第7話俺と純粋な人

叔父上は兎も角、


俺の母上は常識人だと社交界でも有名だった。よく''ラインの良心''とか''最後の砦''などと言われていた。


それ故に母上の病気は我が父上が何かしたのでは無いか、などの噂が社交界やライン侯爵家の周辺地域に飛びかっていた。



それらの事から考えて、心労からくる病気だったのではと思う。そうではなかったとしても、決して無関係ではないだろう。




母上は偉大な人であった。

この俺に変な教育がなされないように外部から人を呼び、予めに起きうる全ての問題に対し、他界しても尚、対策を講じ続けていた。


よって、常識的な俺が爆誕したのであった。おめでとう。そして、ありがとう母上。まじでありがとう。





問題は他にもある。



この侯爵家では家族は皆、親愛の対象であり、家族である限りはその庇護の元で過ごすことができるのだ。

俺は自身の身の安全の為にその力に対抗できるまでは、この歪な家族の輪から出ることができなかった。




ていうか、物理的に出られなかった。

洗脳でもされているかのようなメイド達に毎時間交代で監‥‥.見守られ、家族と朝、昼、晩と食事をしながら日々の事を話し合い。


その後は本気で洗脳でもしてそうな言動や行動に加えて、弟思いなどとは思えない。いや、絶対にそう思いたくない。

ある意味 ''純粋'' である兄上とのお話し合い、改め夕食後のお茶会は、とてもじゃないが耐えきれたものでは無かった。



よく純粋な人とストーカーを間違える人がいるが、純粋な人はあくまで邪心がないのだ。


そう、この兄上のように‥.‥


「ロルド、待ってたよぉ〜!とッッッても逢いたかったぁ〜!あの鬼畜父上がどうしても離してくれなくてさぁ〜!

ロルド、どうしたんだい?この兄上はロルドのことを待っていたんだぁ。今日の晩餐でのロルドの話なんだけどさぁ、う〜ん、まぁそれは後でいいや〜。おっと、これを避けるとは。流石は私の弟ぉ!」


出逢って最初に、早口で愛の言葉とやらを叫びながら抱きつこうとしてくる兄上にはホトホト困り果てている。まぁ、絶対に避けるが。


そんなBL小説になってたまるかぁ!!

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