村の集会にて

村人たちに騒がれすぎて、ちょっと面倒くさくなってきたころ、アリアナさんが提案を持ってきた。

「レイシア嬢、これは例の商売の大きなチャンスですね。

今ならば村の皆さんもレイシアお嬢様の話を聞いてくれるでしょう。

オッズさんも手伝ってくれますよね?」

「あぁ、お嬢ちゃんと約束だったからな。

それに俺はあんなよく分からないものは見たことがねぇ。

いくら村暮らしって言ってもあれは異常だと分かる。

そのお嬢ちゃんの為すことだ、面白いじゃないか。」

「アリアナさんもオッズさんもありがとうございます!

まぁ説明には悩みますが、村の皆さんと一気にお話できるのはありがたいですね。」


そんなこんなで準備をして早数日。

早速、村人たちに集まってもらい壇上に上がる。

「それでは皆さん、集まっていただきありがとうございます!

まず第一に、我々は勝利をしました!」

オオオオオ!!と大きな盛り上がりを見せる会場。

「私、レイシアも少しばかりのご協力をさせていただき、無事皆さんと生き残ることができました。

しかし、これも皆さんの村を救うために立ち上がった勇気あればこそ!

ポーリン村ばんざぁい!」

いいぞぉ!ありがとう!疾風のお嬢ちゃん!!!

すごい盛り上がりだ、楽しくなってきた。

「私がこの村にやって来た理由は、皆さんに新たな活躍の場を用意することです。

しかし!皆さんがこの村のために勇気を出して戦おうとする姿を見て、少し考えを変えました!

この村が栄えるために必要な技術をお教えする場所を作ります!」

若干遠回りだが、仕方あるまい。

まずはここで職業訓練の基礎を構築し、外から人を呼ぼう。

今このノリで外に出て行こう的なことはいえんぞ、私でもな!


そんなこんなで大盛り上がりだった村の集会も終わり、ひと段落。

そんな中でふと見かけた、異様にポテンシャルの高い女性に声をかけてみることにした。

「ねぇ、そこのあなた、少しよろしいでしょうか。」

「はいぃぃ、レイシアさん?わたしに何の用でしょうか!」

おおよそ16歳~18歳くらいか、長い赤い髪をしている。

随分と派手だが、性格は引っ込み思案なのだろうか。

服装は、長めのスカートと普通の村娘という感じだろうか。

「あなた、何かは分からないけれどすごい才能を感じますわ。

何か心当たりあるかしら。」

「さ、才能ですか?

私はこの通りあがり症で、才能も何も。」

「あなたにも、私がこれから始める職業訓練に参加していただきたいと思いますわ。

突然ごめんなさいね、あなたのお名前は?」

「私は、トゥーナです。

ただのトゥーナです。」

「覚えましたわ、トゥーナさん、また会いましょう。」



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