〜第二話 剣聖より剣帝の方が強いようです〜

「おぉ、成功したぞ」

「すぐに国王様に報告だ!」

「国民にも号令を出せ!」


そう興奮気味の声が聞こえて顔を上げた

「ーーは?」

最初に見えたのは絵に描いたような金髪の美少女に数人の騎士というのだろうか、その女の子を守る様にして立っていて、俺たちの周りには黒と紫をモチーフとしたフードをかぶっている大人たちが数十人いた

「な、なんだこれは?」

と委員長が呟き

「勇者様方、私はレーゲン王国の第一王女ユキ・リヒト・レーゲンでございます。此度は我が国が行った勇者召喚の儀にて皆様を勇者として召喚させていただきました」

ーーーそんなことある?クラスメイトたちもそう思ったのだろう、ざわつき始める

「身勝手なのは承知ですがどうぞ、魔族に脅かされている我が国を救ってくださいーー」

王女と名乗った少女がそう言って頭を下げた.....

しばらく無言が続きーーえ?どうすればいいの?


「ステータス、オープン」

っと隣からつぶやく声が聞こえたーーって霧島、お前かよ空気読めよ

「おぉ!ステータスが出たぞ!」

「「ーー!?」」

霧島がそう言うと全員が一斉に呟き始めた

ーーこいつら適応力高くない?

「おぉ!俺剣士だ」

「私、治癒士!」

「俺鑑定士なんだが?!」

と全員が自分の職業を言い始めた

「しゃっっ!!」

そうガッツポーズの声が聞こえて振り向くと委員長だった

「俺の職業は勇者だ!」

「えー!まじ!!さすがたっくん!」

「「おぉ!!勇者様だ!」」

「勇者様が現れたぞ!!」

なるほど委員長が勇者らしい、今のうちに魔王側に着こうかな


「ちなみにぃ〜、わたしはぁ聖女!!」

とギャルの様に見えて全然ギャルじゃない委員長ハーレムの1人である神楽坂がそう手を挙げた

「私魔法師だって!」

「治癒師!!拓のこと癒してあげる〜!!」

「あ、ちょっとわたしもたっくんを癒すの〜」

と次々にハーレムが完成していってる

「おい!拓!」

いきなり声を挙げた...あれは.....筋肉か

「俺は剣聖だ、そしてお前は勇者...お互いに協力して世界を救おう!」

「ふ、そうだな!ハーレ...世界を救おう!!」

と脳筋と委員長が熱い握手をしだすーーどこ需要?

「まてっ!!」

またかよ

「俺は賢者だ!もちろん俺も入るぞ!この世界の人たちが苦しんでいるのなら魔族だろうが倒してやる!!」

あいつはーー誰だっけ?

てかいつのまにか世界を救う方向で動いているけど....まあ3人とそのハーレムメンバーたちでクラスのほぼ半数だもんな...残りの16人が殺意を3人に向けているが気にしない

それにしてもなんだこのテンプレ回収しかしていないクラス転移は


「霧島、お前なんだったんだ?」

「....錬金術師」

おぉまじか、じゃあこいつはダンジョンでクラスメイトに殺されかけるな...

「まぁラノへ看破したお前ならいけるんじゃね?」

と他人事(実際他人事)の様に声をかける

「まてよ、水帝お前は?」

「そういえば見てなかったな...ステータス、オープン」

と呟き半透明のプレートが目の前に出た


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

水戸 水帝(みずと すいてい)

職業{剣帝}


Lv.1

体力 100/100

魔力 25/25

攻撃力増加 8%


スキル

固有スキル 剣帝覇気{小} 剣帝スキルLv. 1


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


....強いのか弱いのかわからないな、剣聖と何が違うのかわからないが王女たちが剣帝ではなく剣聖を探していたところからおそらく剣聖の下位互換が剣帝なのだろう

「なんとも言えないな」

「な、なんだよこれ!!強すぎるだろっ!」

「そ、そうか?」

「ほら見ろよ俺のステータス」

そう言って霧島は自身のステータスを見せてきた


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

理玖斗 霧島(りくと きりしま)

職業{錬金術師}


Lv.1

体力100/100

魔力 15/15

攻撃力増加 1%


スキル

固有スキル 錬金術Lv. 1  鉱物鑑定Lv. 1  植物鑑定Lv. 1


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「ほら、比べるとわかるだろ?」

「いや、職業によって得意不得意あるだろうし...勇者や剣聖と比べないとわからんわ」

「む、たしかに」

そう霧島に話し、先程からクラスメイトにステータスを見せびらかしている筋肉(剣聖)の方へ見に行った

「お、水帝か...どうだ!俺のステータスは」

脳筋が声をかけてくると群がっていた女子たちが道を開けた、これが筋肉親衛隊(笑)か


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

大知 鈴木(だいち すずき)

職業{剣聖}


Lv.1

体力100/100

魔力 10/10

攻撃力増加 5%


スキル

固有スキル 剣聖スキルLv. 1


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「「.......」」

「どうだ?凄すぎて声も出せないだろ?!」

「あ、あぁ」

「そうだな...さすが剣聖だ、羨ましいぜ」

「ところで水帝はなんの職業だった?」

「あー、俺は剣士だったわ...鈴木の配下として頑張りますー」

「ぷっ....そうか!天下の水帝が剣士か!!」

おい、こいつ笑ったぞ...俺お前に何かしたか?

「行こうぜ、水帝」

「あぁ...」

霧島に言われて三大ハーレムからあぶれた人たちがいるところへと戻った


「あー、うん...さすが水帝だな...」

「さぁな、強いのは最初だけ...なんてのはよくある話だろ?」

「確かにな...でもお互いの目標は決まったな」

「あぁ」

「やっぱり(メインヒロインを)探すしかないよな」

「そうだな、(日本に帰る方法を)探さないとな」

「小説だとこう言う時は奴隷商とか魔物に襲われているところを助けたりするんだが」

「...ん?」

なんの話だ?

「このままだとクラス一体で行動する可能性がある...そうなるとメインヒロインの取り合いになるな」

「はぁ?」

そんなテンプレ、現実で起こるわけないだろ

「つまりだ、どうにかして1人で行動できる様にしないとな」

「あぁ?そ、そうだな」

とりあえず目標は決まったらしい

「あー早く奴隷に堕ちたヒロインを助けてハーレム築きてぇ!」


うん...霧島...お前、小説の読みすぎだ




ーーーーだがこの霧島がのちに強強奴隷集団つよつよハーレムを築き上げることになるとは

この時の俺も後の俺も知らないのだったーーー





――――――――――


Q ヒロインはまだですか?(早く出せよ、出すもん出せよ)


A ヒロインは全員三大ハーレムに行きました(笑)


Q は?

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