第2話

「あ、ドラマ見なきゃ。莉子も見てる? あの医者と看護師の胸キュンのやつ?」

「ううん、見てない」


「嘘。莉子、ぜんぜんテレビ見なくなったね。昔はドラマもバラエティもめちゃくちゃ見てたのに」

「そうだね。いまはYouTubeばっかみてる」


「なんで?」

「テレビって三十分とか一時間で長いじゃん。YouTubeならすぐ終わるし」


「そうだけど、つまんなくない?」

「おもしろいのもあるよ」


「おもしろいのを探すのに結局時間がかかりそうだけど」

「それも・・・そうだね」


 咲子はバカっぽく見えて、いつも的確に痛いところをつく。

 そーゆーところが時に評価を上げ、時に人をいらつかせたりするのだろう。


「あ、ドラマはじまった。じゃ、またラインするね」

「うん。おやすみ」


「おやすみ」


 スマホをベッドに放り投げ、その上に倒れ込む。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る