終わるまで何してようかなぁ、、。


あっそうだ!今のうちに、国?の名前を考えてみようかな。

補足さんのご機嫌とりの為にも、、ね?



しかし、国名かぁ〜。


ダサい名前はもちろんダメだよなぁ。

一応俺が王様なんだから、自己紹介したりする時に、、


「ダサい国 国王ワカバだ。」


、、って言う事になるもんな。



魔族の国っぽさが表現できれば良いかな?


デーモンズ・カントリーとか?デーモンズ・ランドとか?

いや、さすがに直球過ぎるか、、ボツ!



じゃあチタマの街みたいに、番号順でいくか?


多分、魔族が建国するのは初めてだろうから、ハツマノ国?サイショノマ国?


ふむ。微妙過ぎるよな。、、ボツで。



なら別の視点から攻めてみるのもアリか?


チタマが地球の読み方を変にしただけだから、日本を変に読んで、、ニチモトとか?ジッポンとか?


、、ふむ。ジッポン王国、響きは好きだな。これなら日本を忘れないでいられるし、、。


良し!ジッポン王国にしよう!


後は補足さんの許可がおりれば良いんだけど、、。



そう思い、俺は自分のステータスを見てみる事にした。



[ステータスッ!!]



ワカバ・エド(5)

種族 魔族

性別 ♀

クラス 99代目 魔王

LV 24

HP 19030/19030

MP 28220/28600

STR 9749

DEF 6208

ING 20017

DEX 8526

AGI 8333

属性 全


[スキル]

鑑定Lv24、隠蔽Lv76

アイテムBOX、眷属召喚Lv2


[パッシブスキル]

獲得経験値倍化、状態異常無効

身体強化Lv99、剣技Lv99

無詠唱魔法、全属性魔法、魔力操作Lv27


[汎用魔法]

サーチLv99、トラポ

ワカバの別荘Lv2LDK

東京ドーム、ワカバ製自販機


[支援・妨害魔法]

フルケアヒール、フルキュア

グラビティ、スリープ


[攻撃魔法]

フレアバースト、ラストブリザード

カースメテオ、チタマデストロイ

チタマエクスプロージョン、チタマエンド


[補足]

99代目 魔王。ジッポン王国 国王。現在の国民:4名。

無事に建国作業が完了し、本日5月1日はジッポン王国 建国記念日として祝日になりました。

魔の大森林がジッポン王国 国領となり、魔の大森林という名称はジッポン王国に改変されました。

更なる発展を願い、能力値にボーナスポイントが加算されます。


国民が少ないですね。まずは50人を目指して頑張りましょう!




、、ふむ。盗賊団殲滅で、多少レベルアップしてるだろうなぁとは思っていたが、18も上がるとは思ってなかったよ。


原因は『獲得経験値倍化』だろうね。まぁカンストが99じゃなくて999だと分かった今、とてもありがたい。


しかし、母さんが覚えてて気にはなっていたんだが、俺にも生えたな。上位魔法まで生えてるしな。


チタマデストロイにチタマエクスプロージョン、チタマエンドて、、。


破壊して爆発したら、そりゃ終わるだろうよ。


ま、まぁ使い道は無いけど、ネタ魔法として残しておくか。



それよりも、だ。

今は、補足さんが国名を認めてくれた事に注目すべきだなっ♪


建国記念日で祝日になったとか、、その恩恵にあやかれるのが俺合わせても5人しかいないんだよな。


まぁ補足さんも言ってる通り、まずは国民を増やしていかないとだな!



、、あれ?よく考えてみると、大きな問題があることに気づいてしまったぞ?


俺が魔族に変えられるのは『女性限定』。


女だらけの国になるよな?


男はエチゴさんとベリアルだけで、これから連れてくる魔族の人が2人とも男だったとしても、明らかに男性不足!!


子孫繁栄しなきゃ、国に未来はない。



、、まぁ、魔族以外の男を国民にすれば良いだけか。

ベリアルも混血の方が子が出来やすいって言ってたしな。



よし!この問題は、もう少し国民が増えてきてから考えれば良いか!



どうやら俺は、問題(面倒事)を先送りにするユニークスキルを覚えているらしい、、。


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