第43話 燃え上がる反撃

やつの背後から伸びてくる触手を避けながら反撃方法を考える


「恐らくヤツの触手が墨と土石で構成されているなら火属性は相性が悪いか?ワンチャン聖属性が刺さる可能性はあるのか?どちらにしてもあれだけの数のクソタコが入ってるなら嫌でも当たるか」


背後に火槍ファイヤーランスを2本生成し、射出


火槍ファイヤーランスは勢い良くボスに突き刺さったが、1〜2体のクソタコを焼いただけですぐにゴーレムは修復されてしまった。


「あぁ〜やっぱり火属性は相性悪いか〜、でも引き撃ちし続ければいつかは狩れるか?でもどう考えても面倒なんだよな〜」


などと考えているとボスの肩に銃身のような物が生えてきた。


「は?」


ダッダッダッ!


いきなりの事に動揺する暇もなく銃身から墨弾が連射される。


「はぁぁ?!?なんなんだよコイツは!」


ひとまず魔法障壁で防ぎながら相手の様子を見るが、いくら撃ってもまるで体積の減っている様子が見受けられない事からも、随時地面から補充しているのかタコがわざわざ吐き出しているのかは分からないが弾数は限りなく無限に近いであろう事が良く分かる。


「とは言っても群体型のボスかつ物理と火属性が効きにくい相手をどう倒すかなぁ…」


手持ちの技の中で効果的な技を考えてみるが中々良いのが思いつかない


「…ならもう作るしか無いな」


試しに飛んできた墨弾を夜叉で斬り裂いてみるとやはり土石が混ざってあるようで飛び散った残骸で少し皮膚を切られた。


「ふむふむ、半端な攻撃だと逆にこっちが不利になるだけか…そして相手の性質上広域を一息で押し潰したい所…」


高速の連撃で多くを斬り裂くか?

それとも神速の一刀を使う?

まぁ悪くはないが今回はアレで行こうと思う。


「夜叉には少し良くない使い方かもな」


夜叉に対して魔力を纏わせ一回り、二回りと大きくしていく…

やがて元のサイズの10倍程になる頃には立派に大剣と呼べる見た目になっていた。


加速したまま魔力を足元で爆ぜさせ飛び上がるっ!


そのままボスの頭上まで飛び上がり手にした夜叉に怨嗟刃の容量で火炎を纏わせて振り下ろす!


「燃え盛れ、魔戦刀術 『肆の刃 』ッ!」


振り下ろされた夜叉はその大質量を思う存分に発揮しボスを押し潰すどころか地面にクレーターを作り上げる。

周囲には破片が散らばるもののその大半が火炎の余波で燃え尽き微かに残った残骸もその巨大な刀身に遮られて俺まで届く事は無かった。


「うし、大剣技に大切な質量感と破壊力の再現まで完璧だな!今回は初めて即興で作った技だから今後も改善をしていかないとな…まぁそれよりも今は魔石を喰らうとしますか…」


その魔石は今まで見た物より僅かに色が黄色っぽい気がした。


「おっ!土属性魔法手に入れてる!これで戦いの幅も更に広がりそうだしありがてぇなぁ〜さっ、次に進むか!」


こうして俺は土属性魔法を手に入れ更なる深みへと向かうのであった…

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