見返すなら歌でしょう!今でしょう!?
第21話 バンド名(アクアユニゾンスクエア)
☆渦宮華(うずみやはな)サイド☆
何かおかしな事が起こっており学校が休みになった。
私はずっと考えていたが答えが出ない。
何故こんな事になっているのか。
飯場は何故自殺した?
「...考えても無理か」
そんな事を呟きながら私はお父さんを介抱してからそのまま勉強をしていた。
すると電話が掛かってきた。
私は「?」を浮かべながら「もしもし」とガラケーに出る。
その人物は...徹だった。
「徹?どうしたの...?」
『華。すまないけど手伝ってほしい』
「え?何を...」
『俺な。もう一度音楽をする事にした』
「...ふぁ?」
私は素っ頓狂な声が出た。
それから「それってどういう!!!!?」と大慌てで立ち上がる。
その勢いでお茶が零れたがそんな事よりも。
音楽をするって...!?
「と、徹!?いきなりだね!?」
『そうだ。そしてな。お前に2人組の。ツインボーカルの片方を頼みたい』
「...ふぁ?!」
『...お前の実力ならいけるかって思った。俺もボーカルをするけど』
「私と徹って声質が...」
『俺が何とか合わせる。...俺は...とある野郎に復讐したくて』
「とある野郎って...まさか」
『お前の考えている人物とか。そういう奴らを見返したい』と徹は夢有る様な事を話してくる。
私は「い、良いけど...でもバンドメンバーを集めないと」と話す。
すると『ピアノは大丈夫だ。...梓がやるそうだから。後は適当にメンバーを集めれば』と言ってくる。
「本当に急だけどどうしたの?」
『ああ。...実は...成宮の件とか。...俺は成宮の周りの人間関係を見返したくてな』
「...成宮に復讐だね?」
『そういうこった。イジメっ子にもな』
「そういう事なら幾らでも参加する」
そう言いながら私は零れたお茶を拭いた。
それから「ねえ。徹」と言ってみる。
すると徹は『ん?』と話した。
私は言い淀んでいたが思い切って聞いてみる。
「何でいきなりそんな事に?」
『より正確に言うなら家族を守りたくて。そして俺の保身を守りたい』
「...そっか」
『俺達は有名になって全てを見返す』
「凄いね。徹。私はそんなに力無いから」
『...そうだな』
拭き終わってから「バンドの名前は決まっているの?」と聞いてみる。
すると『バンド名は決まってないが...候補は上がっている。アクアユニゾンスクエアだ』と話した。
私は「それはどういう意味なの?」と聞いてみると徹は『透き通る(アクア)ユニゾン(2人)スクエア(交差する)だ。それで候補に挙がってな』と言ってくる。
凄いネーミングだ。
ロゴの読み方としてもアリだ。
「それで良いんじゃないかな。徹」
『しかしこれはまだ候補だぞ』
「いや。私はそれが良い」
『...良いのか?お前』
「うん。梓ちゃんも納得しているでしょ?」
『まあそうだが』
「じゃあそれでいこう」
私はドキドキが止まらない。
それから私は「いつから活動開始するの」と聞いてみる。
すると徹は『まだ決まってない。だけど近日中にどうにかする。俺達の学校では一応...夏休み前に打ち上げが有るだろ?そこでデビューしようって思ってな』と言う。
だけど...。
「どうだろう。イジメっ子どもはどうする?」
『そもそも俺のクラスはもう崩壊したしな。イジメの件も無くなるんじゃないかって思ってなそのうち』
「アイツは...成宮は?」
『アイツは黙らせる。必ず。ただし今は手段が無いから見つけていく』
「...そっか。分かった」
そして徹は『今からちょっとギターとか調整するから。じゃあな』と言ってくる。
私は心臓をドキドキさせながら赤くなりながら。
「うん」と言って別れた。
それから私は直ぐにギターを調整しようとした。
すると背後から「お姉ちゃん」と声がした。
「花」
「...もしかしてはバンドするの?」
「そう。徹お兄ちゃんとバンドするよ」
「...そうなんだ!?すっごい!」
「蘇ったよ。徹がね」
「...うん。徹のお兄ちゃんは歌声が凄いから」
「だね。それは確かに」
こうしちゃいられない。
取り敢えず練習をしないといけない。
だけど今はお父さんが寝ている。
外で練習しよう。
そう思いながら居るとお父さんが「出掛けるのか?」と聞いてきた。
「練習してくる。ギターの」と私が答えるとお父さんは「そうか。...もしかして遂にか」と話してくる。
私は赤くなりながら「うん」と答えた。
「...彼が復活したって事だな」
「彼の為に何かがしたい」
「...そうだな。出来れば婿に来てくれればもっと安泰なんだけどな。俺はお前の身が心配だ」
「お父さん!!!!!」
「ははは。でもお前は好きなんだろ。彼が。そして彼を支えたい。それは間違いないな?」
「...うん。大好き」
「...じゃあやれるだけやれ。...後悔はするなよ」
「青春は仮にも一度きりだ。俺の様に後悔はするな」と良いながらお父さんは横になってから私を見る。
お父さんは変わらずだなって思う。
「決して後悔はしない。やり遂げるよ」と私は言いながら花を見る。
「ゴメン。ちょっとの間だけ任せていい?お父さん」と花に言葉を発する。
すると「ぐっじょぶだよお姉ちゃん」と「任せて」と言ってくれた。
私は頷きながら2人に見守られながらそのまま外に出た。
それから高鳴る心臓を持ってから河川敷に向かう。
そしてギターを広げた。
こうしちゃいられないな。
アクアユニゾンスクエアの為に。
ボーカルの為に。
練習しなくちゃいけない。
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