第8話 バーンアウト?そんなの嘘だね。

☆渦宮華(うずみやはな)サイド☆


私は徹の家に来た。

正直言ってキスをした後にこの場所に来るのは恥ずかしい。

だけどこれも決意の証だ。

私は絶対に徹の為に復讐するって決めた。


「...お茶淹れてくる」

「...ああ。...大丈夫か?」

「大丈夫。気にしないで」


ギターケースを置きながら私は徹を見る。

徹は私をチラチラ見ながら恥じらっていた。

私はその姿に笑みを浮かべる。

(可愛いな)と思いながらであるが。


「...なあ。...本当にプリントを届けに来ただけか?」

「さて。どうなんでしょうね」

「...冗談はよしてくれ。...俺はあの事が恥ずかしいぞ」

「私は恥ずかしくないよ。...あれは決意の証だったんだから」

「...お前な...」


「私は貴方が好き。だからそれを知っておいて。貴方を狙っているって」と話しながら私は彼を見る。

すると義妹さんが飲み物を持って来てくれた。

それから私はお礼を言ってからハーブティーだと思われるものを飲む。


「...その。...えっと」

「...?...どうしたの?」

「いや。何でもないです」


義妹さんは曖昧な感じで私に対応しながら同じようにハーブティーを飲む。

それから顔を上げた。

そして「どこのお兄を好きになったんですか?」と聞いてくる。

私は「彼が歌う姿が格好良いから」と答えた。


「彼の歌は世界を変えると思っている」

「...そうなんですね」

「...お前な。恥ずかしいっての!」

「私は実直な思いを述べているだけ。恥ずかしいとか関係無しに」

「...!」


私は真剣な顔をする。

そして義妹ちゃんを見る。

義妹ちゃんは顎に手を添えながら「...分かりました」と静かに反応する。

私は「彼の彼女は裏切ったけど。私は絶対に裏切らない」と告げた。


「...あのクソ女は許せない」

「...ですね」

「...私はどんな手段でも彼女を地獄に落とす」

「...おい...華」

「何?...ああ。私は悪に染まっても良いよ。...絶対に許せないから」


そう言いながら私はカップを握り締める。

このままやられっぱなしで終わらせる訳にはいかない。

考えながら私はカップを置く。

徹は「悪人になるってお前な」と言う。


「...だって私達を地に落としたんだから。一緒に落ちてもらわないとね」

「...」


話しながら私は徹の手を握る。

それから徹を見る。

「これはここでおしまい」と呟きながら。

そして「ねえ。徹。部屋に案内して」と言葉を発する。


「は!?お前俺の部屋に来るのか!?」

「当たり前でしょう。その為に来たんだし」

「俺の部屋は汚いぞ」

「ゴミだめって事じゃ無いでしょう。...行きたい」

「...し、しかし...」

「なら私が行く」


そう言ってから立ち上がってから「義妹ちゃん。彼の部屋ってどこ?」と聞いてみると義妹ちゃんは「二階の初めの部屋です」と話してくれた。

私はニヤッとしながら「じゃあね。徹」と部屋に向かう。

徹は「おいおい!?」という感じになった。


「言ったでしょ。私はそれが目的でここに来たって」

「いや...」


そして私は徹の部屋に向かうと。

そこにはライトノベルとかアニメグッズ。

ベッドそして洋楽のCDなどがあった。

一番目についたのが...埃を被ったギターだった。


「...徹。待って。ギターをそのまま放置しているの?あれ」

「...言ったろ。俺はもう歌が歌えないって」

「馬鹿なの!?あんな事をしたら使えなくなる...!」

「...俺はもう良いって。まあつまりバーンアウトだよ」

「そんなの言い訳にしかならない」


私はそう答えながら徹を睨む。

それから彼を見つめる。

「そんなのヒーローのやる事じゃ無い」と呟きながらだ。

徹は「もう良いんだ。俺は」と苦笑する。


「...やりたい事は全部やった。だからもう良いんだ」

「...徹...」

「...何もかもが全部燃え尽きた」

「...」


その言葉を受けながら私は「分かった」と返事をする。

それから徹から離れてから「じゃあ本当に燃え尽きたか試してみようか」とドアを思いっきり閉める。

そして鍵を掛けた。

義妹さんは今は仕事中だ。


「...!?...何をしている?」

「何もかもが燃え尽きたって事が本当か確かめる」


そして私は少しだけ赤くなりながら服を脱ぎ始める。

徹は「うわ!?な、何をしている!!!!?」と言うが。

私がしたい事は1つ。


彼の性欲を確かめるのだ。

何もかもが燃え尽きたなら下半身も燃え尽きている筈だが。

それが嘘なら仕方が無い。


「...ま、待て!?お前馬鹿か!?」

「私は当初から言っているけど。貴方になら何をされても良い。その分私は貴方が本当に燃え尽きたかどうか確かめる」

「馬鹿野郎!?お前な!!!!!」


そう言う徹を押し倒した。

それから服を脱いでから下着姿になる私。

そして徹を見つめた。

下の方でモゾモゾと何かが動いた。


「...何だ。燃え尽きてないじゃん」

「ジョークでも止めろお前!?」

「嘘つきだね。ならギター弾けるよね」

「こ、こっちの燃え尽きとは違う!!!!!」

「違わない。...弾けるよ。これなら」


そして私は徹の頬を片手で触りながらそのままキスをした。

それから彼の下半身に触ろうとした時。

「ギブ!」と彼が言った。


「分かった!またギターを調律して弾くから!!!!!止めてくれぇ!」

「...そう」

「...そう。じゃない!!!!!マジに冗談でも止めろ!」

「私は貴方のやる気を引き起こしたかったから」

「そっちの意味に聞こえる!」

「どっちの意味?アハハ」


私は徹から退いてからそのまま服をまた着る。

それからハッとした。

下半身が少しだけ濡れている事に。

いけないな私も大概。

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