第42話 罰
☆成宮祥子(なりみやしょうこ)サイド☆
私は親に立ち向かう事にした。
下手すれば親をぶん殴ろうと思う。
私の仲間達に迷惑をかけた挙句平然としているのが絶対に許せない。
思いながら私は数日ぶりに屋敷に帰って来た。
お姉ちゃんと一緒に、だ。
「お嬢様?...そちらの方は...旦那様が家に入るなというお達しの...」
「今日は重大なお達しがあるから来たの。開けてちょうだい。下手すると成宮家の終わりかもしれない」
「え...は、はい!かしこまりました!!!!!」
門番は黙ってそのまま門を開けた。
私達は中に入る。
それから玄関に手をかけて開け放つ。
するとちょうど母親が居た。
「...あら。負け犬が何でこんな場所に?汚らわしいわね」
「お言葉ですが。父親はかなり酷い事をなさっていますね」
「...負け犬の分際で何を言っているのかしら?もしかして警察がやって来たのも貴方のせいかしら?だとするなら戸籍から消し去りたいわね」
「...私は死のうが生きようがどっちでも構いません。しかし私は守りたいものがある。それに対して傷をつけるのであれば貴方がたの事は決して許さないです」
「...やった事とか?私達は何もしてないわ。何をいい加減な事を」
「ほら吹き野郎ですね。父に会わせてほしいんですけど」
「会わせる訳が無いでしょう。貴方の様なクソみたいな子は死ねばいいのよ。仲間?仲間だってどうせ大した事無いでしょう?情けないわね貴方」と言ったクソババア。
私は切れてしまった。
それから「貴方にされた事は何一つ良いことが無いです。それはそれで良いですよ。...だけど仲間を馬鹿にするなら絶対に貴方を許さないですから」
「...ハァ?貴方は本当に憎たらしい子ね。産んで不正解ね」
「お母様!!!!!撤回して!!!!!」
私はそんな怒りの言葉を発するお姉ちゃんを遮る。
それから私は胸に手を添える。
そして顔を上げた。
そうしてから睨んでから深呼吸する。
「私達は貴方達の悪行をばらす為に警察に行こうと思います。それから...お姉ちゃんはこの家を出ます」
「...何を身勝手な事を?馬鹿な事言うんじゃないよ」
「いえ。私達は叔母さんの家に向かいます」
「は。アンタは勝手にすればいいだけど弘子は連れて行かせないわ」
「いや。お母様。私は家を出ます」
そう言いながら私は戸籍謄本を出した。
その戸籍は(分籍届)である。
お姉ちゃんが申請した。
それから私の分も作ってくれた。
叔母さんにお世話になる為に。
母親の顔がみるみる憎たらしい顔になった。
「貴様!!!!!勝手な真似を許さない!!!!!」
「勝手な真似?私が貴方にされた事。警察に言いましょうか。今のタイミングで。そこに警察官居ますしね」
「そんなの認める訳無いでしょう!!!!!許さないわ!!!!!」
するとお姉ちゃんが今度は「弁護士に委託しました」と切り出す。
母親は「は?」と動きを止める。
獣の様な動きを、だ。
それから「法律相談に乗ってくれる弁護士さんに。...もう私達はお母様の家族じゃなくなります」とお姉ちゃんは言う。
「...きぇぇぇ!!!!!このクソガキどもがァ!!!!!」
母親がいきなり何か取り出した。
杖。
その杖で思いっきりお姉ちゃんの顔をぶん殴った。
お姉ちゃんはあまりの事に地面に倒れる。
その瞬間。
私は。
プツンと何かキレた。
それから歪んだ笑みで暴走しまくって地団駄を踏んでいる母親を見る。
そしてそのまま首元を掴んだ。
そうしてからそのまま掴み上げる。
圧倒的な力で、だ。
「何するのこの負け犬!!!!!」
「いやまあ。首をへし折ってやろうと思いまして」
「は、はぁ!?」
「...アンタのやった事は私の人生を奪ったのも同じですしね。積年の恨みですよ」
「ま、待って。実の母親に何て事を!!!!!」
じたばた暴れる母親。
だけど私はありったけの鍛えている力で締める。
そうしているとお姉ちゃんの声がした。
「待って!駄目だよ!殺しちゃダメ!」
「...でももう我慢できない。このまま一捻りでやってしまえば」
「捕まりたいの!?駄目!」
必死で涙を流しているお姉ちゃん。
私はその顔を見てから目を逸らして眉を顰めた。
それから母親を放す。
すると母親は「このガキどもが!!!!!警察に訴えてやるから!!!!!死ね!!!!!」とよたよたと逃げて行った。
「...これで良かったのかな」
「...殺さなかったね。偉いよ。...積年の恨みがあると思うのに。殺さなかった。成長したね祥子」
「...お姉ちゃん...血が出てる」
「アハハ。...でもこれで邪魔者は減ったね。お父様の所に行こ」
「...そうだね。お姉ちゃん」
それから私はドアを開ける。
するとそこに...父親の観音寺が居た。
私達を見ながら「何の用事だ。母さん困っているんだが」と言ってくる。
私はコピーを取り出す。
そのコピーは...戸籍謄本。
それから弁護士からの手紙などなど、だ。
「私達は家を出て行きます。二度と戻りません」
「そうか。勝手にしろ。出て行け。...だが弘子。お前は...」
「いえ。出て行きます」
そして父親に弁護士の手紙を読ませた。
その顔がみるみる真っ赤になる。
「何故こんな真似を...!!!!!」と。
そこにはお姉ちゃんが戸籍を全部捨てると書かれていた。
ピアノも引退する、と。
「この一族の恥さらしが!!!!!出て行け!!!!!」
「そうですね。それを待っていました。お父様。だから出て行きます」
「...私も」
書類を暖炉で燃やして激高する父親。
それからガラスを叩き割った。
私はその姿を見ながら「哀れだ」と思いつつ。
そのままお姉ちゃんと家から出て行った。
☆
「いやはや!スカッとしましたな」
「...お姉ちゃん。本当にこれで良かったの?」
「これで良いんだよ。これでお姉ちゃんは貴方を守れる。心からね」
「...お姉ちゃん...」
「だけどまだ問題行動を起こしそうだから取り敢えずどうにかしないとね」
「そうだね」
「行こうか。叔母さんの所」
そして私達はそのまま私の家に帰ってから準備を始める。
それから私達は手続きをするのに役所に出向いた。
取り敢えずは一から準備しないと。
そう思いながらだが。
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