壱――その男、鴇羽蘇芳


 連歌れんがとは――


 二人以上の者が交互に、和歌の上の句と下の句を詠んで続けていく形式の歌。





『ときは今あめしたしる五月さつきかな

 森のみどりの美しき道

 一人ゆく赤の影持つその男

 陽炎かげろうのごとき背姿を見る

 旅人が出会うは新たな国の者

 その出会いこそ全ての始まり』

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