第41話 服問題解決

「うし、これなら実用に耐えられるだろ」


完成したのは真っ白な糸によって編まれたジッパーなども無いような飾り気のないジャージであった。


「これで3回目のテストか…1度目のやつは酷かったなぁ…」


2回目のやつは問題点が強度不足程度だったのでまだ良かったのだ。


真に酷かった1回目は何が酷かったのかと言うと…


「まさか意識しないと全部の糸が粘り気ありになるなんてなぁ…ぬちゃついてるしワンチャン狙いで一度着てみたら不快感半端ないし…その割に防御も弱いし脱げないしで呪いの装備か何かですか?って製作者を問い詰めたくなったよね、まぁ俺が作ってたんだけど…」


むしろ俺はなんであの糸で服を織れると思ったのか?


「まぁあのクソタコ野郎へのストレスでちょっとおかしくなってたんだろう。さて、テストをするか!」


人形に削った岩に制作したジャージを着せ、火属性魔法、無属性魔法、聖属性魔法、斬撃、刺突、打撃…と今考えられる限りの攻撃をしていくが岩の方にまで貫通した攻撃は見当たらない。1発貰ったら実質防御無しだったジャージとは天と地程の差が生まれた筈だ。


流石にジッパーやボタンを再現する材料がなかったのでボディースーツの様な状態のジャージに袖を通せば1度目の粘つきなどなかったかの様なサラッとした肌触りの布地が出迎えてくれる。


「うん、これなら現時点での最良の装備と言えるんじゃないか?アイテムボックスにもう何個か作り置きしても良いかもな?」


ゴゴゴ…


再び生産に入ろうとした直後に再びあのクソタコが現れる。

そしてゴーレムのその巨大な拳を振り下ろそうとしてくるが余裕で回避し一度の突きのみで仕留めた。

その後に相変わらず墨をばら撒いて爆散するが事前に魔法障壁を張っておく事で今回は墨を全身で浴びることは無くなった。


「しかしまぁこのゴーレムっぽいタコは初見殺し性能こそ高いけどある程度慣れてくれば割と都合の良いレベリングスポットになるのでは?だけど欠点としてはゴーレムが巨体なせいかモンスターが他のエリアと比べて気持ち少ないから連戦数を稼げないことか?まぁどちらにせよもっと効率よく稼げるスポットもあるんだろうし何より、純粋にへまするとゴーレムが進化するリスクを考えると無い方がおかしいレベルかぁ。でも経験値うまうまだな」 


少しテンションが上がり歩いていると下へ続く階段を見つけた。


「うし、このジャージの初戦闘だな!」


俺は更に下の階層へと向かうのであった…

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