第18話 消滅
☆渦宮華(うずみやはな)サイド☆
海を見てから私は徹と遊んだ。
水かけをしてだ。
まあそれは着替えが無いのでほどほどだが。
それから私達は海を堪能してから帰って来る。
「じゃあ戻るか」
「...徹」
「...何だ?」
「...学校でまた会えるよね?」
「正直何も分からないけど...だけど会える。きっとな」
そんな感じで会話をしながら私は徹に寄り添う。
それから胸に手を添える。
そしてそのまま徹の家まで帰って来る。
そうしてからドアを開けてもらうとそこに笑みを浮かべた梓ちゃんが居た。
「お帰り。お2人さん」
「ああ。ただいま。梓。1人にしてゴメンな」
「ううん。私も色々と作業出来たし」
「そうか?作業...家事とか?」
「...まあ内緒だね」
私はその姿に「?」を浮かべながらギターケースを持つ。
すると梓ちゃんが私に向いてくる。
「お兄の事。有難う御座います」と言ってきた。
頭を下げながら律儀に。
「...気にする事は無いんじゃないかな。私も今回の事はビックリだけど」
「ですね。...どうなっていくか分からないですけど...」
「そうだね。...だけどきっと良い方に向かうと思うよ。...私はそう思うかな」
「私もそれは思ってます。だけど不安な点がいくつかあるので」
「具体的には?」
「そうですね。例えば...お兄の学校生活とか」
「そうだね」と私は返事をしながら徹を見る。
徹は私の言葉に肩をすくめてから「どうにかなるさ」と答えた。
それから「だけど転校も視野に入れないとな」と苦笑した。
「今の学校は確かにごっちゃだもんね」
「そうそう。どうせ...俺は受け入れられてなかったけど」
「...それはお兄が悪い訳じゃ無いよ」
「まあそうだけどな」
そんな感じで会話をしているとテレビのニュースが見えた。
地元のニュースだが...ん?と思いながらニュースを見る。
そのニュースはこう伝えていた。
(女子学生が自殺した)という感じでだ。
だけど気になったのはその点じゃない。
高校が私達の高校だ。
「え?誰が自殺したんだろう」
「...え?あ。マジだな。誰だ?」
「...」
その際に一瞬だったが。
梓ちゃんが笑みを浮かべているのに気が付いた。
気のせいだろうか?
思いながらニュースを見るとその女子学生は(飯場メル)という女学生だった。
「...え...」
「...お兄のクラスメイト?」
「そ、そうだな。え?」
ビルから飛び降りており通行人が巻き添えになっている。
だから大きくなったニュースの様だが。
飯場って...確かに名前だけ見た事がある。
私は考え込む。
「...俺をイジメていた天罰かな」
「そうだね。私はそう思う」
「私も」
そんな感じで私達は暫くニュースを観てからそのまま私は帰宅した。
その際に私は考えていた。
今さっきの梓ちゃんの笑みは...何だったのだろうか。
そう思いつつ。
☆佐藤梓(さとうあずさ)サイド☆
まさか追い詰められて?自殺するとは思わなかった。
所詮はそんなものか。
思いながら私はニヤッとしながらニュースを観る。
笑顔が止まらない。
人間の精神を壊した罰だ。
「ニュースをしっかり観るとか珍しいなお前」
「そりゃそうでしょ。お兄のクラスメイトだよ」
「とは言ってもイジメっ子だから感情移入が難しいな」
「それはそうだけど...」
でもまあ私も何とも思わないな。
死んでこそ最大の罪の償いになると思う。
考えながら私は次の作戦を練る。
あと4人に何としても復讐しなければ。
「...でもなんで飯場の野郎は自殺したんだ...追い詰められていたとは思えないけど」
「勉強や成績で悩んでいたんじゃないかな。お風呂に入って来るね」
そして私は風呂に入る。
それからスマホを弄ってみる。
SNSを開けた。
次のターゲットは確定している。
この次のターゲットの名前は2人目。
お兄のクラスメイトの武宮幸奈(たけみやゆきな)だ。
17歳でモデルの仕事をしてるらしいが知った事では無い。
思いながら私は2段階認証も無い様な曖昧なセキュリティを外してから即座にアカウントの中に入った。
私は武宮幸奈のアカウントのまま(この場所に居るよ♪)と公に書き込んだ。
そしてGPSで帰宅場所を公表する。
これだけじゃ面白みが無いのでこの街に居る最悪の不良集団に武宮を襲ってもらうようにいくつかの男達に好き好きアピールをした。
全ての情報を閲覧できるようにした。
人気だったのがアダになったな。
武宮がそういう男達を日頃から弄び舐めていた様だ。
鍵垢に色々と保存されていた。
バレないと思った様だがそうはいかない。
つまり相手の恋愛事情を利用する感じだが。
そして私は不良集団の相手との関係をいきなり破綻するメールを送って怒らせた。
裏切った感じでだが。
まあ何というか。
SNSは便利だけど怖いもんだ。
「お兄をイジメた報いを受けてもらいましょう♪」
そんな言葉を言いつつ私は送信した。
誰かのせいで股が裂けるだろう。
レイプされまくってだが。
だがまあ知った事では無い。
報いは報いだから。
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