〜第十一話 鈍感は犯罪です〜

「いや...どっちにしろ俺達の存在は魔族側にバレている...今夜、魔族は俺が倒す」


「....行けるのか?」


「あぁ」

そもそも異世界に来たからって地球にいた時と比べ弱体化したわけでもない、攻撃力増加なんて付与だし、妖魔との戦闘だって陰陽師により少しの攻撃は治るとはいえ命は命だ

いつだって体力は100である


「や、やっぱりダメです!!」


そう叫んでルーナは立ち上がった


「こんな戦力差勝てません...死ぬだけです」


「...」



「も、もう良いです!この国が滅ぼうと人類にはまだ連合王国や帝国があります、

王城から出る方法は私が教えますので、ミズトやキリシマ様は逃げてください!」


連合王国と帝国...おい霧島、そわそわするなよ


「...おそらく勇者召喚はこの国でしか行われていないのでしょう?」


「そ、そうですが」


「ならおそらく王国は人類にとって重要な国家...人類と二人の命どちらがより重要かはご存じでしょう?」


「ーーっ...」


「たかが1日過ごしただけなのにどうしてそこまで気にするんです?」


「....」


人としては優しいのかもしれないが、統治者になるかもしれない人物としては間違っている


「....水帝...」


「....」


きつくいいすぎたのだろう、かなりへこんでいる...


「ーーーだから、ルーナが俺たちに命令してください....ルーナの命令なら絶対に完遂しますので」


「ーー!で、では...」


「生きて...絶対に生きて勝利してきてください!怪我も許しません、五体満足で勝ってきてください!!」


....たかが一日、されど一日とでもいうのだろうか...どうしてもルーナの笑っている顔を見たくなってしまう、自分のことだが、ちょろいな


「ーー王女殿下の御心のままに」


「....」


ひざまずいていたのだが、霧島が凝視ぎょうししていることに気づいた


「ーー?なんだよ」


「いや、鈍感って犯罪だなって」


「はぁ?」


いきなり何を言い出すんだ


「まぁ、いいや...それで?俺は何をすればいいんだ、天下の水帝様」


「霧島、お前には死んでもらうっ」


「ひどくない?!」


「嘘嘘....国王との一騎打ちを望むがそうなるとも限らない、お前錬金術で壁を作れるか?」


「少しだけならな」


「それなら王の間の出入り口を壁で封鎖してくれ」


「わかった....と言っても数分持つかどうかも怪しいぞ?」


「数分で勝負をつける」


「....策はあるようだな、わかったまかせろ」


「こんなもんだ、じゃあ俺はもう一人に報告してくる」


「もう一人?」


「違法ロリのことだ」


「桜井か、その子が魔族の存在に気づいたのか?」


「あぁ」


「サクライ・マヤ様ですか...彼女が...」


「行くぞ、霧島...ルーナも今度こそ気をつけてくださいね」


「は、はい!」


そうして部屋から出た...決行は今夜、果たして明日を迎えられるかな?


「ーーー霧島、お前に保険を頼みたい」


「ーーどうせ、俺が負けたら王女を連れて逃げろとかだろ?」


「あぁ」


「...お前わかってんのか?」


「?」


「あの王女、多分お前に惚れているぞ」


ーーーは?


「ーー?、??」


何を言い出すんだこの子


「そんなわけないでしょ?チョロインじゃないんだから」


「やっぱり気づいていなかったのか...これだから鈍感主人公は」


「お前こそ漫画の読み過ぎだ、そんな無条件にモテるわけないだろ」


「は?鏡見てこいよ、殺すぞ」


一瞬空気が変わったのがわかった、こいつ本気だっ!


「....まぁ王女の好意は別として...死ぬんじゃねえぞ」


「....あぁ」


お前もな、と言ったら完全にフラグな気がしてきたので言わないでおこう


「ーーーこれフラグじゃね?」


「そうだな、俺が死んだらお前のせいだぞ」


「えぇ?!」


改めて思うが俺はいい友達を持ったと思う....


フラグジャナイヨー?



―――――――――――――――――


Q 青春だなー


A 異世界にいますけどね


Q はっ倒すぞ


A ーーえっ、

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